文系からの信越化学工業への就活(第二新卒含む)、年収、キャリアについて

1. 信越化学工業(信越化学)とは?

信越化学とは、B to Bの化学企業であるため、一般人からの知名度は高くはないが、産業界においては知らない人はいない程、超高収益の日本を代表する超優良企業である。

グローバル・マーケッツ職を目指している等、株式市場に明るい就活生であれば文系学生であっても聞いたことはあるはずだ。

特に、内部留保の分厚さ、要するにネットキャッシュという言い方もするが、保有現金・短期有価証券から借入金と前受金を引いた金額ランキングで、信越化学は日本で1~2なのだ。

<内部留保:東洋経済の金持ち企業ランキング>
https://toyokeizai.net/articles/-/252651

要するに、日本でトップクラスにキャッシュを貯めこんでいる企業ということなのだが、何故そのようになるかというと、当然業績が良いからだ。

<数字で見る信越化学の凄さ:公式HPより>
https://www.shinetsu.co.jp/jp/recruit/company/number.html

これは、信越化学がその凄さを数字で簡単に紹介している記事だが、海外での競争力が高く、化学メーカーという括りでは、日本ではなく、世界でトップ10に入る程の優良企業であることがわかる。

2. 信越化学の給与水準はキーエンスまで行かなくとも、旭硝子やサントリーレベルか?

このような、超優良企業の信越化学である。メーカーとは言え、高給で知られる旭硝子、サントリー、味の素と同じ位の給与水準はあるのではないかと考えてしまう。

ところが、先日、たまたま信越化学の年収の水準に関する情報を得て驚いてしまった。
キーエンスに匹敵するぐらい高いのではない。その逆に、業績や財務を反映するような給与水準になっていないのである。

3. 信越化学の年収水準

入社1年目は年収370~380万円。まあ、これはいい。ところが、ここから全然増えないのだ。学部卒4年目で450万円と昇給ペースは遅い。入社6年目の20代後半になっても漸く500万円台半ば位。30歳で600万円程度だ。

メーカーの給与の伸びはゆっくりしているというが、30代になってもスローペースは続く。40歳になっても750~800万円程度で、1000万円はまだまだ見えない。
40代になると多少ピッチは上がり、50歳位でようやく1000万円の大台到達だという。

また、全体的に年功序列がメインで、業績評価による年収の違いもほとんどないという。

それでは、福利厚生が良いかというと、そうでもなく、寮や社宅は格安で借りられるが老朽化したりしていて快適なものではないという。しかし、寮や社宅が嫌だから自分で借りるとなると、家賃補助はないそうだ。

メーカーでゆっくりとしたテンポで給与が上がっていくという点では、三菱重工が思い当たるが、年収や福利厚生面においては、断然三菱重工が勝っているようだ。

<三菱重工への就職、年収等>
https://career21.jp/2019-05-16-133109

4. 文系の学生と信越化学への就活について

信越化学の採用者数は決して多くない。技術系と文系を合わせて例年70名程度である。そのうち多くが技術系のポジションなので、文系の席はわずかしかない。

この点、給与水準については以上の通りなので、文系の学生がわざわざここを選択する理由は見当たらない。

信越化学のプロダクトが好きだというのであれば別だが、文系の場合は、自らのスキルが磨かれるわけではないので、メーカーの中で企業選びをするにせよ、他に有力な候補がありそうだ。

感想

予想に反して、信越化学の年俸水準は業績がほとんど反映されていないようで、低かった。このため、文系の学生があえてここを目指す理由は見当たらないように思える。

これだけ稼いで、これだけ貯めこんでいるのに、従業員には還元しない。それは、将来の設備投資やR&Dを見据えてのことだろう。
メーカー経営の厳しさを感じてしまった。

そして、精神論で恐縮であるが、文系の学生や金融・サービス業はもっと頑張らなければならないと感じた。これだけ稼いで貯めこんだメーカーが、財布の紐を緩めず、頑張り続けているのである。同じようなマインドで、金融機関やサービス業の経営がなされるのであれば、収益性はもっともっと向上し、日本の非製造業の国際競争力は向上するかも知れない。

もっとも、これは株主的な視点であって、従業員からするとNo Thank Youだが…。