外銀、外コン、弁護士?年収2000万円に最速・高確率で到達できるキャリアプランを考察

序. 年収2000万円の意義

一般的には年収1000万円が成功の1つの基準とされていると思われるが、特に生活コストが高く富裕層が集中する東京では、年収1000万円では十分に成功しているとは思われないだろう。

年収1000万円であれば、そこそこの大学を出て大手企業に就職しさえすれば、後は時間の問題でいつかは到達するだろう。

しかし、年収2000万円となると、一気に難易度が上昇する。
銀行、商社、マスコミ等のエリートサラリーマンでも、年収1000万円には30歳で到達できるが、年収2000万円には到達できないまま終わってしまう方が多いだろう。

また、高年収の代表格である医師の場合でも、勤務医の場合には年収2000万円にはなかなか到達できない。

このため、真の成功キャリアと言えるためには、少なくとも年収2000万円になるべく早く到達することが必要となろう。

そこで、ここでは高収入とされる業種・職業をピックアップし、年収2000万到達の確度と速度について検討してみる。
なお、起業とか自営業の場合には一般化が難しいので、今回は対象外とした。

(年収2000万円の暮らしぶりについてはこちらの過去記事をご参照下さい。)
https://career21.jp/2018-10-25-131036

1. 外銀(外資系投資銀行)

トップバッターは、外銀と呼ばれる外資系投資銀行である。
ゴールドマン・サックス、JPモルガン、モルガン・スタンレー、UBSといったところである。

東大等のトップ学生の間でも人気が高く、就活で内定を取るのは至難の業である。

外銀の場合、部署によって年俸水準が大きく異なるが、そのうちフロント部門といわれる収益部門、例えば、IBD、トレーディング、セールスといった部門に所属していれば、入社3年後にアソシエイトに到達した時点で年収2000万円が見えてくる。景気動向や親会社の収益状況にボーナスが大きく左右するので、アソシエイト段階では確実とまでは言えない。

しかし、30歳前でVPに昇格すれば年収2000万円は余裕で突破できるだろう。

但し、激務で競争が激しく、新卒入社して3年後には同期の半分が辞めている世界であり、また、そもそも入社するのが極めて難しいのがこのキャリアを狙うことの難点である。

2. 外コン

東大等のトップ学生の間で、ここ数年では外銀以上に人気があるのが、外コンといわれる外資系コンサルティング・ファームである。

外コンは、更に、マッキンゼー、BCGに代表される戦略系ファームと、会計系Big4関連の総合系ファーム(アクセンチュア、デロイト、KPMG、PwC等)に大別される。このうち、年収が高くエリートとされるのが、戦略系ファームである。

戦略系ファームの場合(例えばBCG)は、新卒で600万円スタートで3年後に1ランク上のシニア・アソシエイトに昇格すると、800~1000万円程度になる。そして、更に1ランク上のコンサルタントになると、1200~1600万円になる。
この段階でもまだ2000万円に到達できない。
そして、更に頑張ってプロジェクト・リーダーになると1800~2000万円となり、ようやく2000万円に届くか届かないかというレベルである。

但し、新卒で入ってプロジェクト・リーダーにまでなれるのはほんの一握り、2割もいないだろう。このため、外銀と比べると、年収2000万円到達の速度や確度は大きく劣ることになる。

もっとも、BCGでプロジェクト・リーダーになれば、外資系ITとか国内系大手の事業会社から引く手数多なので、転職の方法次第で、その後年収を大きく上げるチャンスは十分にあるだろう。

3. 総合商社

国内系企業で最難関とされるのが、総合商社である。
そのうち、三菱商事が特にブランドとされ、次に三井物産、住友商事が「財閥系」ということで人気であるようだ。

これらの財閥系商社の場合、初年度こそ500万円スタートと、外銀・外コンに比べると劣るが、毎年200万円ずつ位アップし、入社3~4年で約1000万円に到達する。その後も上昇し続け、入社10年後の30代前半には1600~1800万円位にまで上昇する。

しかし、ここからは急に上昇ペースが鈍化し、年収2000万円は遠い。年収2000万円に到達するのは早くて40歳を過ぎた頃であろうか?

もっとも、商社の場合、年収2000万円までの速度は遅いが、横並びで終身雇用の世界なので確度は高い。これは日本企業特有の大きなメリットである。

なお、以上は国内勤務の場合であり、海外に赴任すると多額の手当てが支払われるため、30代で年収2000万円を越えるケースも珍しくない。

4. 大手渉外事務所勤務の弁護士

司法制度改革に伴う弁護士の大幅増により、一般的に弁護士の年収低下が報じられている。

しかし、大手渉外事務所の弁護士については、別のようだ。
4大事務所といわれる、国内系トップの渉外事務所の場合、初年度から1000万円を越える。ボーナスも支払われるので、1200万円スタートである。

そこからも少しずつ昇給し続け、留学に行く前の入所3~4年目には1800万円となる。
そして、留学から戻ってくると、年収は2000万円を突破する。

しかし、アソシエイトの段階では年収が2500万円程度で頭打ちで、年収3000万円にはまず到達できない。
そこから昇給するにはパートナーになるしかないが、パートナーには同期入所組の5人に1人しか慣れないと思われ、近年では最短でもパートナーになるのに10年位はかかるようである。

しかし、年収2000万円であればアソシエイトで到達可能なので、その確度は高い。もっとも、強烈な激務であるのは外銀・外コンと同様である。

5. まとめ

以上を前提に考えると、年収2000万円到達の速度についてみると、

外銀>≒渉外弁護士>外コン>商社

といった順であろうか?

他方、年収2000万円到達の確度についてみると、

渉外弁護士>商社>外銀>外コン

というイメージだろうか。
なお、速度と確度以外に、ワークライフ・バランスというファクターがあるが、それについては断然商社が恵まれているだろう。
商社はバランス的に好条件であり、学生から人気なのも十分理解できる。

なお、最後にこれを言ってしまうと元も子も無いが、上記以外に、年収2000万円に最速・確実に到達できる職業がある。

それは、美容外科医である。美容外科医の場合、未経験でも年収2000~2200万円スタートの求人は普通にある。未経験・初任給で2000万円越えなので、これが間違いなく最速・確実である。医学部が異常に難化しているのも、医師免許の価値が如何に高いかということだ。

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