関関同立の難化と、兵庫県立大学(旧神戸商科大学)国際商経学部がお勧めな理由

1. 兵庫県立大学(旧神戸商科大学)の国際商経学部とは?

神戸商科大学というのは、1948年設置の兵庫県の県立大学であり、2010年に姫路工業大学等との統合により、兵庫県立大学となった。この結果、神戸商科大学という名称の大学はなくなってしまった。

東京の人からすると、神戸商科大学というと、よくある商業系のFランク大学ではないかと勘違いをするかも知れないが、全くそうではない。
どこもそうだが、公立の大学というのはそれなりにしっかりとしていて、卒業生には北裏喜一郎野村證券元社長・会長、中内功ダイエー創業者、田中久雄東芝元社長等、実業界で活躍している者を多数輩出している。

後述するが、学生数も少なく、就職状況も良好である。

2. 関関同立の難化

特に、早慶、MARCHなど、東京の有名私立大学の難化が顕著になっているが、関西地区の人気私立である関関同立も同様に難化している。

京都、大阪、神戸、大阪市立と、関西においては国公立が人気なのだが、関関同立の就職力の向上や、3科目で受験できる便利さ(要するに数学が嫌い)から、少子化の傾向においても関関同立の人気は高く、難易度も高い。

しかし、関関同立に合格できなかった場合には、龍甲産近という、東京でいう日東駒専と同じような学校群のどこかに進学するパターンが多い。そうなると、いわゆる学歴フィルターによって、就職が顕著に悪くなってしまう。関関同立と龍甲産近との間に学歴フィルターが存在するのだ。

そうなると、せっかく一生懸命関関同立を目指して勉強してきても、競争率が高いために僅差で落ちてしまう場合も少なくない。

そこで、思い切って、センター試験を受けて、旧神戸商科大学(現兵庫県立大学)を受験するという選択肢が浮上することになる。

3. 兵庫県立大学国際商経学部の難易度について

兵庫県立大学の国際商経学部とは、兵庫県立大学の経済学部と経営学部を統合することによって、2019年4月にスタートした新設の学部である。

定員は360名で、国際商経学科の1学科体制である。
但し、国際商経学科は、グローバルビジネスコース、経営学コース、経済学コースの3つのコースに分かれている。

新設学部なので難易度に関するデータは無いが、旧経営学部と経済学部については、前期の一般入試では、センター試験得点率が67%、偏差値は何と55である。(パスナビ情報)
https://passnavi.evidus.com/search_univ/1235/difficulty.html

但し、一つ大きな課題がある。それは、二次試験でも数学が必須であることだ。
センター試験ならまだよいが、数学アレルギーが強い文系志望者からすると、二次試験での数学は勘弁してほしいという者も少なくないだろう。
そういった場合には、向かないかもしれない。
もっとも、就職が良い穴場国立大学である滋賀大学であれば、二次は数学無しでも受験できるので、こちらに切り替えるという手も無くはない。

<就職が良好な穴場国立の滋賀大学>
https://career21.jp/2019-01-22-064409

4. 兵庫県立大学の経営学部の就職状況

兵庫県立大学の国際商経学部は新設なので就職実績が無いが、既存の経済学部と経営学部を統合する形なので、過去の経済学部や経営学部の就職実績が参考になる。
https://www.u-hyogo.ac.jp/career/job/info/index.html

例えば、経営学部の場合、卒業生220名の内、進学者は8名と少なく、大半が就職する。公務員となる者が20名と、経営・商学系にしては比較的多く、約9%のシェアである。

業種別で見ると、製造業が43人と最も多く、金融が35人、卸・小売りが27人、情報通信が17人と続く。

東京の経営・商学部系と比べると、金融・保険の比率が低く、メーカーの比率が高いのが特長である。

具体的な就職先としては、個別の人数の開示までは無いが、就職先上位企業について開示してくれている。

三井住友銀行 きんでん
みずほFG 竹中工務店
三菱UFJ銀行 ミサワホーム
みなと銀行 不二家
愛媛銀行 丸大食品
近畿大阪銀行 ロック・フィールド
広島銀行 山陽商会
尼崎信用金庫 エーザイ
淡路信用金庫 持田製薬
大阪ガスファイナンス 東洋ゴム工業
セディナ 川崎重工業
大和証券 小松製作所
丸三証券 古野電気
三菱UFJモルガンスタンレー証券 ダイハツ工業
住友生命 積水化成品工業
明治安田生命 伊藤忠テクノソリューションズ
イオンモール コベルコシステム
三菱UFJ不動産販売 日本電気通信システム
JTB関西 富永貿易
兵庫県社会福祉事業団 西松屋チェーン

(出所:兵庫県立大学公式HPより作成)

上位にはメガバンクを始めとして、大手の生保や証券会社が並ぶ。
なお、地銀や信金が気になる人もいるかも知れないが、これは地元に残りたい学生が多いためであり、他の大手に入れないから選択したものではないと考えられる。

この中には、国際教養大学とか滋賀大学のように、三菱商事とかモルガン・スタンレーが無いので一見地味に見えるかも知れない。しかし、国際商経学部となり、グローバルビジネスコースにおいては英語での授業がメインとなる。そうなると、国際教養大学のように三菱商事からも内定者がでるかも知れない。

いずれにせよ、龍甲産近と比べると、就職力は格段に高いはずである。
関関同立には今一つ自信が無いが、数学は何とか我慢できるのであれば、こういった公立大学を狙うのもアリだと思う。

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