日清食品に対する東大、京大の就活生の評価と年収の影響

何故、トップ校の学生から人気が無いのか?

カップヌードルにきつねどん兵衛。ユニークなCMでお馴染みの日清食品である。B to C系で知名度が高い食品系の優良企業、例えば、キリン、サントリー、
味の素などは就職人気ランキングの上位にランクされている。

しかし、東大生や京大生からはあまり人気がなさそうだ。

https://www.onecareer.jp/articles/1455

外銀・外コン・総合商社が上位にランクされる中、P&G、ネスレ、ロレアル、ユニリーバといった外資系消費財メーカーや、サントリー、キリン、味の素はランクインしているが、日清食品は見当たらない。

日清食品は、「ブランド・クリエーションコース」というマーケティングの専門職をわざわざコース別で採用してくれるにもかかわらず、何故人気がでないのだろうか?

1. 年収1000万という高いハードル

実は、私の元同僚の父親が日清食品に勤めていた。日清食品は同族系の優良企業であるため、本部長・執行役員クラスを外部から中途採用をしていたりする。
したがって、それなりの高給の会社かと思っていたので、元同僚に、「日清だと、イケてる担当部長クラスだと1500万円くらいもらえるのでは?」と聞いてみた。

すると、「1500万円なんて、とんでもない。日清の場合、そもそも、1000万円というのがどれだけ大変か。大台に乗るのは、課長以降で、しかも、金融のように30代で課長になるのは難しく、せいぜい40歳を過ぎてから。」ということである。

20代で600万円代、30代の係長で800万円位が基本線ということである。要するに、総合商社の半分以下位である。また、同じ食品メーカーでも、サントリーや味の素と比べると、せいぜい7掛けとか8掛け位ということである。

要するに、他にも選べる立場である東大生からすると、企業の知名度やイメージは悪くないし、職種もマーケティング職を選択できるのでいいんだけど、やっぱり給料的にちょっと厳しいというところであろうか?

2. 本部長、執行役員クラスの上級管理職は中途採用?

日清食品は同族企業であるので、生え抜き至上主義ではなく、本部長・執行役員レベルの上級管理職については、社外から中途採用で引っ張ってくることがしばしばあるそうだ。

私の知っている事例だと、外コンのマネージャークラスでマーケティングに詳しい人材を中途採用した実績がある。

それ自体は悪いことでは無いのだが、生え抜き社員からすると、あまり面白くないようだ。自分たちが、20年以上働いて、ようやく課長で1000万円という状況下、見ず知らずの人が、いきなり、執行役員で1800万円プラスアルファで入ってくるというのは、モチベーション減退要因になるとのことだ。

要するに、生え抜きからすると、給与水準はメーカーの中では悪くはないが、
特別いいという程ではなく、生え抜きが出世の上で有利とも限らないとなると、
待遇的にはそれほど満足度は高くならないということだろうか。

3. 転職力は高まるか?

同族企業であり、中途採用での入社組も少なくないのだが、基本的には年功序列が強く、若いうちはなかなか責任あるポジションに就きにくい。

もっとも、マーケティング職の場合は、手掛ける仕事のスケール感やユニークさから、社外からも相応のスキルを認めてもらいやすいという。

外銀・外コンのように、転職が激しい業界では無いのだが、マーケティングで相応の経験と実績を積むと、マーケティングスキルを活かした転職力を身に着けることは可能のようだ。

感想

マーケティング職(ブランド・クリエーションコース)を選択すると、仕事も面白そうだし、相応の転職力も高めることができそうだ。

しかし、年功序列で年収アップのペースは極めて遅いという問題点がある。やる気に満ちた、若手からは不満の残るところであろう。

結局、トップ校の場合は、若いうちから活躍したいし、年収もそれなりに欲しいという学生が主流のようなので、なかなかここを選択するのは難しいのかも知れない。

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