1. 新聞は衰退メディアだが、コンテンツ作成能力は貴重なスキル
何故今更、衰退メディアの新聞か?、ということであるが、確かに紙媒体としての新聞は徐々に衰退して部数がどんどん減っていくことは今後避けられないであろう。
しかし、新聞業界自体が衰退しても、コンテンツを作成できる能力はネットでも、動画でも活用することができるスキルである。グノシーとか、NewsPicksなどの新しいメディアも登場してきているが、特に経済系のコンテンツにおいては、まだまだより良い情報を提供することが可能であろう。
この点、経済系のコンテンツではダントツトップであり、給与等の条件も高い日経新聞は、魅力的な就職先では無いだろうか?
2. まず、給与水準が十分に魅力的な日経新聞
① 大手金融機関以上の年収が期待できる
日経新聞は、新聞業界の中でも特に給与水準が良いことで知られており、特に若い時は大手金融機関よりも良好かも知れない。
また、非上場ということもあり、年功序列・横並びの傾向が大変強く、40歳位まで大きな年収格差がつかないようだ。もっとも、その反面、アップサイドは有る程度限定されているかも知れないが。
給料だけではなく、福利厚生も充実しており、住宅手当も厚い。持ち家の場合でも、東京の場合であれば月に3万円強の住宅手当の支給がある。
② 日経新聞の入社年次と年収の推移
日経新聞の場合、他のマスコミと同様に、最初から給与水準が良好なのが特徴で、スタートは大手金融機関を上回る。
初年度の年収は450万円位はある。そして、2年目には600万円に上昇し、4~5年目には700~800万円位には到達する。もちろん、残業代込であるので、残業時間によって差異は生じる。30歳時点では900~1000万円位になり、10年目の32歳位の時点では1000万円に到達する。しかし、このあたりから給与上昇ペースは落ち始め、30代後半でも1100~1200万円程度である。このあたりまでは、年功序列でほとんど同期間で差は付かないのが特色である。
40歳時点では年収1200~1300万円位であり、ここから先は出世をしていかないとなかなか伸びない。このため、40代になると、大手金融機関に追いつかれてしまう。
退職金・年金制度も充実しているので、生涯賃金で見ると、大手金融機関と同じか、若干上回る位の水準であろう。
もっとも、紙媒体としての新聞が将来衰退していくことはほとんど自明であるので、遠い将来までこの給与水準が維持されるか、不安に感じている社員もいる。
3. 日経新聞でのキャリアや転職について
以上のように、日経新聞の場合、給与水準は十分に高く、終身雇用を前提として働くというのが基本である。下手に転職をすると、年俸が下がってしまうことも少なくないであろう。
しかし、コンテンツ作成能力というものを磨けば、いろいろと転職するところはあるだろう。ネットベンチャー系でもコンテンツ作成者としてのスキルと、日経新聞というネームバリューがあれば、上場前のメルカリのように、ある程度勝ちが見えている非上場ベンチャーにストックオプション狙いで転職するという手もあるだろう。
また、メディアの裏側を熟知しているので、広報・PRとしてのスキルを磨くという方向性も考えられる。これから、モノやサービスは機能面での差異はつけにくくなり、ブランドとか広告宣伝が重要になってくると考えられるところ、広告宣伝系において高い専門性を有する人材に対する需要は強いと考えられるからである。
難点があるとすれば、社内的には横並び・年功序列型の極めて日本的で古臭い世界なので、ベンチャー企業的な雰囲気に馴染むことができるかという点であろう。
最後に
文系トップ校の学生の間では、就職先としての日経新聞の魅力はある程度知られており、穴場ということは無いだろう。もっとも、商社とか総合職の大手金融機関よりも、日経新聞の方が専門スキルを磨くことはできるのではないだろうか?
金融とか商社にフォーカスしていると、なかなかマスコミまで対策が取れないかも知れないが、その魅力に比べると入社難易度はそこまで高いとは言えないので、みんなが金融専門職や商社を向いている内に、ここを狙うという戦略はアリだろう。