法政大学国際文化学部の就職と課題について

1. 法政大学国際文化学部の概要

法政大学国際文化学部は、1999年設置の比較的新しい学部である。
国際学部ブームの流れに乗って設置されたものと思料されるが、偏差値・難易度的に法政の中でトップの学部に成長しており、大学側の目論見は成功したものと考えられる。

定員は249名で、国際文化学科の1学科体制である。
東京の有名私立大学の中では、かなり小規模な学部と言えよう。

男女比率については、3:7と女子学生の比率が高い。国際系の学部の特徴として、女子の比率が高いことがあげられるが、法政大学の国際文化学部のその中でも特に女性比率が高い。

2. 法政大学国際文化学部の就職について

① 法政大学国際文化学部の進路の概要

国際文化学部の卒業生のうち、大学院に進学する者の割合は3.9%である。
ICUとか国際教養大学など、国際系の学部の場合、海外留学や大学院進学者の割合が高い場合もあるが、法政の場合にはそれほど進学比率が高いわけではない。

公務員になる者の割合も1.7%と低く、ほとんどの学生は民間企業に就職している。

業種別でみると、サービスが20.0%と最大で、続いて、情報・通信が14.3%、製造業が14.0%、運輸・郵便が12.8%、金融が12.1%、卸・小売りが11.7%となっている。

東京や関西の有名私立大学の場合は、金融・保険の比率が高いのが特徴だが、法政大学国際文化学部の場合には、バランスよく分散しているのが特徴であろう。

また、業種別でみると、運輸・郵便の比率が高いのが特色と言えるだろう。
https://www.hosei.ac.jp/careercenter/riyo/syushoku/jhokyo/kokusai.html

② 法政大学国際文化学部の就職先について

一番気になるところが、具体的にどういった企業にどれくらい就職したかである。
しかし、残念ながら、法政大学国際文化学部については、主な企業名が記載されているだけで企業毎の就職者数が開示されていない。このため、ある程度の傾向はつかめるかも知れないが、厳密な分析は難しい。

大学公式HPで紹介されている企業は以下の通りである。

LIXIL、キリンビバレッジ、旭化成、カネボウ化粧品、YKK、三菱電機、IHI、トヨタ自動車、本田技研工業、オリンパス、双日、みずほFG、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上火災、第一生命、日本生命、JR東日本、ANA、ANAエアポートサービス、スカイマーク、JAL、JALスカイ、NTTコミュニケーションズ、NTT東日本、ソフトバンク、NHK、アクセンチュア、HIS、オリエンタルランド、クラブツーリズム、JTBグループ、国土交通省、法務省

(出所:法政大学公式HPより作成)

上記の企業数は33社である。1企業当たり1名とすると、上記の企業によるシェアは14%程度にしかならない。おそらく、メガバンクとか大手保険会社の場合は複数内定者がいるだろうから、もう少しシェアは高くなるのだろう。

それなりの多数は上記のような有名・大手企業に就職できるということを大学はアピールしたいのだろう。

JAL、ANA、それぞれの関連会社、HIS、JTB等、人気の航空会社や旅行代理店への就職者が比較的多いのかも知れない。

また、NHKとかアクセンチュアといった難易度の高い会社への就職実績も注目される。

少々意外なのは、国際系学部ということで、外資系企業や総合商社への就職者が多いかと思ったが、外資メーカーは見当たらず、商社も双日だけなので、このあたりの学生の狙いはよくわからない。

3. 法政大学国際文化学部の就職の課題について

まず、全般的な課題として公式HPで紹介されているような企業への就職先への就職者の比率を増やすことだろう。例えば、東洋経済が時々ランキングを発表している「有名企業400社への就職率」ランキングをベンチマークにすることだろう。

就職先は人それぞれだから就職先が大手でなくとも構わないと、大学側が開き直ることはできない。それだと、良い学生が入学してくれなくなるからだ。

この点、MARCHでは青山学院大学がトップで31%の就職率となっている。
法政大学全体では21.8%となっているので、国際文化学部では青学を超えることを一つの指標とすると良いだろう。

また、国際系の学部であるにも関わらず、それほど国際性が感じ取れない。
一般的に難易度は高いかも知れないが、商社や外資系メーカーなどの就職支援体制を強化し、結果を出せばアピールできるのではないだろうか。

さらに、法政大学国際文化学部の場合には女子学生の割合が高いので、女性が好む、或いは女性が強い企業への就職者を増やすなどすると、独自性をより発揮できるであろう。

今後も、企業のグローバル人材に対する需要は強いだろうから、就職力をさらに高めることは十分可能であろう。