中央大学経済学部【22卒向け】の就職と課題について

1. 中央大学経済学部の概要

中央大学経済学部の定員は1,062名。経済、経済情報システム、国際経済、公共・環境経済の4学科で構成されている。

男女比率は、約2:1で、男子学生の割合が高い。

難易度・偏差値については、パスナビによると、偏差値57.5~62.5と商学部と同じである。また、少々意外かもしれないが、看板学部である法学部の偏差値が60.0~65.0なので、法学部と経済学部との難易度は1ランクくらいしか変わらない。これは、司法制度改革に伴う弁護士増によって、全体的に法学部人気が落ちたからかもしれない。

中央大学の場合、法学部だと司法試験(予備試験或いは法科大学院進学)、商学部だと公認会計士試験というふうに、資格試験に挑戦することを奨励されるイメージであるが、経済学部にはそのような資格試験のプレッシャーはない。

その意味で、最初から民間企業を志向する場合には、法学部や商学部よりも凄しやすいかも知れない。

2. 中央大学経済学部の就職について

① 中央大学経済学部の進路状況

中央大学経済学部の場合には、大学院進学者や資格試験浪人の割合が低く、卒業生の約9割は就職する。

2018年度においては、就職者のうち、公務員になる者の割合は8.5%であり、法学部と比べるとかなり低い。一般的に、法学部の方が経済学部よりも公務員となる者の割合が高いのであるが、中央大学においても、この傾向の通りである。

民間企業への就職者については、金融保険が18.9%とトップであり、通信・情報サービスが14.2%、メーカーが12.0%、卸・小売りが11.9%と続く。前年度と比較すると、金融機関が全般的に採用抑制の傾向にあるからか、若干金融保険のシェアが低下し、反対に、AI/DXブームが続く中、情報・通信サービスがシェアを上げている。

https://www.chuo-u.ac.jp/uploads/2019/06/career_center_employment_data_2018_04.pdf?1586737907454

② 中央大学経済学部の就職先企業について

中央大学の就職状況に関する開示は良い。各学部別に、就職者が1人でもいる就職先については全て開示してくれている。
さらに、学部を構成する学科別にも開示がなされている。

https://www.chuo-u.ac.jp/uploads/2019/06/career_center_employment_data_2018_06.pdf?1586737907454

中央大学経済学部の就職者数は約900名もいるので、これだと量が多くなりすぎるので、就職者数が3名以上の企業・官公庁を抽出すると以下のようになる。

企業名 就職者数
三菱UFJ銀行 9
JR東日本 9
国税庁 8
静岡銀行 7
ニトリ 7
大和証券グループ本社 6
りそなホールディングス 6
有限責任あずさ監査法人 5
三井住友信託銀行 5
みずほ証券 5
野村證券 5
明治安田生命 4
富士通 4
福岡銀行 4
三井住友海上火災 4
東京都多摩市役所 4
マイナビ 3
あいおいニッセイ同和損害保険 3
多摩信用金庫 3
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 3
富国生命保険 3
三井住友銀行 3
三井住友ファイナンス&リース 3
横浜銀行 3
日本通運 3
パーソルテンプスタッフ 3
ファミリーマート 3
アパホテル 3
日本生命 3
日本郵便 3
SGホールディングス 3
財務省税関 3
東京都世田谷区役所 3
神奈川県相模原市役所 3
警視庁 3

(出所:中央大学公式HPより抜粋)

やはり、金融機関が目立つ。3名以上就職先の約半数が金融機関である。もっとも、金融機関のシェアが前年度と比べて若干下がったこともあり、前年度においては3メガバンクへの就職者数の合計が23名だったのが、2018年度においては14名に減少している。

また、全体的には大手金融機関が多いのだが、静岡銀行、福岡銀行、多摩信用金庫、横浜銀行、東邦銀行等の地域金融機関への就職者も比較的多くみられるのが特徴である。

学部全体における公務員の割合は1割弱と高くは無いが、上位には国税庁、多摩市役所、財務省税関等の公務員も一定数見られる。

なお、就職者数が2名以下の企業のうち、特に気になる企業として、以下のものがあげられる。

アビームコンサルティング(2名)、日本総合研究所(2名)、博報堂DYデジタル(2名)、博報堂(1名)、豊田通商(1名)、兼松(1名)、キーエンス(1名)、ヤフー(1名)、サイバーエージェント(1名)、

3. 中央大学経済学部の就職における課題

①司法試験の法学部、公認会計士試験の商学部に対して、どのような独自性を発揮できるか?

基本的に、金融機関を中心にだいたい希望すれば大手企業への就職が可能のようである。
あとは、MARCHの中で相対的に優位に立つにはどうすればいいか、さらに、早慶に追いつくにはどうすれば良いかであろう。

慶応のように、大手金融機関、特に、東京海上日動、日本生命、野村證券に大量に卒業生を送り込むのは一朝一夕には厳しいかも知れない。

しかし、何かしら強い業種を作るなど、独自性を出していく必要があるだろう。
中央大学の場合、法学部は司法試験、商学部は公認会計士試験で手厚いサポートやOB/OGを巻き込んでの活動をしているので、経済学部についても何らかの支援をしたいところだ。

可能であれば、大手ベンチャー企業とか、ベンチャー起業の支援をしても面白いと思う。中央大学の場合は、法学部や商学部はどうしても資格試験に注力しがちなので、ベンチャー起業という雰囲気ではない。しかし、それでは長期的に見て、中央大学卒業生の産業界におけるプレゼンスが低下するおそれがあるので、ポートフォリオ的な観点から、あえてベンチャー起業部門を支援するのは面白いのではないだろうか。

人数は多くないが、博報堂事、キーエンス、コンサル、サイバーエージェント等にも就職実績があるので、個人の頑張り次第で超難関企業に就職することも可能である。

②最大の課題は、法学部の都心回帰後に、どうやって立地の弱みをカバーできるか?

中央大学経済学部の最大の弱みは何といっても立地であろう。都心から電車で1時間程、そして、最寄り駅から更に徒歩で山道を登っていくキャンパスは不便だ。

特に、看板学部の法学部は都心に回帰することになるので、多摩キャンパスに残された経済学部や商学部はキャンパス立地の不利さをどうやってカバーするかが今後のカギとなるだろう。

そこで、情報力では差をつけられないように、頑張って、早慶の友達と情報交換したり、ベンチャー企業でバイトをしたり、都心に足を運ぶことを意識すべきであろう。

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