1. 早稲田大学スポーツ科学部の進路
早稲田大学スポーツ科学部は、早稲田の中ではかなり生徒数が少ない学部で、2021年度の卒業生数は378名である。
そして、文系学部にしては進学者数が多く、38名が進学する。
就職者数は311名であった(2021年度)。
<早稲田大学の進路と就職:早稲田大学公式HPより>
https://www.waseda.jp/inst/career/assets/uploads/2022/06/2021careerdata.pdf
2. 早稲田大学スポーツ科学部の主な就職先
早稲田大学スポーツ科学部の就職者数は311名と、非常に少なく、就職先も分散している。
ここでは、以下の表のとおり、就職者数が2名以上の企業について抽出した。
就職者数 | 企業名 |
10人 | 東京海上日動火災 |
6人 | 楽天グループ |
4人 | サントリー |
2人 | NTTデータ、三井住友銀行、ベイカレントコンサルティング、三菱電機、NTTドコモ、ソフトバンク、大和証券、キーエンス、みずほFG、NHK、リクルート、野村證券、千葉銀行、本田技研工業、電通、ニトリ、レバレジーズ、第一生命、デンソー、住友生命、日本通運、博報堂DYメディアパートナーズ、コスモスイニシア、FUNDBOOK |
(出所:早稲田大学公式HPを基に外資系キャリア研究所集計)
3. 早稲田大学スポーツ科学部の就職先の特徴
①大手金融機関が多い
スポ科の場合、大手金融機関が多いのが特徴である。
東京海上日動火災の10名は多過ぎる気がするが、三井住友銀行、みずほFG、第一生命、三菱UFJ銀行、明治安田生命、野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三井住友信託銀行、三井住友海上火災、千葉銀行等、銀行、証券、生保、損保と非常に多くの金融機関に就職実績がある。
②総合コンサルが非常に少ない
早慶、MARCH等、東京の有力校では総合コンサルの人気が非常に高く、就職者数も多い。しかし、スポ科の場合は例外的で総合コンサルへの就職者はほとんど見られない。ベイカレントコンサルティングには2名就職しているが、アクセンチュア、アビーム、PwC、デロイト、EY等は他学部では多いが、スポ科ではゼロである。
③ITやメーカーも多い
スポ科の場合、比較的多くの業種に就職者が分散している。
ITについては、楽天グループに6人、NTTデータ、NTTドコモ、ソフトバンク、レバレジーズに2名ずつ就職している。また、他には、富士通、NEC、サイバーエージェント等においても実績がある。
メーカーについては、サントリーの4人が目立つが、三菱電機、キーエンス、ホンダ、デンソー、ユニクロ、味の素、P&Gジャパン等に就職している。
④商社その他について
国内系企業で最も人気が高いと思われる5大商社であるが、ここはあまり強くないようだ。
5大商社の合計は1名のみである。(ただ、その1名が三菱商事である。)。なお、双日、
他の業界では、電通2名、博報堂DYメディアパートナーズが2名、NHK2名、日本総合研究所1名といった実績がある。
4. 早稲田の他学部との比較
就職者数がわずか311名と非常に少ない点を踏まえると、全般的に就職状況は良好で、政治経済学部や国際教養学部には適わないかも知れないが、他の学部と比較すると、特に遜色は無いのではないだろうか。
もちろん、非常に強力な体育会の力を利用できる学生もいるのだろうが、非常に幅広い業界において就職実績があるし、就職者数は少ないものの、三菱商事、電通、P&G、NHK、日本総合研究所、キーエンスといった難関企業でも実績を出しているので就職は悪くないと言えるだろう。
全般的に見て、従来のイメージ以上に、スポ科の就職状況は良好と言えるのではないだろうか?