東京スター銀行への就活(第二新卒含む)、中途採用、転職について

1. 外資系のような独特の立ち位置の銀行

東京スター銀行というのは、東京都港区に本社がある第二地銀としての位置づけの銀行である。高利回りの定期預金、預金連動型の住宅ローン、外貨預金、カードローン、投資信託、年金型保険など幅広い金融商品を取り扱う、個人部門に特化したユニークな銀行である。

東京スター銀行は、金融危機の頃、1999年6月に破綻した東京相和銀行の資産・営業を譲り受ける形で免許を取得し、2001年に営業を開始した。

株主がPEファンドであるローンスター⇒アドバンテッジ・パートナーズと変遷し、2013年7月に、台湾系の中国商業信託銀行が株式を取得し、大株主となっている。

2. 国内系の金融機関とは全く異なる外資系の給与体系、社風

以上のようなユニークな出自であるため、カルチャーや社風は国内系銀行とは全く異なり、外資系のような雰囲気である。

そもそも、2001年に営業を開始したので、中途採用の方が多いという特殊性がある。また、給与体系も生え抜きと新卒とで大きく異なる上、年功序列では無いので、日本企業としては珍しく同僚の年収がわからない。

オフィスも、外資系のように机が広くパーテーションで仕切られており、日本の銀行のような職員室風の配置とは異なっている。

3. 東京スター銀行の年収について

① 全体観

東京スター銀行は過半数の職員が中途採用組なので、一義的に年俸水準を割り出すのは難しい。年功序列ではなく、タイトルと評価によって決まってくるが、このあたりのレンジも広く、同じタイトルでも年収がかなり異なる場合がある。
年収の内訳も、外資系のように、基本給と年1回のボーナスという支給形式である。このため、日本人からするとボーナスが年2回無いのは少し寂しい気もする。

また、新卒と中途採用組では大きく異なり、VP以上の専門職として入社した中途採用組の中には結構な高額な年収を得ている者もいる。もちろん、誰がどれ位もらっているかは、社員にはわからない。

なお、福利厚生等はあまり充実していない。退職金は確定拠出年金のみであるし、寮・社宅制度も特に充実しているとは言えない。

全般的には、生え抜き組については、地銀大手行並みと言われているが、個人差は大きい。

② 生え抜き組の年収について

生え抜き組の初年度から3年目位までの年収は、300~400万円程度である。
20代後半以降、AVPという課長代理的なポジションになると、大体500~800万円位の年収レンジとなる。VP以上にならないと年収1000万円は難しい。

福利厚生や退職金等を考えると、首都圏の大手地銀である横浜銀行や千葉銀行に行った方が堅いと思われる。

③ 中途採用組の年収について

中途採用の場合、前職を考慮して決定するので、人によって大きく異なる。
VPの場合、だいたい900万円~1300万円くらいの間のベースと、ボーナスということになる。ボーナスについては、近年はあまり景気がいい話は聞かないがベースの1割程度であろうか。合計すると1200~1500万円位であろうか。

もっとも、リーマンショック前には部長クラスだと年収2000万円以上の者もいたそうだ。

いずれにせよ、職員間の年俸差が大きいのが特色である。

4. 外資系とか国内系専門職のような終身雇用とは限らない金融プロフェッショナルは覚えておいた方が良い

それでは、東京スター銀行はどのような人におすすめなのだろうか?
前述した通り、福利厚生、退職金や安定性を考えると、新卒入社の者にはあまりおススメではない。

しかし、中途採用ということで考えると貴重な存在でもある。何故なら、中途採用の門戸が広く、千数百万円以上の年収が得られる国内系の金融機関のポジションはあまり多くないからである。

もちろん、野村證券でもみずほ証券でも中途採用は手広くやっているが、40歳を過ぎるとポジションがかなり減ってしまう。そうした中で東京スター銀行は有難い存在であり、外資系金融でリストラ或いはヤバそうな場合に一時避難できる先は貴重なのである。

実際、リクルートとかJACのように国内系と外資系を両方扱う転職エージェントや、コトラ、カナエアソシエイツ、アンテロープのような国内系にも強い金融系転職エージェントに行くと、東京スター銀行の案件はちらほらと見当たる。

終身雇用が想定されない、金融プロフェッショナルの途を歩むと、いろいろと転職しなければならない場面も出てくるので、選択肢はなるべく多めに押さえておきたい。

  • ブックマーク