十六銀行への就活、年収、キャリアについて

1. 地銀の将来性を危ぶむ声は強いが…

将来は地銀の大半が赤字に陥る可能性がある旨の日銀レポートが公表された。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43852690X10C19A4EE9000/

それ以外にも、地銀の将来は暗いという意見は多い。これは、少子高齢化と人口流出によって地域経済が弱体化し、加えて、超低金利(マイナス金利)政策の継続によって公共債からの金利すら稼げなくなっているからだ。

このため、20年後、30年後という遠い将来までを考えると、地銀への就職は慎重にならざるを得ないということは否定できない。

とは言え、地銀というのは電力会社と並んでUターン就職の有力な選択肢である。自分の出身地での就職ということを考えると、なかなか大手地銀というのは捨てきれない。

この点、十六銀行(※岐阜県の第一地銀である)というのはトップクラスの地銀である。また、地方と言っても東海地方に所属しているので、本当の地方では無いとも言える。
そこで、今回は、十六銀行への就活について考えてみたい。

2. 十六銀行の年収水準について

① 全体観

全体的には、メガバンクの7~8掛けというところだと思われる。ただし、20代の頃はかなり昇給ペースが遅く、メガバンクとの差は大きく開く。反対に、30歳を過ぎて支店長代理になるとそこそこの給料をもらえるようになり、40代で順調に管理職に昇格するとメガバンクとの差はかなり縮まっていく。

それから、地銀の厳しいところであるが、昇格をしないと給料は増えないしくみとなっている。昇格には支店長の推薦と所定の試験合格が必要となるので、面倒なところである。もっとも、真面目にやっていれば結果的には年功序列的に昇格していくこととなるという意見もある。

② 十六銀行の入社年次、タイトルに伴う年収の推移

前述の通り、最初の方の昇給ペースは遅い。
初年度の年収は350万円で、2年目に400万円、3年目に450万円というペースである。
もちろん、残業代込である。

20代後半で主任になると、少し増えて600~650万円位である。30歳時点では700万円には少し届かないレベルであろうか。

ところが、30歳を過ぎて支店長代理になると年収は800万円台に乗る。支店長代理だと年収900万円位にはなり、ここまではほぼ全員が到達できる。

そこから順調に出世をし、次長になれれば40歳で1000万円には乗るだろう。40代で1000~1100万円というのが目安である。そこから上は、支店長、本部の課長というところになり、そうなると年収1200~1300万円であるが、誰でもが昇格できるわけではない。

3. 十六銀行でのキャリア、転職について

十六銀行の場合も、30代、40代と年を取るにつれて年収アップしていくモデルなので、いれるのであれば定年まで働き続けるのが得策である。

しかし、遠い将来はどうなるかはわからないので、転職も想定せざるを得ない。
普通に法人営業中心のキャリアだと、岐阜県内の企業には転職できるかも知れないが、給与水準は大幅にダウンしてしまう。

このため、市場部門での勤務がもっとも展開可能性があるのだろうが、だからといって、大手金融機関に転職できる程のスキルが期待できないのが厳しいところである。

ここも他の地銀と同様に、債券や投資信託の投資家として、外資系金融機関とか大手証券会社との付き合いは結構ある。このため、毎年一定数の社員が大手証券会社にトレーニーとして派遣されている。こういう機会は貴重なので、チャンスがあれば是非つかんでおきたい。

最後に

現状の待遇が継続すると思えば、地元での評判は高いし、給与水準も岐阜ではトップクラスである。しかし、将来の明るいキャリアプランはなかなか描きにくい。

メガバンクではなく、あえて岐阜県でのんびりと暮らしてみたいという人もいるかも知れないが、岐阜県出身者以外が就職するにはリスク・リターンが合わないかも知れない。

いずれにせよ、他の大手地銀と同様だが、終身雇用をあてにしないで、キャリアプランやライフプランをしっかり立ててから就活したい。

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