東京ガス、大阪ガスへの就活(第二新卒含む)、年収、キャリア、転職について

1. 東京ガスと大阪ガスは魅力的な就活対象となるか?

①公益セクターだと、東京ガスと大阪ガスが就活においては魅力的か?

従来、電力・ガスは、安定・高給で地元におけるステータスが高く、人気の高い就職先であった。しかし、震災の際の原発問題で全国の電力会社の状況が一変してしまった。電力会社に対する世間の評価は厳しくなり、財務的・収益的にも以前と比べると悪化している。このため、公益セクターで企業選びをするとした場合には、東京ガスと大阪ガスが就活における最も魅力的な対象企業となるのだろうか。

②金融、商社、コンサル業界を志向する文系のトップ学生にとって、東京ガスと大阪ガスは対象外か?

特に近年、東大、早慶といったトップ校の文系学生の多くが、金融、商社、コンサル業界を目指す傾向がある。それは、高い年収水準とステータス、そして、プロフェッショナル・スキルの習得が理由だと考えられている。中でも、メガバンク、大手証券、大手生損保は採用数も比較的多く、人気が高い。従って、コンサル業界や商社を除くと、非金融の事業会社は早い段階でターゲット外として切り捨ててしまう場合がある。

しかし、よくよく考えてみると、東京ガスと大阪ガスについては、金融志望という理由だけで最初から対象外とするのはもったいないかも知れない。

まず、給与水準については生涯賃金ベースで見ると、メガバンクと東京ガスの差はほとんど無いように思われる。何十年も前から、「東京ガスだと35歳で1000万円」と言われていたが、もう少し低いイメージを持っている学生もいるかも知れない。

給与については、金融>非金融というイメージが強いが、後述するがメガバンクと東京ガスの年収格差はほとんどない。

③東京ガス、大阪ガスの場合、転職可能なスキルが付かないという不安があるが…

プロフェッショナル・スキルについては、後述するが、確かにガス会社の転職力は高くない。しかし、それは金融業界においても同様である。確かに、20代の間は、銀行の場合だと何となく金融の素養がある、財務諸表が読めるというイメージから、転職力はそれなりにある。
しかし、40代になると一部の専門職を除くと、メガバンクの転職力は弱い。40代だと、メガバンクも東京ガスも転職力は変わらないのではないだろうか?

むしろ、東京ガスや大阪ガスの場合、ワークライフバランスが優れ自分の時間を持てたり、社外のつきあいができたりするので、副業とかを磨いていく余裕があるのである(もちろん、将来副業がどれくらい解禁されるのかは定かではないが…)

④新卒採用者数は決して多く無いので、相応の準備は必要

東京ガスも大阪ガスも、新卒採用者数は決して多くは無い。例えば、東京ガスの2019/4入社の場合、いわゆる総合職は文系43人、理系76人(院卒含む)である。また、大阪ガスの2019/4入社については、男女合わせて75人と更に少ない。

このため、2020年初頭に生じたコロナウイルスの影響によって、特に、22卒以降の新卒採用者数は減少するのではないかという懸念がある。そうした場合、従来の金融、商社、コンサル志望者層が流れて来ると、急激に難化する可能性もある。ガス業界は特殊な業界でもあるので、OB訪問を含む、企業研究や対策を十分に行った上で応募すべきだろう。

2. 東京ガスと大阪ガスの年収について

金融機関志望者が真っ先に気になるのは、年収水準であろう。
東京ガスと大阪ガスとを比較すると、若干、東京ガス>大阪ガスとなるだろう。
しかし、両社ともに高水準である。
また、社宅・寮の充実や退職金・企業年金などのインフラも整っている。

① 東京ガスの年収について

東京ガスの場合、初年度の年収は残業代とボーナスを合わせて400万円位である。その後も、順調にゆっくり着実に給与は増え、入社5~6年後の20代後半には年収700~800万円位が見込める。この年代での年収の違いは主として残業代の違いである。

入社10年の段階では年収900~1000万円になる。遅くとも、30代半ばには年収1000万円に到達するというイメージである。ここから先の年収水準、年収増加ペースは出世次第となるが、早ければ36~37歳位で課長で年収1200万円位になる。一般的には、40歳で年収1200万円というところであろうか。

もっとも、ここから上の給与増加ペースは遅く、部長クラスでも年収2000万円には遠く、年収1500万円~といった感じである。アップサイドには甘くないのである。

② 大阪ガスの年収について

大阪ガスの年収は東京ガスの年収と似通っているが、若干、昇給速度は遅い感じである。
初年度の年収は400万円位で、3年目には年収500万円以上になる。
入社5~6年目の20代後半には年収は600~700万円となり、30歳の時点では年収850万円位になる。この時点で年収1000万円は少し厳しい。

それでも、遅くとも30代半ばには1000万円に到達できる。
そして、40歳で課長になれば年収は1200万円位の水準となる。ここから上は、ステータス程は上がらず、部長になると年収1500万円~にはなるが、部長になれるのは同期でもごく一部である。

3. 東京ガス、大阪ガスでのキャリア、転職について

①東京ガスと大阪ガスの転職力について

東京ガス、大阪ガスは上記の通り、年収水準はメガバンクと比べても遜色ない。
しかも、メガバンクよりもリスクは低そうである。

とはいえ、転職スキルは全然磨かれない。この点が最大の懸念事項である。
従業員もこの点を一番気にしており、多分ガスが要らなくなることはないだろうが、東京電力のような予期せぬ出来事が起こった場合、どこにも行くところが無いというのが頭の痛いところである。

②文系の場合、人事、経理、法務といったコーポレート部門はあるが…

文系の場合、定番の人事、経理、法務といったコーポレート部門で専門スキルを磨くことはできる。もっとも、事業会社の場合、コーポレート部門でも異なる業界となると、転職は難しい。やはり、同じ業界から採用した方が効率的だからだ。このため、他業界であるメーカーとかIT関連に転職するのは難しい。

大阪ガスなど、新規事業にも力を入れているようだが、まだまだ収益に対する影響は大きくないし、大阪ガスで新規事業をやっていたからといって、特に他社から評価されることは無いだろう。

<大阪ガスの新規事業等>

https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr_2017/__icsFiles/afieldfile/2017/03/09/170309_3.pdf

③意外に面白いのは副業の可能性か?

そうなると、自由に使える時間を活かして、副業的なものを極めたり、資格取得とか国内パートタイムMBAとかでネットワークを拡げるといったことが必要になる。

経団連の終身雇用終了宣言によって、終身雇用は守られなくなる代わりに、副業はどんどん許容されていくだろう。そうなると、アフィリエイトとかYouTubeで稼げるようにしておきたいものだ。この辺は、課題ではあるが、メガバンクよりは将来は安定しているだろうし、余裕ももてる。

周りの学生と同様に、メガバンクや保険会社の総合職に引っ張られることはあるだろうが、40歳になってリテール業務しかやったことがない場合のリスクを考えると、とりあえず東京ガスとか大阪ガスに入社して、長期的に将来の対策を立てていくというアイデアはどうだろうか?

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