上智大学法学部国際関係法学科の就職と、人気の「国際系」学部を選択する際の留意点

1. 上智大学法学部国際関係法学科はかつては最難関学部(学科)であったが…

①現状でも十分に最難関私大の1つではあるが…

上智大学法学部国際関係法学科は、現在でも上智大学の法律学科や経済学部と
並んで偏差値65位で、最難関私大の1つとなっている。
定員が100名という少人数制の学科であり、男女比はほぼ五分五分である。

②かつては、本当のトップ学科であった

現在、上智大学の中での偏差値トップは外国語学部の英語学科であり、
国際関係法学科は既に最難関学科ではなくなっている。

しかし、80年代から90年代にかけては、上智の中でトップは当然として、
早稲田大学政治経済学部と慶應大学経済学部と並んで、全私大(文系)
の中で、最難関学科であった。

今は「国際系」の学部・学科が流行であるが、国際関係法学科の歴史は古く
1980年代に設置されていた。

超難関学科であるため、上智の学内でも一目置かれる存在であった。

ところ、いつの間にか、21世紀になるとトップの座から凋落していたようだ。
確かに、国際系学部がブームであるにもかかわらず、国際関係法学科の
存在感があまり無い気がするのは、難易度が相対的に低下したからかも
知れない。

2. 上智大学法学部国際関係法学科の就職について

 

①就職に関する情報

上智大学法学部国際関係法学科の就職状況については、大学がHPで
全開示をしてくれている。
1学年100人、就職者数82名なので、1名でも就職した企業・官公庁については
全て開示がなされている。
国際関係法学科の就職実績・進学先 | 学生生活と進路 | 上智大学法学部

2名以上の就職先企業は3社しかない。
三菱UFJ銀行(3名)
日立製作所(2名)
損保ジャパン日本興亜(2名)

他はずらりと、1名の会社・官公庁が並ぶ。

恣意的になるが、就職者が1名の会社で特徴がありそうなところを抽出すると
以下のようになる。

マッキャンエリクソン
読売新聞社
freee
アビームコンサルティング
ジョンソン・エンド・ジョンソン
デロイトトーマツコンサルティング
プライスウォーターハウスクーパーズ
外務省
楽天
双日
日本IBM

②上智大学法学部国際関係法学科の就職力を考える

上記で引用した企業に加え、それ以外の企業についても基本的に大手企業で
あり、全体としてはそれなりに良好だと言えるだろう。

しかし、かつての最難関学科としては、少しインパクトが欠ける気が
しないだろうか?

そう思える原因は、いわゆる就職偏差値・就職人気ランキングのトップ業界
である、外銀・外コン・総合商社で実績が見られず、また、
キー局、電通・博報堂といったマスコミ関係、或いは、デベロッパー
(三井不動産、三菱地所)、政府系金融機関、その他外資系事業会社への
就職実績が見えないからである。
③問題は、就職における「戦略」が見えないこと?
もちろん、就職偏差値・就職難易度が高い企業にばかり学生を誘導する
ことばかりが能ではない。
その学部(学科)に見合った方向性、戦略性があればいいだろう。

しかし、上智大学法学部国際関係法学科の場合、そういった「個性」
「らしさ」というのがはっきりしない。

例えば、キー局・電博以外でもマスコミ(新聞社、出版社等)関係が多いとか、
外資系企業(IT、消費財メーカー等)が多いとか、ベンチャー・起業が
多いと言った方向性が見られれば良いが、そういったものが見えない。

④ライバル校である早稲田、慶應は就職に強い

この点、慶應大学法学部については、就職が強い。

また、歴史は比較的新しいが、同じ国際系の学部である、
早稲田大学国際教養学部も就職は強い。

「就職は人それぞれ」「学生が満足できればそれでいい」というと
確かにタテマエ的にはその通りかもしれない。

しかし、受験生はシビアに就職力を見るようになっているし、
経団連の就活ルール廃止に伴い就活が早期化するため、高校生の
就職力に対する関心度が高まっていくのではないだろうか。

そうだとすると、ライバル校と比べて就活力で劣後するということは、
人気が低下(偏差値・学力低下)し、そうなると、就職力にネガティブに
響いてくる。そうなると、負のスパイラルが生じ、学部(学科)自体の
力が弱まっていくことが懸念される。

やはり、トップの学部(学科)としての地位をキープしようとすれば、
学校としても就職力を意識し対策を講ずべきではないだろうか。
3. 人気の「国際系」学部を選択する際の留意点
国際系の学部は人気が高く、難易度も高い。
私立大学の「国際系」学部設置の戦略は、概して、今のところ成功している
と言えるのではないだろうか?

しかし、受験生からすると、留意しなければならいのは「国際」と
名が付くと、必ずしも就活力もそれと連動して高いとは限らない
ことである。

学生にとっては、入学時よりも卒業時が重要であるので、
従来の看板学部にするか、国際系の学部を選択するか、自分の
将来の希望を踏まえた上で、判断する必要がある。

例えば、中央大学の場合、2019/4から国際系の学部が始動するが、
受験生としては、看板学部である法学部と国際系学部を
比較する場合、偏差値やイメージだけでなく、就職力を十分に
吟味する必要がある。

また、受験生としては、学部レベルの偏差値は長期的には
変動する可能性があることにも留意し、偏差値だけで学部選択を
判断しない方が良い。

典型的なのが、慶應大学法学部と慶應大学経済学部である。
今、40代以上の人は、慶應の最難関で看板学部というと「経済学部」
と考えるが、どうやら今では、法学部が看板学部のようである。

また、昔は慶応の経済学部と商学部との間にかなりのステイタス、
就職力に差があったように思われるが、今では随分と縮まっている
ようである。

いずれにせよ、受験生は偏差値だけでなく就職力や自分の将来の
キャリアを考えた上で学部を選択すべきだろう。
最後に
大学側とすれば、高い偏差値や人気を維持しようと思えば、それに見合った
就活力を備えるように努力すべきであろう。

この点、青山学院大学の国際政治経済学部が昔ほどは存在感が無いところが
きになるところである。

また、最近偏差値が上昇し、教育内容で脚光を浴びている
立教大学経営学部も更に上を狙うならば、就活力を磨く必要があるだろう。

いきなり、外銀・外コン・総合商社への就職者を増やすことは難しい
だろうが、「外資系」「ベンチャー・起業」「メディア」といった
独自の強みを作ることから始めてみればいいのではないだろうか。

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