リンクアンドモチベーションと、中途採用でのポジションについて

1. リンクアンドモチベーションとは?

リンクアンドモチベーションとは、リクルート出身の小笹芳央氏によって2000年に設立されたベンチャー企業で、「モチベーション」を切り口に、人事関連のコンサルティング・サービスを提供している。

2007年には東京証券取引所第二部に上場し(現在は一部)、2018年12月26日時点での株価時価総額は約900億円である。

そして、2018年9月20日に、ヴォーカーズとの資本業務提携による契約が完了した。(リンクアンドモチベーションの出資比率は20%で、ヴォーカーズは持ち分法適用関連会社となる。)※ヴォーカーズは各社社員による口コミ転職情報サイト「Vorkers」を運営している会社である。

2. 中途採用の募集中のポジション

現在は、Webエンジニア、コンサルタント、企画室スタッフを募集している。(2018年12月26日現在)

このうち、今回ターゲットとしているポジションは、コンサルタント或いは企画室スタッフである。

https://www.lmi.ne.jp/recruiting/midcareer/index.html

3. 何故、リンクアンドモチベーションのポジションが狙い目か?

リンクアンドモチベーションに中途採用で転職する最大の狙いは、人的資源マネジメント(HRM:Human Resource Management)の有用なスキルを身に付け、
それによって、将来、ベンチャー企業の人事部門のキーパーソンとしてのポジションを狙えるようにすることである。

要するに、人的資源マネジメントのスペシャリストとしてのスキルを取得することによって、自らの転職力を高め、特に人事部門が重要であるにもかかわらず脆弱であることが多い、ベンチャー企業の人事に上のポジションで入ろうという狙いである。

ベンチャー企業は、「人」しか経営資源が無いので、本来であれば、大企業以上に、優秀な人材を獲得し(リソース・マネジメント)、その優秀な人材の才能を最大限に発揮させ(モチベーション・マネジメント)、そして、それらを維持継続できる組織を創造することが求められる(組織デザイン)。

そうすることによって、ベンチャー企業の戦略目標実現に向けて人材を動かすことができるのである。

しかし、好条件の提示がベンチャー企業には財政的に厳しいことから、本当の人事のプロを採用することは難しい。そして、実態は、あまり経験がない、採用事務を行うに過ぎないジュニア・スタッフの集団となっていることが多い。

もちろん、それでは、継続的なベンチャー企業の成長は不可能であって、特に、一旦上場してしまうとストック・オプションによる経済的な動機付けは難しくなり、また、新鮮味も徐々に失われてくるので、上場ゴールになってしまうベンチャー企業は少なくない。

このような環境下、リンクアンドモチベーションの名前はベンチャー経営者の間でも知名度が高く、技能的にもそこで、しっかりとしたスキルを修得したのであれば、転職のチャンスは大いに拡がるだろう。

また、今後はHRテックという手法が徐々に大企業にも拡がっていくと予想される中、自ら人的資源管理関連のビジネスを起ち上げるという選択肢も出てくるだろう。

このように、リンクアンドモチベーションでしっかりとした「モチベーションエンジニアリング」を身に着けることは、自らの転職力を高めることに他ならず、若手社員にとっては魅力は大きいだろう。

4. 留意事項

留意事項についてであるが、まず、この会社は給与水準はそれほど高くない。給与水準と人的資源管理のスキル獲得という点では、リクルートも選択肢となり得る。しかし、給与面においてはリクルートの方が明らかにより。

もっとも、リンクアンドモチベーションの場合には、ニッチなモチベーションに関するスキルを習得できるというメリットがあり、その点を踏まえた上で選択をすることとなる。

また、他の留意点としては、個人開発Divisionという組織があり、PCスキルや資格取得支援などを個人に対して提供している。このDivisionの戦略的意義はよくわからないが、付加価値が高いのはモチベーションマネジメントに関するスキルであり、個人開発Divisionに配属されると、思っていたのとは異なる仕事しかできないリスクがある。

最後に

AIによって人々の仕事が奪われていくという煽りがある反面、事業創造能力やグローバルに活躍できる能力を有する人材は明らかに不足している。

今後、AIに関して、HRテックという領域が稼働し始め、それを何らかの形で人事システムに取り込んでいく企業が増えていくだろう。日本の場合、周りの目を気にするので、業界のリーダー的企業がHRテックを導入すると、他に追随され、一気にトレンド化する可能性はある。

このように、人的資源管理に関するビジネスは、今後の成長が見込めHRMに関するしっかりとしたスキルを持っていれば活躍の機会は相当広いだろう。

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