関西学院大学国際学部の就職と課題について

1. 関西学院大学国際学部の概要

関西学院大学の国際学部は、国際学部ブームに乗った2010年設置の新しい学部である。
大学の思惑通りに、偏差値62.5~70.0という、関西学院の看板学部である経済学部の偏差値を遥かに凌ぐ、最難関学部に早くもなっている。

国際学部の定員は300名と、大手の私立大学においては比較的こじんまりとした規模感である。

そして、男女比率が、3:7と、女性がかなり多いのが特徴である。

2. 関西学院大学国際学部の就職について

① 関西学院大学国際学部の進路について

大学の公式HPによると、2018/3卒業の5期生の場合、
進学が10人、外国の学校進学が9人となっており、卒業生の約88%が就職をする。
そのうち、公務員となる者の割合はわずか1.3%であり、他学部と比べると民間への就職割合が高くなっている。

業種別でみると、製造業への就職者が28%と最も多く、金融・保険業が16%、その他サービス業が11%、運輸業が11%、卸売業が9%と続く。
有名私立大学の場合は、金融とIT/サービス業の比率が高いのが一般であるが、国際学部の場合にはかなり業種が分散しているのが特徴と言えよう。
https://www.kwansei.ac.jp/s_is/s_is_017226.html

② 関西学院大学国際学部の就職先企業について

関西学院大学国際学部の場合、大学の公式HPでは、各業種別に主たる就職先企業を開示しているが、各企業別の人数までは開示してくれていない。
そのため、全般的な傾向をつかむことはできるかも知れないが、残念ながら詳細な事情まではわからない。

各業種別の主な就職先は以下の通りである。

製造業 プロクター&ギャンブル・ジャパン、パナソニック、LIXIL、三菱電機、スズキ、花王、三菱ケミカル、富士通
金融業 三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほFG、東京海上日動火災、三井住友海上火災、住友生命保険、日本生命保険、野村證券、大和証券グループ
卸売業 三菱商事、住友商事、双日、ジョンソンアンドジョンソン
情報通信業 Google、日本IBM、楽天
運輸業 全日空、日本航空、ANAエアポートサービス、日本通運
その他サービス 日本総合研究所、アクセンチュア、リクルートキャリア

(出所:関西学院大学公式HPより作成)

国際学部の就職の特徴は、とにかく、就職難易度がトップクラスの企業への就職実績があるということである。

例えば、製造業であればプロクター&ギャンブル、卸売業だと三菱商事、住友商事、双日、ジョンソン&ジョンソン、情報通信業であればGoogle、その他サービスであれば日本総合研究所、アクセンチュアというところである。

これらの企業にそれぞれ何人就職したのかはわからないが、就職者数が236人しかいないことを考えると、かなりの実績だと言える。
総合商社については、そもそも2018年3月卒業生については関西学院全体で16人しか就職していないので、国際学部から3人就職するというのは大したものである。特に、最難関の三菱商事の実績があるのが評価できるだろう。

金融機関についても、銀行、証券、保険と最大手の企業名がずらりと並んでいる。地銀とか信金が掛かれていないので、就職者がいないのか、大学側が書きたくないのかはよくわからないが、少なくとも最大手に対する就職実績があることは確認できる。

これだけ見ると、関西学院大学の他学部の平均よりは就職力はあるように見える。(各企業毎の人数が無いので、正確な評価はできないが。)

3. 関西学院大学国際学部の就職における課題

大学の公式HPには、第1期から第4期の卒業生の就職実績も開示されている。これを見ると面白いのは、年々、就職内容が良くなっていることである。

例えば、1期前の第4期卒業生の場合には、総合商社の就職者がいない模様である。
また、書きぶりについても、「大手銀行・証券会社」とだけしか記載がなく、東京海上日動、日本生命、野村證券といった業界トップ企業が含まれているのかどうかは定かではない。

新設学部であるだけに、OB/OGの数が圧倒的に不足している点は不利なのだが、実績を積み重ねることによって、今後も就職力が増強されることがうかがえる。

現在も今後も、少子高齢化によって国内市場がシュリンクすることは明白なので、海外で稼ぐことができるグローバル人材が求められるだろう。従って、英語力があり、入学段階での偏差値も高い国際学部の生徒は有利に就活を進めるポテンシャルはあるだろう。

課題があるとすれば、トップクラスへの企業の就職者数の割合を増やしていくことだろう。具体的には、総合商社、外資メーカー、コンサル、大手マスコミあたりの就職者を増やすべく、大学側とOB/OGが強固なサポートをしていくことが必要になるだろう。

早稲田の国際教養学部は就職においては、政治経済学部に劣らない強固な就職体制を構築しているので、関西学院の国際学部についても期待できるであろう。