パナソニックへの就活(第二新卒含む)、年収、キャリアについて

1. 金融機関以外に就活の選択肢は無いのだろうか?

① トップ学生の根強い金融志向とメガバンクの採用減

トップ学生の間では、外銀、或いは、国内系金融機関のIBDとかグローバル・マーケッツ職の人気が高く、なかなか内定を得ることは難しい。

従来は、こういった外銀等から内定を得られなかった学生は、メガバンク、大手証券、大手生損保の総合職の内定を取っていた。

しかし、今後はメガバンクが大幅に新卒採用数を減少させる模様であり、大手金融機関への就職は難化が予想されるし、就職しても20年後といった将来には不安もあるだろう。

<メガバンクの採用減について>
https://career21.jp/2019-05-08-111317

② 本当に国内系金融機関でいいのだろうか?

学生の場合、就労経験が無いので、周りに影響されやすいのはある程度やむを得ないが、そろそろ大手金融機関以外の選択肢も真剣に検討してもいいのかも知れない。

昔から、金融機関を志向する学生はメーカーはあまり検討せず、他方、メーカー等の非金融機関志向の学生は金融機関と深く検討しなかったように思われる。

そこで、金融機関志向の学生も、メーカーという選択肢は本当にダメなのか、考えてみてもいいのではないか?今回は、早慶等の有力校からの就職者が多い、パナソニックについて検討してみたい。

2. 文系学生にとってのメーカーの選択肢

① 早慶の学生の就職者数ランキングから

週刊東洋経済の2019/5/11号は早慶特集である。その中で、早慶生の就職先ランキングが掲載されていので、その中からメーカーを抽出すると以下のようになる。

富士通   :133人
三菱電機  :79人
キャノン  :76人
日立製作所 :75人
ソニー   :70人
キーエンス :67人
日本IBM  :59人
本田技研工業:57人
トヨタ自動車:55人
日本電気  :55人
パナソニック:54人

(※2018年入社組。早稲田と慶応の合計。ソースは大学の公式HPより)

② パナソニックについて

この中で、パナソニックについて情報が取れたので、今回はパナソニックに絞って検討することとする。
なお、2020年卒の採用者数は、技術系300人、文系300人と、大手金融機関と比べてもかなりの人数を採用してくれる。

3. パナソニックの年収について

金融機関志望の学生があまりメーカーに行きたがらない最大の理由は、年収面である。これは大昔からそうである。メーカーの場合は優良企業の場合でも、多くて金融機関の7割とか言われたりするが、実際はどれくらいなのだろうか?

① パナソニックの年収の全般的な傾向

金融機関よりも安定しているようにも見える大手メーカーであるが、景気の影響は結構受ける。パナソニックの場合、リーマンショック後に特損を出した年が続いたこともあり、昔よりも減少してきているようだ。

また、成果主義・業績連動的な面が表れ、各事業部毎の業績やその人自身の評価によって差が開くようになってきているようだ。

② 年次、タイトル毎のパナソニックの年収のイメージ

まず、初年度は学部卒の場合は月収211,500円スタートである(※2018年実績)。
これに残業代とボーナスを含めると350~400万円である。

そして、年功序列でその後は少しずつ年収がアップし、27歳では500~600万円位である。大手金融機関の場合には、入社6~7年目で部長代理、課長代理といった昇格によってグッと増えるので、このあたりで金融機関との差がついていく。

パナソニックの場合、30歳を少し過ぎて主務に昇格すると、年収600~900万円位のレンジとなる。事業部の業績、評価、残業代によってかなりの幅が生じてくる。
イメージとしては30歳で700万円くらいであろうか?

30代半ば位で主務の1ランク上の主幹に昇格すると、年収は900~1000万円位になる。
なお、主幹から非組合員となる。金融機関の場合、30代での昇給ペースは鈍化するので、主幹に昇格すると差を縮められることとなる。

そして、40歳を過ぎて課長に昇格すると、年収は1000~1200万円位となる。
さらに、部長に昇格できると、年収は1200~1400万円位となる。こうなると、大手金融機関とほとんど変わらない水準となる。もっとも、課長はともかく、パナソニックの部長になるのは容易ではないが、メーカーの場合、部長と役員の間に事業部長というポジションがあるので、金融機関で言うと副部長とか担当部長位に該当するのであろう。

以上のように、パナソニックの場合は、課長以上になるとそこそこであるが、昇格ペースが金融機関と比べると5年位は遅く、20代とか30代前半の時期に金融機関との年収差が開いてしまう。

4. パナソニックでのキャリア、転職について

① 海外勤務の可能性は金融機関よりも高い。

パナソニックの場合、売上の約半分は海外で稼いでいる。収益の大半を国内で稼ぐ金融機関と違って、国際性はメーカーの方が高いため、海外勤務の可能性はある。

メーカーの場合も、総合商社程ではないが、海外に赴任するとそれなりの手当てがあるので実質的な年収は高くなる。また、パナソニックで海外勤務をすれば転職力が高まるというわけではないが、語学やグローバルビジネス経験はキャリア形成の面において有用であろう。

② 将来の転職について

家電業界の場合、転職というのは難しい。転職対象企業が限定されてしまうからである。家電の場合だと、サムソン、ハイアールあたりになるのだろうか?
文系の場合だと、経理、人事、法務といった職種で専門性を高めるのが一番堅いのであろうか。
GAFA、マイクロソフト、シスコ、オラクルあたりのネット系企業に転職できればいいのだが、事業内容、カルチャー、スキル等がかなり異なるので、その点厳しいところだ。

特に、40歳を過ぎると他の業界と同様、転職のハードルは高くなってしまうので、終身雇用のつもりで入社したとしても、いざという時に備えて、スキルの習得やスペック上げをしておいた方がいいのは金融機関と同様であろう。

5. どういった学生が就職先としてパナソニックも検討すべきか?

上述した通り、給与面では明らかに大手金融機関に劣ってしまう。特に、20代から30代前半では2倍とまではいかなくとも、1.5倍位の差がついてしまう。

また、その分、メーカーの方が安定しているかというと決してそうは言えない。転職もし易いわけではない。

このため、パナソニックも検討すべきという学生は、純粋にパナソニックの製品が好き、そして、海外で働いてみたいという学生であろうか。

メーカーは全般的に言えるが、その会社のプロダクトに関心が無いと、あまり面白くないかも知れない。

ただ、最終的に金融機関を選択することになるとしても、いろいろな業態を見ておくことは勉強になるので、パナソニックでなくとも良いが、どこか日本を代表するメーカーを研究し、OB/OG訪問してみてはいかがだろうか?