外銀よりも外コン?就活の東大生のアクセンチュアに対する評価が高すぎでは?

1. 就活情報サイトのワンキャリア実施の東大・京大2021卒就職人気ランキングでアクセンチュアが1位に

毎年、就活情報サイトのワンキャリアが実施している、東大・京大生を対象とした就職人気ランキングにおいて、アクセンチュアが1位になった。
https://www.onecareer.jp/articles/1907

コンサル人気の傾向は去年からあったのだが、2021卒版においては、更にその傾向が顕著となり、ベスト10のうち8社がコンサルとなっている。

他方、金融機関については上位20社に、外銀が3社(ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン)ランクインするに留まり、最高位は13位のゴールドマン・サックスという寂しい結果となっている。
もっとも、外銀の難易度はここ数年でますます高くなっているので、この人気ランキングと内定の取りやすさは連動するものではない。

ワンキャリアは、アクセンチュアが1位となった原因として、「戦略系はハードルが高いが総合系であれば何とか内定をもらえそう」という学生が増えたことを指摘している。

しかし、そのような学生が押し寄せれば、アクセンチュアや他の総合系の難易度はますます高まるのであろう。

2. アクセンチュアに無理して新卒で入る必要があるのか?

アクセンチュア自体は、グローバルな総合系コンサルファームであるし、知名度は高い。
また、多くの優秀な学生層が求めるようなスキル取得が可能であり、転職力という点で魅力がある。さらに、比較的初任給も高い。

このため、東大や京大の学生でも、アクセンチュアをファースト・キャリアとすることは別に悪い選択では無いだろう。

問題は、人気が集まりすぎて、コスパが合わなくなって来ているのではないかということだ。

例えば、東大とか京大卒の、40~50代の先輩(但しそれなりに成功している人に限る)に聞いてみたらいいと思うが、アクセンチュアはそれなりのブランドであるが、そこまで凄いとまでは思ってもらえないだろう。やはり、コンサルというと戦略系であり、MBB、そして、ATカーニー、ローランドベルガー、ADリトルまでではないだろうか?

それに、アクセンチュアや他の総合系ファームの場合、第二新卒とか中途採用も積極的に行っている。このため、東大・京大という学歴に加え、それなりのファースト・キャリアがあれば、第二新卒で入社することは十分可能であろう。

従って、MBB等の戦略系を第一志望として真剣に対策を立てていたが、競争が厳しく落ちてしまった場合に、セカンドベストとして総合系に行くという流れであれば理解できるが、最初からアクセンチュア等の総合系を第一志望として勝負するというのは勿体ない気がする。

3. アクセンチュアの年収について

①アクセンチュアのキャリアパスと年収推移

アクセンチュアが、東大生でも内定を取るのが難しくなった場合にまで、挑戦する価値があるかどうかを考える上で、年収水準というのは一つの判断材料となる。

アクセンチュアは近年、大量採用をしているので、既にこの手の年収に関する情報は取りやすくなっている。

<アクセンチュアと年収:外資就活より>
https://gaishishukatsu.com/company/7/salary

<アクセンチュアと年収:戦略コンサルによる転職ブログより>
http://www.shiningmaru.com/entry/2019/01/25/235509
↑なお、このサイトはコンサルについて全般的にかなり詳しい。

既に、コンサルを検討している学生は知っているだろうが、改めて整理すると、
アクセンチュアの場合、初年度の年収は530万円である。
最初の3年間はアナリストで、3年目には年収は600万円程度になる。
3年目にコンサルタントに昇格すると、年俸水準は600万円~800万円になる。
そして、最速で入社6年目にマネージャーに昇格すると、年収は1000万円に到達する。

ここから先は難しくなるが、マネージャーの1ランク上のシニア・マネージャーまで行くと、年収レンジは1200~1700万円位になる。
パートナーになると、年収は2000万円を越える。

なお、これは新卒の場合を想定したもので、中途採用で入社した者は前職の年収を考慮されるのでコンサルタント段階で年収が1000万円近い者もいる。近年は業績好調なので、このあたりのフレキシビリティは高い。

新卒で真面目に頑張れば、コンサルタントにはほぼ全員昇格が出来そうであるが、マネージャーになるのはハードルが高い。しかし、30前後のコンサルタントは転職市場において引く手数多なので、社内でマネージャーに昇格できなくても、それほど気にする必要は無い。

②他と比べてどうか?

