東京オリンピック終了後も、東京のマンション価格が値下がりしそうにない理由

1. 首都圏マンション価格は、ついにバブル期を超える勢い。

2018年4月に不動産経済研究所が発表した、2017年の首都圏マンション市場動向の結果が注目されている。
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首都圏全体の新築マンションの平均価格は、5921万円となり、バブル期高値の6,123万円に迫っているのである。

特に、東京都23区内のマンション価格が高騰しており、平均価格が7,008万円となっている。平均坪単価は350万円を超しており、約20坪にも満たない新築マンションの価格が7,000万円以上もしているのだ。

東京都23区内のマンション価格については、2011年の震災以降上昇トレンドをキープし、東京オリンピックまでだと言われながら、なかなか値下がりする兆しは見られない。
そこで、なぜここまで東京の新築マンション価格が高騰しつづけるのか理由を考えたい。

2. アジアの大都市、例えば、シドニーと比べるとまだ東京は安い。

東京の不動産価格は高いものの、アジアの大都市と比べると相対的には安いことが知られている。例えば、香港、シンガポール、上海は東京よりも高いし、数年前には台北にも抜かれたという。

もっとも、これらの大都市はまだまだ人口増に支えられ経済成長している国の大都市の地価なので、成熟経済の日本とは比べられないと言える。
しかし、意外なのは、同じく成熟経済下のシドニーの不動産価格が東京よりも高いことである。

数年前に、シドニーの同僚が来日した際に、「シドニーの都心ではなく、都心まで通勤時間が20分程度の郊外の2ベッドルームの新築マンション価格はいくらくらいか?」と尋ねたところ、日本円に換算して「2~3憶円」という答えが返ってきて驚いた。

千代田区・港区・渋谷区ではなく、世田谷・目黒クラスが2~3億するということだ。
比較の上では、東京の不動産価格にはまだ上があるということだろうか?もっとも、これだけでは納得できる理由にはならない。

3. 金利水準が以前よりも下がっている。

不動産価格は、理論的に金利が下がれば上昇する。
この点、10年前のリーマンショック前の好況期においても、東京23区のマンション価格は高かったが、当時の長期金利は1.6%程度であった。現在の長期金利は、0.1%程度であるので、金利が下がった分不動産価格も上昇したのだという説明は一応できる。
しかし、これでも十分納得できるほどの理由にはならない。

4. 結局、将来の東京の人口爆発への暗黙の了解が地価を支えているのだろうか?

現在の東京都の人口をご存じだろうか?1,200万人ではない。1,300万人でもない。
答えは2018年の5月時点の推計が、1,380万人である。毎月1万人以上のペースで増加しており、来年中に1,400万人を突破するのは時間の問題である。

同時に、神奈川県の人口も増え続け920万人近くまで増加している。千葉県も埼玉県も増加し続けている。

東京都の人口増加ペースの予想は、専門家が下に外し続けている。想定以上に人口は増加し続けているのだ。地方が衰退すればするほど、その分を東京と首都圏が吸収する。
地方の人口が減れば経済や社会は衰退し、ますます若者が首都圏に流出するというスパイラルには拍車がかかる。政府も地方自治体も地方経済の活性化には無策であり、この傾向が止まる見込みはない。

そうすると、東京都人口の1,500万人超えは時間の問題であり、2,000万人を突破することもありうるかも知れない。東京都の人口を2,000万人と想定すると、現在の地価レベルは説明可能ではないだろうか?

また、東京の場合、経済的には東京都の人口だけでなく、ベッドタウンである神奈川県、埼玉県、千葉県の人口増の恩恵?も受ける。

さらに、ここ数年のインバウンドの急増により、外国人の旅行者数の影響もあり、この傾向はさらに拡大すると予想されている。

結局、日本全体としては嬉しい話ではないが、地方が衰退する分を東京が吸い上げる結果となって東京への集中度が際限なく高まり(或いは高まると考えられ)、その結果不動産価格が上昇し続けているとは言えないだろうか?