文系学生の富士通への就活(第二新卒含む)、年収、キャリアについて

1. 文系の有力校からも富士通に就職

富士通は多くの有力校から新卒採用を積極的に行っており、2018年度入社組の場合、早慶だけで133人も就職をしている。

また、理系だけでなく、文系からも多くの者が就職しているのが特徴である。
例えば、就職に強い慶応大学商学部からの就職者数ランキングでは、富士通は14位にランクされ、慶應大学法学部政治学科のランキングでは第16位となっている。

文系の有力校の学生は、金融機関、コンサル、商社が人気であるが、何故、富士通に就職する学生は多いのであろうか?今回は、文系学生の富士通への就職について、年収やキャリア面等から考察したい。

(なお、文系学生のパナソニックへの就職についてはこちらをご参照ください。)
https://career21.jp/2019-05-13-095632

2. 富士通の年収について

まず、初年度年収についてであるが、2018年の実績は初任給約21万1000円である。これに、残業代とボーナスが付いて、合計350万円位である。

その後は年功序列で全員同じペースで増えていくが、金融機関程大きくは増えない。
文系学部卒の場合、入社3年後の26歳位で、年収420万円とか480万円といったイメージである。ここでの年収差は残業代の違いである。
基本給は高くないので、ある程度残業代で稼ぐモデルになっているのだが、昨今の働き方改革によって残業が青天井というわけには行かず、これが不満な若者もいるようだ。

そして、入社5年経過後の、28歳位で年収は540~550万位である。
金融機関はこのあたりで部長代理・課長代理に昇進するため、年俸差が大きく開く時期である。

富士通の場合は昇給はゆっくりではあるが、じわじわと上昇は継続し、30歳になると650~700万円位となる。そして、35歳位で800万円位になる。
最近、パナソニックとかソニーとか、少しずつ厳しくなってきているが、富士通の場合は比較的横並びでほぼ全員、30代半ばだとこの水準には到達できる模様である。

そして、早ければ30代後半(37-38)、遅いと40代前半(42-43)位で課長に昇格できる。課長になると、年収は大台に乗り、1100万円位になる。こうなると、金融機関との差を縮めることができる。

そこから部長に昇格できると、年収1300~1400万円位が期待できるが、部長への昇格は容易ではない。

以上のように、40歳時点で課長に昇格できれば、そこそこかも知れないが、若い時の給与水準が大手金融機関と比べると大きく見劣りするのは、パナソニックと同様である。

また、住宅手当等の福利厚生が特に手厚い訳では無いので、東京暮らしの場合、結構厳しい。

3. 文系学生が富士通に就職する理由

以上のように、金銭面だけについて見ると金融機関の方が恵まれているのは間違いないが、以下のような理由から富士通を選択する文系学生は存在する。

① ICTの魅力

いわゆるインターネットの世界は、GAFAのような米国系企業が席巻しているので、広い意味でインターネットビジネスに従事しようと思っても、日本企業の中では中々選択肢がない。その数少ない選択肢の一つが富士通なのである。

日立もICTの国内系最大手企業であるが、それ以外の分野も数多くやっているので、ICT事業に従事できないリスクがある。また、NECについては株価時価総額が1兆円を割り込むような状況にあり、企業としての体力が低下している。

このような状況において、文系の学生がインターネットの最先端のビジネスに従事しようと思うと、富士通が候補として上がってくるのである。実際、富士通はAIとか自動運転といった最新の領域にも積極的に手掛けている。

また、ネット系ベンチャー企業の場合、AI等の看板を掲げていてもどの程度の競争力があるのかはわかりにくいし、ベンチャー企業というカルチャーが合わない人もいるだろう。
そういった点から、ICTに従事したいという学生にとって富士通は有力な選択肢となるのである。

② 充実した研修体制、穏やかな社風

富士通の場合、日本の大企業の良さでもある、研修体制が充実している。このため、文系の学生であっても、技術的な側面を学習する機会には恵まれている。

また、大胆なリストラを同業他社と比べるとそれほどドラスティックに行わない、人に優しい年功序列・終身雇用型の企業である。もちろん、これは将来も保証されるかどうかは定かではないが、雰囲気的には働き易そうであり、OB・OG訪問によってこういった社風的な良さに惹かれる学生はいるのだろう。

③ 海外勤務の可能性

これはパナソニックと同様であるが、金融機関と比べると、売上高に占める海外の割合が相対的に高い。その場合には、グローバルビジネス経験というキャリア上有用な機会を得ることができるし、海外手当が付くので年収的な問題もある程度緩和される。

4. まとめ

金融機関の仕事にはあまり興味がないが、就職偏差値とか周りの学生の動向とかが気になるため、何となく金融機関を志望している学生は、メーカーも真剣に調べてみてもいいのではなかろうか?

メーカーの最大の弱みは年俸水準であるが、ICT分野に興味がある学生は一度話を聞いてみてはどうだろうか?