日本M&Aセンターへの就活(第二新卒含む)、年収、キャリア、転職について

1. 難化するIBD専任ポジション

文系のトップ学生の間では、外コンと共に、外銀が人気であり、入社難易度は極めて高い。特に、リーマンショック以降は欧州系の外銀が経営的に不振であり、新卒採用者数は人気に比して全く増えない。ただでさえ、採用人数が少ない上、トップクラスの学生が外銀に多数押し寄せるため、内定は厳しくなる一方だ。

さらに、穴場であるとも言えた国内系証券会社のIBDとかグローバル・マーケッツの限定コースは、外銀を志願する学生達が併願するため、その難易度は急速に上昇してきている。

<隠れた最難関、国内系証券会社のIBD>

https://career21.jp/2019-10-22-093310/

このため、IBDを強く志望する学生は、GCAといったブティックファームや、FASと呼ばれる会計事務所系のポジションに応募する者もいる。もちろん、GCAも若干名しか採用しないところに、ハイスぺ就活生が集中するので入社の難易度は高いため、決して滑り止めにはならない。

<GCAへの就活>

https://career21.jp/2018-11-22-105931/

そういった中、平均年収が高いことで知られる日本M&Aセンターにも着目する就活生が出てきているようだ。

2. 日本M&Aセンターから、将来、外銀IBDは狙えるのか?

外銀IBDや国内系IBDが難しいからと言って、日本M&Aセンターとかストライクに就職してもいいのだろうか?

言い換えると、日本M&Aセンター経由で、将来外銀IBDを目指すことは可能なのだろうか?

これは、結論的には非常に難しいと考えた方が良い。何故なら、M&Aといっても、外銀IBDが行うのはアドバイザリー業務であるのに対して、日本M&Aセンターが行うのはM&Aの仲介だからである。

もちろん、日本M&Aセンターの営業職の場合も、クライアントに対するValuation、法務、税務的な話はするかも知れないが、あくまでも仲介を成立させていくらという歩合的な側面が強い営業職が本質なので、外銀IBDのそれとはかなりやっていることが異なるのである。

なお、日本M&Aセンターの場合、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士等の様々なプロフェッショナルが社内に存在し、Valuation、税務、契約書、法務といった点については後方支援体制が充実している。このため、営業職の場合、各分野のスペシャリストになることはできないが、幅広いM&A関連のスキルを習得する機会には恵まれている。

また、当然であるが、日本M&Aセンターの場合は、英語を使う必要が基本無いので、もともと帰国子女とかでなければ英語力が磨かれず、外銀に行くのは難しい。

3. もっとも、営業の成果を上げれば外銀に行けなくとも、外銀並みに稼ぐことは可能

日本M&Aセンターから外銀IBDに行くのが厳しいからと言って、悲観的になる必要もない。何故なら、歩合的な給与体系であるが、日本M&Aセンターでも外銀並みの年収を実現することは可能だからだ。

① 日本M&Aセンターの年収についての特徴

日本M&Aセンターにおいても、皆がイメージする、M&Aの仲介営業だけがポジションではない。人事、経理、法務、ITといったバックオフィスから、税務や法務の側面からM&A営業を支援するM&A専門職のポジションもある。
https://hrmos.co/pages/nihon-ma/jobs

しかし、バックオフィスや非営業職のM&A専門職では、給与水準は驚くほど高い水準ではない。もちろん、社内には弁護士、公認会計士といった資格職がいるので、そこそこの年収はあるのだが、年収1000万円を大きく超えることは期待し難いだろう。このため、ここでは、M&Aコンサルタント(営業職)に絞って見て行きたい。

② M&Aコンサルタント(営業職)の年収について

M&Aコンサルタントの給与体系は、大変透明性が高い、実力主義的な制度である。
基本給とインセンティブの2本立てである。なお、年2回のボーナスはあるが、それは事実上基本給を14等分して、夏と冬に一ヵ月分を支給するような形であるので、実質的には基本給の一部を構成するに過ぎない。

基本給の部分は、中途採用の場合、前職の水準をそのままスライドして決定してもらえる。
一般的には、700~900万円のレンジに収まるケースが多いようだ。

あとは、M&A契約を成約させたことに伴うインセンティブ次第である。
だいたい、売上の8~10%分位が年収に反映するような形である。
例えば、基本給が800万円の場合、年間の売上8000万円がノルマのようなイメージである。そして、売上が1億円になると、インセンティブは200万円で年収は1000万円、売上が1億5000万円だと、700万円がインセンティブとなり、年収は1500万円になるというイメージである。

