東海東京証券のIBD(M&A、IPO他)への中途採用(第二新卒含む)と年収、キャリアプラン

1. 準大手証券のIBDへの中途採用(第二新卒)を狙うキャリアプラン

① 準大手証券会社の本社部門への転職は大昔から存在した

準大手証券会社とは、リテール営業、法人営業、IBD、トレーディングとフルラインで展開する証券会社で、大手証券会社(野村、大和、SMBC日興、三菱UFJモルガン・スタンレー、みずほ)に準じる規模感の証券会社を言う。

具体的には、東海東京証券、岡三証券、丸三証券、いちよし証券、東洋証券等が該当する。SBI証券、マネックス証券等のネット証券は「ネット証券」というカテゴリーに属し、サイズは大きくとも準大手証券会社とは呼ばない。

準大手証券会社は大昔から中途採用を積極的に活用してきた。古くは、証券会社が株屋であった60~70年代に始まり、80~90年代については外資系証券会社をクビになった人達の受け皿となっていた。

準大手証券会社はIBDとかマーケット関連のハイスペックの人材を新卒で採るのは難しいので、中途採用で外資系や国内系大手証券出身者を適宜採用してきたのだ。

② 準大手証券会社のIBD等は大手証券会社と比べて採用される可能性が高い

新卒採用においては、トップ校の、そしてその中の上位の学生であるほど、プロフェッショナル志向が強く、外銀はもとより、国内系証券会社のIBDやグローバル・マーケッツは難化する一方であり、多くの者が内定を得られない。

しかし、メガバンクや大手生損保等のようなネームヴァリューのある金融機関に就職しても、リテール職から国内系証券会社のIBDやグローバル・マーケッツ部門への第二新卒・中途採用での入社はまず不可能だ。

そこで、どうしてもIBDやグローバル・マーケッツ部門で働きたいという元ハイスぺ学生にとっての最後の砦が準大手証券会社の第二新卒・中途採用狙いだ。

2. 東海東京証券の募集職種について

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① IBD(企業金融部門)では幅広く募集中

東海東京証券のHPを見ると、IBDの全ての部門で中途採用を行っている。
例えば、M&AやECM/DCMもあるし、IPOもある。将来はベンチャー企業のCFOとか自ら起業に興味があるという者にとっては、M&Aとかカバレッジバンカーよりも、IPOのポジションの方が面白いだろう。

② 東海東京証券の年収について

気になるのは、東海東京証券のIBD等に第二新卒・中途採用で入った場合、年収はどの程度期待できるかということではないだろうか?

当然、メガバンクや大手生損保と比べると、年俸水準は劣ることになる。ざっと、大手金融機関の7~8掛けであろうか。

例えば、初年度は350万円程度で、最初の3年間はあまり変わらず、25歳で500万円程度が目安である。4年目になると少し上昇し、20代後半で600~800万円位であろうか。もっとも、30歳を過ぎて管理職になると900~1000万円程度になる。営業職(リテールだが)の場合だと業績による格差が大きく、20代で1000万円を超えている社員もいる。

東海東京証券を始めとする準大手証券は、中途採用に慣れているので、ハイスペックの経験者採用の場合は、柔軟に前職の年収水準を考慮してくれる。例えば、マーケット部門であれば、30代半ばの管理職で1200万円位は出るだろうし、私の知り合いは40代で企業金融部門に1000~1200万円位で転職した。
このため、中途採用の方が甘めであるという意見も社内にはある。

もっとも、若い段階で第二新卒等で転職する場合には、現職の大手金融機関でもそれ程の高額の給与では無いので、現状維持か若干下がる位ではないだろうか?

③ 会社のHPで募集していないからといってあきらめてはいけない

東海東京証券を始めとした準大手証券の場合、会社のHPで募集していないからといって諦めてはいけない。何故なら、彼らは転職エージェントを使うことに慣れているので、会社のHPは補助的な手段に過ぎず、リアルタイムのニーズを表しているとは限らないからである。

このため、準大手証券会社のIBDへの転職を考える場合には、国内系に強いリクルート、JAC、エンジャパンあたりには登録しておくべきだ。

④ 第二新卒の場合、どういった条件であれば採用されうるか?

会社のHPには採用条件等が記載されているが、第二新卒の場合、それほどこれを額面通り受け止める必要は無い。その時の相場状況にもよるが、レジュメを見て面白いと思っていれば、会社のHPの条件を満たしていなくても面接に呼ばれる可能性は十分にある。

従って、現在の勤務先が金融機関・IBDと関係が無くとも、例えば、東大・JR東海とか、慶応・メーカー・USCPAとかであれば、書面通過できる可能性はある。メガバンクとか大手生損保であれば、英語力と証券アナリスト(CMA)位は揃えて置きたい。いずれ、ステップアップを図る場合には、英語力とか証券分析スキルは必ず必要となるからだ。

3. その後のキャリアプラン

① IBDのプロフェッショナルとしてのキャリアプラン

東海東京証券等のIBDに入った場合、いきなり外銀IBDを次に狙うのは厳しいが、国内系大手証券のIBDとかFAS、GCA等を経由して外銀を狙うことは可能だ。

外銀に辿り着くのは難しいにしても、国内系証券会社やFAS等のIBD部門に転職できると総合商社並みの高年収がそれなりに安定してもらえるわけなので、悪くないキャリアプランである。

② ベンチャーCFOや起業を狙う場合

国内系証券会社のIBDにはIPOという、株式公開支援のコンサル的な業務を担う面白いポジションがある。IPOの部門だと、上場を目指すベンチャー企業と協働する経験を通じて、ベンチャー企業やIPOのためのルール、DD等のノウハウを磨くことができる。

そうすると、次はベンチャー企業のCFOのポジションを狙ったりすることが可能となり、新たな可能性が生じることとなる。

まとめ

ファーストキャリアは重要で、一旦就活段階で、外銀や国内系証券会社のIBDコースで内定をもらえないと、第二新卒や中途採用でそういったポジションを狙うことも難しい。

それでも、どうしてもIBDやグローバル・マーケッツ業務をやりたいという場合には、思い切って準大手証券会社を狙うという選択肢もある。

その場合には、年収や会社名が今より下がることになるのでなかなか決断するのは難しい面もあるが、長期的なキャリアを考えると、その選択が正しい場合もある。社会人になると、学歴よりも会社名、そして、会社名よりも職歴が重要視されるので、こういったポジションを狙うにも十分合理的だと考えられる。

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