住友商事の中途採用(第二新卒含む)について。募集職種、応募資格、キャリア登録制度とは?

1. 総合商社の中途採用の特徴

2019年4月になり、三菱商事と三井物産が中途採用に向けての登録を開始した。
両社は、毎年4~6月頃に、期間を絞って中途採用を実施している模様だ。

住友商事と伊藤忠は、一応通期で中途採用のためのキャリア登録をオープンにしている。

通常、中途採用というと、職務経歴書をWeb或いは転職エージェント経由で発送し、書面審査を経て、書面通過者には面接を実施して選考するというスタイルである。

しかし、総合商社の場合には、キャリア登録といった名称で、一旦Webを通じて応募者の情報を事前に登録する。そして、その上でWebテストを課したり、書類審査を行って面接進出者を決めるという方式を取っている。

この点は、ES登録をしないと先に進めなかったり、Webテストを課せられたりする新卒採用と共通しているところがある。

これは、キャリア採用と言っても若手の社員が中心であり、また、ある程度広めの応募資格にしているので、大量に応募者のデータを集めて絞り込みをしようという狙いであろう。

2. 住友商事の募集中のポジション

① 特定の業種に絞って募集を掛けるのは三菱商事と同じ

ESとかWebテストとか、新卒っぽい中途採用であるが、職種を絞って募集を行うのは大きな違いである。

住友商事の場合も、三菱商事と同様に、特定の業種についてのみ募集を行っている。

<三菱商事の中途採用についての過去記事>
https://career21.jp/2019-04-22-100353

② 住友商事の募集中のポジション

住友商事の場合、コーポレート部門と営業部門の両方で募集中のポジションがある。

https://job.axol.jp/bw/c/sumitomocorp/job/search

コーポレート部門は、経理、法務、財務/事業金融、人事、とバックオフィス全般において募集中のポジションがある。

営業部門については、IT企画推進、ケーブルテレビ事業、石油化学品部、エネルギー資機財・サービス事業部、デジタルソリューション事業部、ヘルスケア事業部、と幅広い部門で募集中である。

③ 住友商事の募集中のポジションにおける採用の条件

求められる業務経験年数に限定していないポジションもあれば、5年以上の経験を要求しているポジション、そして10~15年の経験を要求しているポジションなど様々である。
この点は三菱商事との違いである。

ただ、全般的に言えるのは、住友商事は学歴・職歴・資格において、きれいな経歴、高いスペックの人を選好する傾向があるので、高学歴・コンサル勤務の人は全般的に書類通過確率が高いと思料される。

また、そこまでハイスペックでなくとも、当該ポジションにおける業務経験が長く、業務におけるフィット感が高ければ十分に書面通過する可能性はあるだろう(特に、ケーブルテレビ、石油化学品、エネルギー資機財)。

3. 住友商事の中途採用における留意点

住友商事は、国内企業としては年俸水準は最上位にあり、しかも、終身雇用である。入社10年次の32歳位だと、年収は1500~1600万、40代になると、いわゆる課長クラスで1800~2000万円程度の年収が期待できるであろう。

このため、特に入社後は転職を考える必要は無いのであるが、外銀やコンサルのような転職力は必ずしも高くないということに留意する必要がある。
トレーディング関係の業務経験は、業界外に持ち出せるようなものでは無いし、コーポレート部門では年収を維持できるような形での転職機会を探すのはまず無理であろう。

従って、住友商事に転職することによって次の更なるステップアップを図ろうとすることはあまり考えない方がいいだろう。

4. 住友商事のポジションに適したキャリアの人々

このポジションにフィットする人達であるが、まずは、現在超ハイスペックであるが仕事に疲れたり、限界を感じたりして、ワークロードを落としたいと考えている人達である。

具体的には、コンサルティング・ファームからデジタル系のポジションに転身しようという人、又は、大手渉外法律事務所のアソシエイトでインハウスローヤーへの転身を図るようなケースである。

また、現在のキャリアはスペック的に住友商事に劣るが、当該業界・業務における経験値や専門性を活かしてキャリアアップを図るケースである。

例えば、監査法人勤務の公認会計士が財務・経理系のポジションを狙う場合や、資源・エネルギー系の事業会社で豊富なビジネス経験を有する人が当該ポジションを狙うケースである。

いずれにせよ、住友商事は、給与、ネームヴァリュー、終身雇用、仕事のスケール感と、あらゆる点で大変恵まれた会社であるので、狙いは人それぞれかも知れないが、魅力があるポジションだと思う。
業務経験が豊富にある人達にとっては、ある意味、新卒で入るよりも採用されやすいのではないだろうか。

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