日本取引所グループ(JPX:東証+大証)への就活、年収、キャリアについて

1. マケイン?異常に就職偏差値が高い日本取引所グループとは

日本取引所グループ(JPX)とは、平成25年に東京証券取引所と大阪証券取引所が統合してできた、証券取引所グループである。

何故か、日本取引所グループの就職偏差値は異様に高く、野村證券や大和証券よりも上であったりするようだが、流石にこれは過大評価である。それは、採用人数がここ数年だと、20~30人と極端に少ないからである(しかも、SSというエリア限定社員も包含している。)。
これだけ採用人数が少ないと、競争率が異常に高くなりほとんどの志望者が落とされてしまうからだろう。

もっとも、給与水準は大手証券会社に準じた扱いであるため高く、また、大手証券会社とは異なりリテール営業が無い。また、準公務員的な雰囲気もあり、堅い感じがするため、そこにステータス性を感じる学生もいるようだ。

2. 日本取引所グループの年収について

① 日本取引所グループの年収に関する全体観

日本取引所、実質的には東証と大証ということなのだが、公的な組織でもあるので野村證券や大和証券のような民間企業と比べると、官僚的で横並びである。このため、入社8年目の調査役には全員昇格できる。

また、人事評価における年収への反映はほとんどなく、同期の年収の違いは残業代の違いと考えてよいであろう。

なお、日本取引所グループはIT系の人材を中心に、中途採用も行っている。このため、ITベンダー等に勤めているハイスペックエンジニアは中途採用で入るという手もある。

② 入社年数、昇格に伴う年収の推移について

初年度については、大手の証券会社と同様で、残業代とボーナス込で400万円程度である。そこからは、年功序列でじわじわと上がっていき、入社3年目には500~600万円、入社5年目には700万円程度にはなる。

入社8年目には一律で調査役に昇格できるため、30歳位の時点で年収は900~1000万円位になる。もっとも、ここでの1000万円というのは残業代がMAXな場合であるので、あまり望ましくない状態かも知れない。

日本取引所グループの特徴は、巨大ITトレーディング・インフラ提供会社であるので、IT企業のような側面がある。総じて、IT系の社員は勤務時間が長く、テストなどのために土日に出勤することも珍しくない。このため、IT系のスタッフは残業時間が長い。

他方、半分公務員的なカルチャーであるので、非IT系で暇な部署だと定時にも帰れる人もいる。もちろん、その場合には残業代が少ないのだが、労働時間・労働量に格差がある。

そして、課長になると、大手証券会社と同様に30代半ば~40歳の時点で年収は1400~1500万円位にはなる。

なお、福利厚生については特段のものは無く、住宅手当等も薄い。

3. 日本取引所グループのキャリアと転職について

実は、意外かも知れないが日本取引所グループの転職能力は高い。
IT系の社員の場合だが、トレーディング・システムに関する専門性が高いので、外銀トレーディング部門のITとして人気が高いからである。外銀のITというのは、バックオフィスであり、IBDやトレーディングと比べると見劣りするが、30代VPだと年収2000万円位も可能である。

日本取引所グループのITはプレッシャーのかかるプロジェクトも多く、激務の社員も多い。このため、それならいっそ、外銀ITになった方がいいということで、転職する者もいる。

IT以外だと、IPOの審査に従事しているスタッフの市場価値は高い。IPOの審査について熟知をしているため、IPO業務のスペシャリストと言えるので証券会社への当該部門(公開引受部とか法人部)や、或いはIPOを目指すベンチャー企業への可能性もある。
もっとも、ワークライフバランス等を考慮しているからか、外銀の世界で元東証の人はほとんど見たことが無い。

いずれにせよ、転職力が高いということはいいことである。

最後に

以上のように、日本取引所グループの給与水準は大手証券会社並みだし、IT以外の場合にはワークライフバランスも優れている。また、転職能力を高めることも十分に可能である。

このため、大変面白い会社なのだが、いかんせん採用人数が極端に少ないので当てにすることは出来ない。また、採用基準も日銀のように単にスペックで決めるわけではなく、相性によって決まってくる面が多い。

従って、ここを本命視して就活するのはリスクが高すぎるが、証券会社の公開引受部門や、ベンチャー企業のIPO担当者に興味がある者は、勉強ということで応募してみてもいいかも知れない。