明治大学法学部の就職と課題について

1. 明治大学法学部の概要

明治大学法学部は定員920名である。
学科は法律学科のみであり、政治系の学科は政治経済学部にある。
もっとも、コース制が採用され、法律学科内で、ビジネスローコース、国際関係法コース、法と情報コース、公共法務コース、法律コースと細分されている。
男女比率は、約7:3であり、男子学生の比率が高い。

明治大学法学部というと、伝統的に、中央大学法学部と並んでMARCHにおける最高峰の学部と思われるが、偏差値で見ると意外なことに明らかなトップ学部ではない。

パスナビ調べだと、明治大学法学部の偏差値は62.5であり、政治経済学部や商学部と同水準である。
https://passnavi.evidus.com/search_univ/3120/campus.html

中央大学法学部も偏差値60.0~65.0というレンジなので、飛びぬけ感は無い。これは弁護士の人気が低下したことに伴う、法学部の人気低下が原因なのかも知れない。

2. 明治大学法学部の就職について

①明治大学法学部の進路

法学部というと、法曹を目指す者が最上位であった。しかし、法科大学院制度の低迷や弁護士の人気低下によって必ずしもそうではなくなってきている。

明治大学法学部クラスになると、法曹希望者が多そうな気もするが、大学院進学者は卒業生881人中、58名であり、わずか6.6%である。しかも、これは法科大学院以外も含んだ進学者数なので法曹希望者はもっと少ないかも知れない。

なお、「各種試験受験」という資格試験浪人が29人存在するので、法曹希望者はこれを含めてもせいぜい10%程度であろうか?

他方、目立つのが公務員の多さである。公務員として就職した者は148人である。就職者のうちの2割を占め、法学部内の最大シェアとなっている。
後述する個別の就職先を見ても、上位に公務員がランクインしている。

民間企業については、金融・保険が最も多く129人(17.9%)、続いて、情報通信業103人(14.3%)、製造業85人(11.8%)となっている。

公務員が多く、金融の比率が低く、経済・商学系の学生の進路とはかなり異なっている。
https://www.meiji.ac.jp/shushoku/6t5h7p00000c2zmv-att/6t5h7p00000c2zuv.pdf

②明治大学法学部の就職先について

明治大学の場合、学部別に主な就職先30社を就職者数と共に開示してくれている。
https://www.meiji.ac.jp/shushoku/6t5h7p00000c2zmv-att/6t5h7p00000c2zv1.pdf

東京特別区 30
国家公務員 一般職 22
国税専門官 12
警視庁 10
日本郵政グループ 10
東京都庁 9
みずほFG 7
KDDI 6
三菱UFJ銀行 6
千葉銀行 5
いすず自動車 4
SMBC日興証券 4
神奈川県庁 4
埼玉県庁 4
裁判所職員(一般職) 4
静岡銀行 4
損害保険ジャパン日本興亜 4
大和ハウス工業 4
日本政策金融公庫 4
みずほ証券 4
三井住友信託銀行 4
三菱食品 4
三菱UFJ信託銀行 4
ANAホールディングス 3
キーエンス 3
千葉県庁 3
東京海上日動火災 3
NTT東日本 3
JR東日本 3
横浜市役所 3

(出所:明治大学公式HPより作成)

明治大学法学部の就職先における最大シェアが公務員であるので、上位は全て官公庁である。

民間企業のトップは日本郵政グループで、公務員的な嗜好がうかがえる。
3メガバンク、信託銀行、大手損保、大手証券がランクインしているが、千葉銀行や静岡銀行といった地銀が上位に入っている。

メーカーでは、いすず自動車や大和ハウス工業が上位に入っている。また、キーエンスにも3名就職している。メーカー系では、他の有力私立大学だと就職者が多い富士通や三菱電機が何故かランクインしていない。

全体的な傾向、イメージとしては安定志向が強いというところだろうか?

3. 明治大学法学部の就職における課題

①法曹志望者をどのように考えるべきか

従来は、法学部というと司法試験合格者数でスタータスが決まるという傾向があった。しかし、法科大学院制度によって、評価の対象は法学部ではなく法科大学院レベルの合格者数や合格率となっている。この点、明治大学法科大学院は、合格者数でも合格率においても競争力が低く、プレゼンスを欠いている。おそらく、従来の旧司法試験時代の方が、明治大学法学部のステータスは高かったのではないだろうか?

そこで、大学側としては今後法曹志望者への支援体制をどのようにするか戦略的に考える必要があろう。将来も、弁護士のステータスがある程度維持されるのであれば、法科大学院進学支援や予備試験の支援をし、その実績を受験生にアピールするということも選択肢となる。

他方、今後も弁護士の人気やステータスが低迷し続けるのであれば、公務員支援や民間企業就職支援に切り替えた方が良いだろう。

この辺、メリハリをつけた戦略を採らないと、ライバル大学の法学部或いは学内の他学部との競争に負けてしまうおそれがある。

②民間企業への就職に関する課題

上位就職先企業の傾向として、あまり派手さが無い。MARCH共通の課題である、総合商社への就職者は極めて少なく、他のMARCHの学部ではみられる総合系コンサルティング・ファームもランクインしていない。もちろん、人気で難関の大手メディア・広告代理店、大手デベロッパーも見られない。

もちろん、学生が満足していれば問題無いのだろうが、少子化における優秀な学生の採用ということを考えると、この手の商社、マスコミ、コンサルの就職支援を強化してもいいのかも知れない。

明治大学の場合、手厚い就職サポートが奏功し、受験生数を増やしたり、イメージ向上に成功する等、大学側の運営は高く評価されている。
すでに、MARCHの中では上位校のステータスは固めたので、今後は早慶に追いつくために、就職においても更なる向上策を採ることが期待される。