年収1000万?熾烈な「新卒IT人材」争奪戦の環境下、学生が考えておきたいこと

1. 金融やメーカーも参入し、新卒IT人材を巡る競争は激化

https://toyokeizai.net/articles/-/270485

AI、デジタルフォーメーションという環境下、IT業界は当然として、金融業界やメーカーなども、ITエンジニアを求めて新卒採用を強化している。

自動車業界ではIoT対応、金融業界ではフィンテック対応、製薬業界では、臨床データの分析対応といったニーズが存在し、ITエンジニアに対する需要が高まっているという背景がある。

そうなると、新卒採用の条件も跳ね上がり、上の東洋経済によると、「年俸600万円~1000万円」「最低年俸720万円」「固定年俸528万円から。加えて年2回のインセンティブなどあり」という好条件のポジションが出てきているようだ。

ITエンジニアというのは、日本の将来における産業の成長のために不可欠な存在であり、それを専門とする学生が評価されるというのは悪い話では無いだろう。

2. 学生は目先の好条件に囚われず、長期的な視野でキャリアを考えるべき?

このような好条件に飛びつきたいという、ITエンジニア系の学生はいるかも知れないが、その中でも優秀層であればもっともっと上を狙えるために、もう少し幅広くキャリアプランを考えてもいいのではないだろうか?

例えば、以下の様な選択肢もある。

①総合商社

総合商社はどんなビジネスでも取り込めるという独自のビジネスモデルが強みであるが、IT分野は苦手である。実際、GAFAのような企業への投資等においては儲け損なっている。

ITエンジニアの専門職社員が今でも不足しているため、新卒でそういった学生を採用しようというニーズはあるはずだ。

上記の年俸600~1000万円、最低年俸720万円を提示している企業はいずれもネット系企業である。目先の年収は高くても、そこから順調に伸びるかどうかはわからない。

これに対して、総合商社の場合は、昇給ペースは速いし、退職金、年金といったベネフィットも手厚い。

生涯賃金ベースで見ると、ベンチャー企業よりも高いはずなので、こういったところを選択肢として検討しても良いだろう。

②外銀・外コン

ITエンジニア職という、現在勉強しているジャンルからは逸れるかも知れないが、上昇志向が強く、語学が堪能なIT分野が専門の学生はここを狙うのもありだろう。

外銀の場合だと、IT職でも30歳で年収2000万円超は十分に可能だ。外コンの場合だと、年収面だと外銀に劣るが、外コンを経て外資系事業会社や国内系事業会社の幹部社員のポジションに就くというキャリアが考えられる。

もっとも、これは合う合わないがあるだろうから、ここを目指すIT系を専攻している学生で、外銀・外コンを目指すのはそれ程多くは無いかも知れないが…。

③ベンチャー起業

更に上を求めて、二桁億以上を目指したいという、ambitiousな学生は、自ら起業を目指すという手もある。

典型的な成功例はPAKSHA TECHNOLOGYだろう。株価時価総額は現在でも1000億円を超えている(平成31年3月12日現在)。

もちろん、いきなり起業というのは、ITエンジニア分野以外にいろいろなスキルが必要となるので、思い付きでこちらに踏み切れる学生は多くないかも知れない。

しかし、上記②のように、一旦コンサルティング・ファームに入って経営スキルを学んで自信を付けたり、人脈を作ってから、改めて起業を目指すというのはアリだろう。

④スーパーフリーランスとして受託開発で稼ぐという途

ITエンジニアの場合には、自分の専門分野以外に興味無いし、やりたくないというタイプの人は少なくないだろう。

そういった場合、起業なんて面倒臭いし、外銀・外コンも興味ない、ということになるだろう。

しかし、そういった場合でも、企業に就職するだけでなく、スーパーフリーランスとして受託開発業務で稼ぐという途も残されている。

自分で仕事を取るため営業をすることはやりたくないが、営業が得意でネットワークのある人と組めば、一定のフィーは取られてしまうが、結構な金額を稼ぐことが可能である。

ハイスペックで腕のあるITエンジニアの場合、月収1000万円(年収ではない)という事例もあるようだ。

まとめ

日本でもITエンジニアの数は大幅に不足しているという。日本の産業界にとって重要なITエンジニアの待遇が改善され、それを目指す若者が増えるというのは嬉しい話だ。

そのような優秀なITエンジニアが稼げる方法はいくつも出てきているようなので、大成功して、若手や学生の刺激になれば尚良しであろう。

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