年収3000万も可能?ドコモのシニア・プロフェッショナル制度と令和におけるキャリア戦略を考える

1. 専門性の高い外部人材の採用教科のために、ドコモが新人事制度を創設

ドコモが2019年4月に開催された決算説明会で公表した、新人事制度(シニア・プロフェッショナル制度)についてヤフトピで取り上げられた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190525-00010003-newswitch-bus_all

このシニア・プロフェッショナル制度とは、ドコモが今後、卓越した専門性を有した人材や成長領域を先導する人材を外部から「市場価値」に応じた報酬で最長数というもので、年収3000万円も可能だという。

2. 興味深いのはAIエンジニアだけが対象でないこと

AIを中心とするエンジニアが圧倒的に不足しており、この分野の専門性を有する者は、高給で処遇され、転職市場でも引っ張りだこという話は既に知られている。

もっとも、このドコモの新人事制度が対象とするのはAIスペシャリストやWeb/アプリエンジニアだけでなく、他の職種も対象となっていることだ。

ドコモが対象としている職種は、以下の7つである。

AIスペシャリスト
ビッグデータアナリスト
スーパークリエイタ
デジタルマーケター
UXデザイナー
Web/アプリエンジニア
戦略的アライアンス

これを見ると、スーパークリエイター、デジタルマーケター、戦略的アライアンスといった非エンジニア職も対象となっている。

これらの職種が具体的に何を意味するか、どういった専門能力を必要としているのかは定かでないが、マーケティング、企画、金融系のスペシャリストも対象となり得るということだろう。

3. 通信以外の様々な分野が対象となっている

また、興味深いのは、ここで対象となっている分野である。

エンターテイメント
医療・健康
金融・決済
ライフスタイル

エンターテイメントというと、ゲーム関連等を広く包含するのであろう。エンターテイメントというのは、将来稼げそうな分野であるが、自社の人材ではカルチャー的に対応できそうに見えず、いい人材がいたら外部から登用したいのであろう。

金融・決済というのは、今は非キャッシュ決済を巡って、インターネット系大手が競争を繰り広げているところであるが、決済から先の金融業務を見据えているのだろう。そうなると、ここでいう金融のスペシャリストとは、外銀のM&Aとか、トレーディングといったスキルを有する者ではなく、リテール金融業務でかつ、ネットに詳しい人材が求められるということではないだろうか。

もっとも、外銀だと年収3000万円でもなかなか採用できないし、リテールビジネスとネットビジネスに精通している人材は大手金融機関も欲しいであろう。

金融機関のIBDとかグローバル・マーケッツ職は既に飽和状態にあるのだが、こういったネットビジネスとリテールビジネスの融合分野は将来稼げるところになるかも知れない。

そうなってくると、ネット証券という、従来は全く人気が無かったポジションもうまく展開させると、通信企業とかネット系大手企業に高給で採用されるかも知れないと考えると面白い。

最後に

ドコモがこのような制度を打ち出すと、KDDIとかソフトバンクも追随する可能性がある。経団連の終身雇用廃止によって、中途採用が促進され、そうなるとこのような特定の分野で専門スキルを有する人材は従来よりも厚遇される可能性が出てきた。

年収1000万とか1500万円クラスだと、大手の優良企業の場合には大半の社員が到達できる。しかし、年収2000万円となると、ごく一部の者しか到達できないので、これくらいの水準の年収を用意できればかなり面白い人材が採用できるのではないだろうか?

また、エンターテイメントとかライフスタイルといったジャンルだと、大手企業ではなく、個人で成功しているYou tuberとかブロガーの方が適任かも知れない。

こうなってくると、将来どういったスキルや業種が重宝されるかを考えた上で、将来のキャリアを考えていくことが重要になるだろう。