アクセンチュアは初任給こそ、他の国内系と比べると高いが、その後の伸びについては、国内系金融最大手や総合商社に敵わない。

例えば、野村證券、東京海上日動、日本生命あたりだと、30代半ばには年収1500~1600万円位はある。これは、アクセンチュアだとシニア・マネージャークラスに該当し、マネージャーレベルの年収を上回っている。総合商社の場合でも同様である。

また、仕事のハードさ、ワークライフバランスを加味すると、国内系大手企業の方が総合系コンサルよりも明らかに恵まれている。
さらに、学生の段階でこんな先までは考えないかもしれないが、退職金・企業年金を考慮した生涯賃金ベースで考えると、国内系大手企業の方が良い。

このように、年収面においては、アクセンチュアにそこまで魅力があるわけではない。

4. それでは、アクセンチュアよりも魅力的な企業はあるのか?

①そもそも、しんどい思いをしてまでコンサルをやりたいか?

最初から、コンサルをどうしてもやりたくて、MBB⇒ダメなら総合系ファーム、という思考ならいいのだが、「周りがコンサルを志望するから、俺も!」という付和雷同的なタイプの人は果たしてコンサルの激務に耐えられるのだろうか?

それなりの高学歴のハイスペックが集まる大企業が、わざわざ、コンサルに委託するということは、自分達では思いつかない型にはまらない創造性を求めてという筈なのだが、流行でコンサルを選択してしまって良いのだろうか?

キツイ仕事で、メガバンク並みの給与水準に耐えられるのならば、東大・京大生であればその労力を他につぎこめば、もっとリターンはあるかも知れないのである。

②総合商社再考

数年前から比べると、東大生の人気も峠を越えたと思われる総合商社こそ狙い目かも知れない。コンサルを上回る給与水準、コンサルよりも良好なワークライフバランス、コンサルに劣らないネームバリューを考えてみると、MBBならいざ知らず、総合系ファームよりもこちらを選択した方が手堅いのではないだろうか?

また、入社後どうしてもコンサルをやりたくなれば、米国のトップMBAに社費なり私費なりで留学すれば、アクセンチュアではなく、MBBも十分狙えるであろう。

③外銀・国内系金融の専門職コースとの比較

これらの金融プロフェッショナルは、既に超難化しているので、難易度という点においては、コンサルと変わらないだろう。

<最近の外銀の異常な難化について>
https://career21.jp/2019-05-31-100844

難易度が変わらないのであれば、将来コンサルスキルと金融スキルとどちらがいいか、じっくり考えた方がいいだろう。年収面におけるアップサイドは、金融専門職の方が遥かに高い。

東大・京大生で十分な準備をすれば、国内系金融機関の専門職コースのどこかに決まる可能性はあるが、それでも、全落ちするリスクはある。そういった場合には、国内系運用会社の総合職コースに入れば、十分に将来外資系のバイサイドに転職することは可能である。

<運用会社のキャリアについて>
https://career21.jp/2019-01-09-072810

また、金融キャリアだとかなりマニアックになるが、VC(ベンチャーキャピタル)という選択肢もある。金融系だと、ジャフコ、大和企業投資あたりが大手で新卒採用も実施しており、インキュベイトファンド、サムライインキュベイト、グローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズ、楽天キャピタル、YJキャピタルあたりは個別に照会してみてはどうだろうか>

④外資系IT企業

GAFA、マイクロソフト、オラクル、シスコシステムズあたりである。
このあたりも難化しているのだが、可能性はある。外コンで疲れた場合に、外資系ITに行くというのは良くあるパターンなのだが、総合系ファームであれば、外資系ITから転職することも可能であろう。

最後に:ベンチャー、起業の選択肢は無いのか?

理想を言うと、東大・京大の優秀層が就職したくなるようなベンチャー企業が見つからないのが問題である。過去には、DeNA、グリーなどが人気を集めた時期があったが、大手ベンチャーで面白そうなのは、サイバーエージェントとメルカリ位であろうか?

米国のように、ベンチャー企業で面白いポジションがいくつも出てきたらいいのだが、現状ではまだまだ見つかりそうもない。

さらに、自らベンチャー起業を手掛ける学生が増えればいいが、まだまだ少数だ。それは、ある意味、東大・京大の優秀層がほとんど参入してこないので、レッドオーシャン化していない有望な市場と言うこともできる。

新入生や大学2年生であれば、コンサルがあまりに難化するのであれば、こちらの世界に目を向けてもいいのではないだろうか。