大正製薬のリストラについて。高収益企業でも将来はわからないので、転職力を高めることが重要に。

https://toyokeizai.net/articles/-/236810?page=2

本日、各種メディアで一斉に取り上げられたのがこの話題。
国内大手の製薬会社である大正製薬が、40歳以上の社員を対象に早期退職を募集したところ母集団3000人の内、1/3に該当する約1000人の応募があったという。
それでは、40歳以上の対象社員は、この早期退職に応募した方がいいのだろうか?

結論的には、転職に自信がある人以外は応募しない方がいいだろう。
今回の対象は40歳以上ということであるが、その中でも50歳以上の場合には、特に応募すべきでないだろう。

一口に40歳以上といっても、40代と50代とでは大きな違いがあり、50歳を超えての転職は至難の業だ。だから、嫌がらせをされるかも知れないが、粘れるだけ粘るのが得策だ。

記事によると、退職金の平均的な上乗せ額は1290万円とあるが、それでは全然足りない。例えば、大正製薬の場合は50歳だと1000万円はあるだろうから、そういった人が転職をした場合は見つかっても500万円にも満たないことが考えらえる。

そうであれば、1500万円割増をもらったとしても単純計算で3年で損をしてしまうからだ。

早期退職制度の場合には、会社の方で裏リストのようなものがあって、早期退職制度に手を挙げなくても、会社からプレッシャーがかかり退職の方に向けて嫌がらせをすることが考えられる。そのような場合には、弁護士に相談して、少しでもいい条件を勝ち取れるよう粘るべきだ。

40代の場合にも、年俸水準を維持することを前提に転職先を見つけることは容易ではない。製薬会社の場合には、外資系企業が多いので、他の業界と比べると転職先はあるのかも知れない。しかし、英語力は今更鍛えることができないし、トップ営業マンや一部の専門職の人以外、外資系に行くのはそう簡単では無いだろう。

他の業界に好条件で行くのは更に厳しいだろう。製薬会社は規制業種であるので、他業種においては今まで培った業務経験が役に立たないことも多いだろう。
また、インターネット系ベンチャーも、日本の場合バイオ系のベンチャーというのは強くないので、転職機会に乏しい。

このような動きは、今後も他業界でも見られるかもしれない。40歳以上になった場合の転職力をこれからは高めておく必要があろう。

このニュースをネット系のメディアが取り上げているのは、利益が十分上がっているにも関わらず大規模なリストラを打ち出すということがショッキングな事象であると考えたからだろう。

利益の金額はそこそこでていても、長期的に収益が減退しているからリストラに踏み切ったようであるが、それだと、他にも当てはまる企業は山ほどあるし、利益が出ない或いは赤字に陥った企業の場合、こういったリストラは他人事ではない。

日本の場合、特に40歳以上の転職は難しいが、いざという時に備えて、若いうちからコツコツと転職力を高めておくべきだ。

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