新卒採用多様化の環境下、就活生の情報格差が拡大?望ましい情報収集とは?

1. 経団連の終身雇用廃止宣言と、新卒採用の多様化

経団連会長の終身雇用廃止宣言が報道された直後、新卒採用の多様化も発表された。
戦後の日本企業の雇用の柱である、終身雇用、年功序列、新卒一括採用が令和になって変容していくことが認識され始めた。

これに先立って、就活ルールの廃止が決まっていたので、今後新卒採用の在り方が変容していくだろう。

新卒採用の多様化というのは、新卒採用の実施時期が多様化することや、新卒採用条件の多様化(コース別採用、初任給の違い等)を意味し、同じようなタイミングで、同じような選考プロセス(ES、テスト、GD、企業訪問、インターン、面接等)で行われていたものが変化していくということであろう。

2. 既に存在している学生間の格差が更に拡大?

就活においては、今も昔も学歴は重要なファクターである。しかし、学歴が同じであっても、就活に関する学校内格差はかなり激しい。

例えば、私大文系最高峰の慶應大学経済学部の場合でも、外銀、外コン、三菱商事の内定総取りがいる反面、メガバンクや大手生損保の総合職の内定をもらえない学生もいる。

これには、英語力、プレゼン能力、企業分析能力、人脈・コネの違いなど、いろいろ理由はあるかと思うが、情報収集能力の格差が共通して存在しているはずである。

3. 情報収集能力において敗者とならないためのチェックポイント

高度情報化社会において、企業は競争をしているので、情報弱者は必要とされない。まず、情報面で負けないために、どういった点に注意すべきであろうか?

①経済・企業に関する情報収集

今の若い人は昔の人よりも新聞を読まなくなったという。
それでは、Web版でも良いので日経新聞は読んでいるだろうか?ヤフーニュースしか見ないということは無いだろうか?

学生はお金が無いというのであれば、図書館に行けば、日経新聞はチェックできる。
さらに、人気企業に就職をしたいと考えるのであれば、経済3誌(日経ビジネス、東洋経済、ダイヤモンド)は読んでおきたい。
3誌とも毎週月曜日販売であるので、大学の図書館とか街の図書館でチェックしておきたい。

また、これらについては無料でもWeb版は閲覧できるので、目を通す習慣をつけたい(東洋経済オンラインの質を問題視する意見もあるが…)。

さらに、金融系の専門職を目指す場合には、日経ヴェリタスを読んでおきたい。

②どんな就活サイトを使っているか?

早稲田、慶応クラスの学生であれば、みん就、リクナビ、マイナビはあまり使っていないのではないだろうか?
東大生は、リクナビあたりは使わない。

参考にするならば、外資就活あたりだろうか。

そもそも、学生同士のコミュニティで時間を浪費するのはお勧めできない。解答を知らない者同士で、ああだこうだと言っても、参考にならないし、非効率である。
少なくとも、内定を取った先輩に相談をしたいところだ。

慶應が外銀に強いのは、OB/OGの若手の外銀の社員を呼んで勉強会とかをやったりしているようだ。就活の情報勝者になるには、こういうところに参加をしておきたいものだ。

③OB/OG訪問を十分やっているか?

就活において一番有用な情報収集は、その業界・企業の中の人から話を直接聞くことだ。就活の外向きの世界であふれている、美しい大企業のパンフレットやWebコンテンツ、先輩社員の動画といったものは幻想である。

その業界・企業の本当の姿を知るには、その中の人から直接一次情報を取得するのがベストである。

なお、ここでいうOB/OG訪問とは、3/1に解禁されるフォーマリティが高い、実質的には選考面接となっているOB/OG訪問ではない。選考とは関係が無い、インフォーマルに話を聞くための訪問である。

ここで留意したいことは、訪問すべきOB/OGとは必ずしも20代の若手でなくとも構わない。むしろ、採用責任者に近い年代の40~50歳位が望ましい。そして、窓際の人は当然ダメで、成功している人がいい。

大企業で年を取って成功している人は、余裕もあるし、後輩のキャリア相談には熱心に協力してくれるはずなので、遠慮せずに訪問以来をすればよい。

④長期アルバイトの勧め

これは業界によって可能な業界とそうでない業界があるが、選択肢の一つとして考えている業界でアルバイトの機会があれば、是非挑戦してみたい。

典型的なのは、ITネット系の業界である。これは狭義のベンチャー企業に限らない。
例えば、ヤフー、楽天、サイバーエージェント、LINE、メルカリから、従業員数が10人にも満たないようなところまで、対象企業は幅広い。

中の人の話を聞く以上に、自らがその業界・企業でアルバイトという立場ででも入ってみると、内情は良くわかるだろう。

仮に、本命がITネット系でなくとも、この分野とは関りが無い業界は無いと言っても過言ではない。商社、金融、流通とこの世界とは無縁ではいられない。従って、他の学生は知り得ない有用な情報を入手し、差別化できるチャンスである。

また、将来、独立起業を考えている学生にとっては、新しい企業で働くことは参考になることも多いであろう。

いろいろWebとかYouTubeでも最近強調されているが、単純な飲食店とか塾のバイトではあまり得るものがない。どうせバイトをやるにせよ、戦略的に行いたいものだ。

最後に:中途採用の世界になると、ますます情報収集能力で差が付く

実は、中途採用になると情報収集能力の違いがキャリアを大きく左右する。就活と違って、中途採用は水面下で行われるので、黙っていたら何にも起こらない。

自ら転職エージェントを探し出し、業界内での人脈によって情報収集を図るなど、情報収集能力が無いと始まらない。

このため、就活の時から他の学生以上に情報収集を熱心にやる習慣が身に付けば、将来長く使える武器にもなるのだ。