東大や慶応の就活生が外銀(IBD、トレーディング他)から内定を取るために知っておきたいこと

1. 東大や慶応などのトップ学生が集中するため外銀の内定は難しい

外銀は外コンと並んで、就活における最難関企業である。
また、外銀には最優秀層が集まるということを他の企業も知っているので、総合商社は外銀の内定持ちを別枠で採用するとも言われている。

しかし、外銀の採用者数は少なく、全社合わせても数百人というレベルであり、東大や慶応等、トップ校の多くの学生が殺到するため内定をもらうのは至難の業である。

そして、試験や知識といった面だけでなく、面接、GD等も選考基準になるので、結局は、好き・嫌いで決めるというところもあり、必勝法というのはなかなか見出しがたい。

とはいえ、必要な対応策をキッチリとっていると、最終的に内定をもらえる確率を高めることは可能であるので、以下のような準備はしっかりとしておきたいところである。

2. 最低限準備しておかなければならない事項

①英語力

銀を受けるのであるから、英語力は必須である。
総合商社の場合は英語力が求められても、英語での面接を受けさせられるリスクは無いが、外銀の場合には英語での面接を受けなければならない場合がある。

そうなると、TOEICの点数を取るよりも高度な英語力が必要になるので、尚更、英語はきっちりとした準備をしておきたい。

TOEICでいうと900以上が望ましいが、最低限860は取っておきたいところだ。

昔は英語が入社時においては少々弱くても採用してもらえたケースもあるが、
今は昔よりも競争が厳しくなっているため、英語が弱いとかなり見劣りすることとなる。

②基本的な志望部門に対する専門知識・スキル

外銀の場合は、ジョブと呼ばれるグループワークを通じて採用選考がなされるので、自分の志望部門に対する基本的な知識とスキルを準備しておく必要がある。

基本的には、マーケット分析や企業分析ということになるので、証券アナリスト試験(CMA)を1次試験レベル(3科目)を取っておくのがおすすめだ。
試験は比較的簡単だし、費用もかからない。
また、国内系金融機関の専門職や総合商社の採用においても流用できるので、汎用性が高く、無駄にはならない。

③志望部門に対する興味、金融に関する時事情報の取得

自分が志望する部門については、常日頃から新聞、経済誌、ネット情報等で関連情報へのアンテナを高くしておくことが重要だ。

例えば、IBD志望の場合には、「ここ最近、気になったM&Aのディールを10個あげろ。」と面接で聞かれた場合、日ごろから意識的に情報収集しておかないと、その場で終了してしまう。

また、トレーディング等のマーケット部門を志望するのに、
「今年の日経平均株価の高値と安値について、君の相場観を聞かせてくれ」
と聞かれた場合、常日頃からマーケットをウォッチしていないと太刀打ちできない。

3. 内定の確率を高めるために、他の学生に差別化するための方策

上記2は、いわば、外銀への応募が「冷やかし」とか「記念受験」とか言われないための最低限の条件であろう。
とはいえ、母集団が東大、一橋、早稲田、慶応以上と想定しても、上記2の要件を全て充足できる学生は2割に満たないのではないだろうか?

それでも、そこから勝ち残るのが大変なので、以下のような他の学生に差別化できるためのスキルを磨きたいところだ。

①自分がその分野に本当に詳しいか、或いは好きといえるか?

外銀の新卒採用においては、専門知識の優劣で決めるわけではなく、「一緒に働きたいかどうか」という切り口で決めるのである。
このため、協調性、周りに対する気遣いといったソフトスキルが結構重要になってくるのだ。

要するに、周りのライバルを蹴散らしてやろうというマインドでは落とされてしまうわけで、心のゆとりが必要となる。

そういった心の余裕を持てるためには、ジョブの課題をこなすのに四苦八苦していてはダメであり、余裕が欲しい。

となると、自分のやりたい分野は徹底的に学習しておいて、誰にも負けないという自信を持っておきたい。

例えば、先ほどの「気になったM&Aのディールを10個言え」であれば、待ってましたとばかりに、紙無しで、延々とM&Aのディールを話し続けるような深い学習と興味を持つことが必要であろう。

日経平均の予想に関する質問も同様で、トレーダーを目指すのであれば、株でもFXでも仮想通貨でも何でもいいが、少額でもいいので自ら投資をしてマーケットを見続けておくことが必要だ。

それぐらいやっておくと、ジョブでも心の余裕が生まれ、好印象を採用者に
与えることができるのである。

②プレゼンテーション能力

学生の場合、知識や専門性で他の学生に差別化したいという気持ちがあるかも知れないが、実は、差がつくのはプレゼンテーション能力である。ジョブでは専門知識の差よりも、プレゼンテーション能力の差が如実に表れるので要注意だ。

国内系証券会社の場合でも、IBDとかリサーチ部門に配属されると、このプレゼンテーション能力について結構厳しく指導される。

それは別に特に難しい話ではなく、結論⇒理由①、理由②、…、というそれだけの話なのであるが、練習しないと意外にできなかったりするものである。

従って、ベンチャー系でも他の外資でも何でもいいので、十分な実践を積んでおくことが必要だ。

③秘密兵器:IT、SNS、ベンチャー起業

これは、大学入学後の早いうちから準備しないと間に合わないかも知れないが、インターネット、ベンチャー起業系のスキル・実績がある学生は光る存在である。

実は、ハイスペックな外銀の弱点は、インターネット、ベンチャー起業周りである。

何故なら、外銀に限らず金融機関はどこも社員の副業には厳格であり、ブログ、ツィッター、YouTubeといったSNS系の情報発信は顧客情報保護とか法人関係情報管理の観点から極めて厳格であり、現役の社員はやっていない。

また、日本の場合はインターネット系の企業は、米国や中国と比べて小粒であり、伝統的にIBDの重点対応産業ではない。
このため、インターネット系企業や、起業についてはあまり強くないのだ。

だから、個人ブログでアフィリエイトによって月10万円稼いだとか、小さいネット企業をして売却したという実績があれば、結構刺さるエピソードになるのだ。

4. 外銀全落ちに備えてバックアッププランを十分練っておくこと

上記3のような一歩踏み込んだ十分な準備ができれば、どこかしら外銀から内定を得られる可能性は高まるだろう。

とはいえ、極めて狭き門ではあるし、面接の場合には面接官との相性や好き・嫌いといった「運」の要素はあるので、いくら優秀でも外銀を全落ちしてしまうリスクはある。

そこで、最悪の場合に備えて、十分なバックアッププランを事前に練っておきたい。

おススメとしては、国内系の運用会社である。
別にファンドマネージャー専門職コースでなくとも構わない。
30歳くらいで外資系アセットマネジメント会社に転職すれば、年収2000万円くらいは普通に実現できるからである。

外銀落ちの場合の、次善策は国内系証券会社のIBDかGMというのが定番であろうが、それらも十分に狭き門であるので、とても滑り止めにはならない。
このため、いろいろな選択肢を用意し、最終的にメガバンクになってしまった
ということがないようにしておきたい。

良く練れたバックアッププランを用意し、プレッシャーがかからない状態で外銀に臨めるようにしたい。

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