この点は、年功序列とか一切関係ない、完全実力主義・結果主義の世界である。
当然、青天井なので、年収2000~3000万円級の社員は普通にいるし、最高年収は1億円だそうだ。もっとも、平均年収が1400万円位で、中間値だと1100万円位ということなので、年収2000万円以上を実現できるのは1部に過ぎないということを認識した方がいいだろう。

このあたりの話は、年収チャンネルに元日本M&Aセンターの人が登場しているので、参考になるだろう。

<年収チャンネル:日本M&Aセンター編>

https://www.youtube.com/watch?v=WdAbah1IeT0

https://www.youtube.com/watch?v=PtXQYdTXoaw

4. 将来は、中小のM&A仲介企業やベンチャー企業への転職というキャリアプランも?

①それなりにM&A仲介で自信が付けば、他の中小のM&A仲介に転職する途も

上述した通り、日本M&Aセンターの営業職は歩合なので、頑張れば年収数千万円も夢ではない。そうなると、わざわざ転職を考える必要は無い。

しかし、M&A仲介である程度の自信が付いた場合でも、優良顧客は既にベテラン社員が抱え込んでいることもあり、思った程には年収が伸びないリスクもある。

そういった場合には、より規模が小さいM&A仲介の同業他社に転職するという途もある。そうすると、優良顧客について自らアカウントを持つこともできるからだ。また、中小に移ると、歩合料率を上げることも可能だ。

このように、ある程度M&A仲介で仲介でやっていけるという実績と自信が身に付けば、この業界の中で上がっていくという選択肢がある。

②向いていないと判断した場合は、ベンチャー企業で活躍するという選択肢も?

日本M&Aセンターの営業職の場合、青天井で稼げる反面、目標以上の売上を稼げないと全く年収は増えないし、インセンティブを除くと大した年収ではない。

このため、向いていないと判断した場合には他の途を探すことになるのであるが、M&Aというのは汎用性の高いスキルである。外銀IBDのようなValuationとか法務、税務、財務系のスキルは磨かれないかも知れないが、ベンチャー系企業でM&Aのポジションに就く可能性はあるだろう。

M&A営業を展開する上で、法務、税務、Valuation、M&Aストラクチャー、PMI的なスキルの基本は一通り身に付くだろうし、取り扱っている企業が中小企業なので、ベンチャー企業が実施するM&Aの規模感とマッチしている。

5. 銀行や証券会社のリテール営業職とのM&A仲介との親和性が高いのでは?

M&A仲介業の買収の対象企業は、売上数億円から数十億円規模の中小企業だ。そういった企業のオーナー社長から信頼を得られることが重要なカギだ。このため、中小企業のオーナー社長と日々ビジネスを展開している銀行や証券会社のリテール営業職の場合、親和性が高いと言える。

金融機関出身者であれば、企業財務や税務など、ある程度土地勘があるので入って行き易いところがある。

金融機関のリテール営業と言うと、ハズレのイメージがあるかも知れないが、中小企業との取引に自信がある若手社員は、こちらの世界に中途で入れば成功できる可能性がある。

確かに、大手金融機関以上に、日本M&Aセンターで稼ぐことは簡単では無いかも知れないが、ここは自分のペースで仕事ができるのでワークライフバランスに優れている。また、いろいろな経営者とビジネスができるし、転勤も無いという魅力もある。

まとめ

外銀IBDや国内系証券会社のIBDでM&Aを行うポジションに就くことは難しい。だからといって、日本M&Aセンターとかストライクのような仲介業者に行ってしまうと、そこから証券会社でM&Aアドバイザリーの職に就くことはあまり期待できない。

しかし、日本M&Aセンターでも結果を出せば十分外銀並みに稼ぐことは可能であるし、それが難しい場合でも、ベンチャー企業へ転出するという途もある。

どうしてもM&Aに従事してみたいという学生は、会社説明会やOB・OG訪問をしてみると良いだろう。なお、日本M&Aセンターの新卒採用組はかなりのハイスペックのようで、早慶上智で体育会の主将クラスや起業経験者が多いという。

また、この会社は新卒よりも中途採用の方が門戸が広いので、例えば、一旦メガバンクとかの総合職からも中途で狙うことも十分に可能である。

従って、既にメガバンクや国内系生損保等に就職してしまったが、リテール業務に馴染まない場合には、中途での転身を考えればいいかも知れない。

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