日本製鉄、JFE。文系からの鉄鋼業界への就活(第二新卒含む)、年収、キャリアについて

1. 何故鉄鋼業界?

鉄鋼業界は文系でも社長になれる業界であり、何といっても、高度経済成長期においては日本の基幹産業であった。このため、多数ではないが、トップ校の文系学生も鉄鋼業界に関心を持つ学生はいた。

何故、鉄鋼業界かというと、金融機関には行きたくないという学生も存在し、その中で、産業界におけるステータス性、給与水準の高さ、安定性といった理由で就職した者が多いのではないだろうか?

バブル期においては、銀行や証券会社が中途採用で、30歳を過ぎていても鉄鋼業界出身者をIBDで採用していた時代もあった。今となっては考えられない話であるが、大昔はハイスペックな学生は証券会社よりも鉄鋼業界を目指した時代もあったようなのである。このため、ハイスペックな社員が不足していて、バブル期で信じられない位儲かっていた時代には、パイスペックな鉄鋼業界の社員をポテンシャル採用したのだ。

また、鉄鋼業界からハーバード等の名門MBAを社費で取得させてもらったエリート社員は、マッキンゼー等の戦略コンサルに転職した者もいる。

2. 鉄鋼業界の年収水準について

かつてのトップ産業ということもあり、鉄鋼業界の給与水準はメーカーの中でも最高水準である。メガバンク等の大手金融機関と全く同じとまでは行かないが、若干少ないくらいの水準である。

かつて、文系学生のターゲットとなる大手製鉄会社というと、新日鉄、NKK、川崎製鉄、住友金属、神戸製鋼であったが、今では日本製鉄、JFE、神戸製鋼となってしまった。
そして、神戸製鋼は規模、待遇の面で上位2社とは離れてしまうので、トップ校の文系学生が就活の対象とするのは、日本製鉄とJFEの2社ではないだろうか?

① 日本製鉄(旧新日鉄住金)の年収について

初年度は400万円、2年目は500万円、3年目で550-600万円と、残業代が付く部署にいけば、これくらいの水準である。当初より、他のメーカーよりは昇給ペースは良い。
そして、7年目の主査に昇格すると750~850万円位となる。このあたりもほとんどメガバンクと遜色ないレベルである。

ここから先は出世次第であるが、早ければ12年目位に主幹に昇格でき、年収は1000万円を突破する。昔から、新日鉄は35歳で1000万円位になると言われてきたが、現在もそれ位のペースである。そして、40歳で1100~1200万円位というのが一つの目安である。

そこから先は、だんだんとハードルが上がっていく。主幹(M1)より1ランク上の次長(M2)ランクで年収が1300~1400万円、部長(M3)になると、年収は1500万円を越える。
もっとも、部長になれるのはごく一部に過ぎない。

② JFEの年収について

JFEの年収水準は、日本製鉄と基本的に変わらない。
入社当初の1~2年は、400~500万円、4年目で550から600万円というペースである。
もちろん、このあたりは残業代によって左右される。

30歳で係長になると、年収は大体800万円位、35歳になると1000万円到達、40歳で1000~1200万円位である。

ここから先は出世次第であり、部長になると1400万円~となる。

3. 鉄鋼業界(日本製鉄、JFE)に就職する場合の留意点

以上の年俸水準や、鉄鋼業界のステータスを考慮すると、金融機関では無くて日本製鉄やJFEに行ってもいいのではないかと考える就活生もいるかもしれない。
しかし、その際には、以下の点に留意する必要があるだろう。

① 鉄鋼業界は20年後、30年後も安泰とは限らない

これは、全ての業界に言えることであり、鉄鋼業界に限った話ではない。
しかし、鉄鋼業界はコモディティ化してきているし、他国企業との競争が厳しくなっている。
この点は、中期経営計画などを読んでみて、いろいろと鉄鋼業界の将来を考えた方がいいだろう。

② (他のメーカーと同様に)転職能力は高くはない

大昔は、東大⇒新日鉄というだけで、大手証券会社の法人部門に中途採用で入社できた時代もあったが、今では考えられない。
鉄鋼業界で文系が習得できるスキルというと、経理、人事、法務といったスキルである。
30歳を過ぎて年収1000万円ということになると、この業種とスキルで他業界に転職するのは難しい。

また、ベンチャー/起業という世界からは最も遠い業界でもあるので、30歳を過ぎると、そちらの世界を狙ったところであまり競争力が無い。

以上の様に、今までのように終身雇用が保証されるといいのだが、終身雇用が保証されなくなってしまうと、従来のような生涯賃金は期待できなくなってしまう。

最後に

鉄鋼業界への就職は悪くないかも知れないが、将来の業界への不安や転職力が付きにくいことを考えると、自らのスキル上げを意識しなければならない。

行けるのであれば、海外勤務をするとか、会計系の資格を取得するとか、ネットビジネスに副業的に首を突っ込む等のスキルの幅を拡げるよう努力すべきであろう。