東大、一橋、早稲田、慶応の就活生の視点での、総合商社の序列

1. 総合商社は外銀・外コンと並ぶ最難関業種のはずだが…

総合商社は、今の就活生の間において、外銀・外コンと並ぶ、就職偏差値・就職難易度における最上位企業群であって、会社名を問わず、内定を取れれば十分に勝ち組だと考えられる。

しかし、偏差値主義教育に慣らされてきたのか、総合商社に多くの内定者を出す、東大、一橋、早稲田、慶応の学生の間では、総合商社といえどもどこも同じではなく、その中でも序列というか、ランキングのようなものが存在するという。

2. 総合商社の序列

東大の学生から聞いた話ではあるが、他の有力校でも大差は無いらしい。

別格、No.1 三菱商事
財閥系 三井物産、住友商事
五大商社 伊藤忠、丸紅
旧六大商社 双日
総合商社 豊田通商

①三菱商事

三菱商事はNo.1というか、別格扱いで、ここは総合商社の中でも特別な存在だという。

一橋の学生も「三菱商事はまず内定をもらえない」という認識だそうだ。

その理由としては、外銀・外コンの内定持ちの学生は、そのプライドからNo.1を選ぶということで、特に三菱商事にこだわるようで、外銀・外コン内定持ちの学生が就活戦線に加わることによって、難化しているのだという。

確かに、株価時価総額とか営業利益といった資本市場的な視点からの数値でも確かにNo.1なので、まあいいだろう。

もっとも、昔は三菱商事が今ほどダントツNo.1ということはなかったのだが。

②財閥系

三菱商事の次はというと、「財閥系」という切り口から、三井物産と住友商事が2番手グループだという。

昔は、商事と物産が2大商社というイメージもあったが、三井物産は少し三菱商事に差を付けられてしまったようだ。

東大、一橋の学生の間でも、「財閥系」の総合商社から内定をもらえれば「あいつ、よくやったな」と思われるそうである。

③五大商社

3番手グループは、伊藤忠、丸紅の非財閥系の五大商社ということである。

五大商社という切り口で、双日、豊田通商と線を引くという考え方は理解できる。

何故なら、五大商社とそれ以外とでは年収に大きな差があるからだ。

おそらく、五大商社と双日・豊田通商とでは、2~3割は年収の違いがあるだろう。

また、この点は東大からの就職者数という点でも表れている。

三菱商事 24
三井物産 14
住友商事 13
伊藤忠 15
丸紅 7
双日 3
豊田通商 0

(※週刊東洋経済 2018/11/17号を基に集計)

東大か双日への就職者数はグッと減って3人である。

豊田通商においてはゼロである。

これらのことからも、五大商社と双日・豊田通商との間には違いがあると言えそうだ。

④豊田通商

非五大商社の双日と豊田通商の間にも差が有りそうである。この2社は給与水準においては大きな違いは無い。

しかし、豊田通商の場合、名古屋色が強く、東大に限らず、京大や一橋からの就職者もいない(平成18年3月卒業生)。

従って、鈴木商店⇒日商岩井の流れを汲む、双日が序列においては豊田通商よりも上ということなのだろう。

3. 就職後、総合商社の序列に意味はあるか?

結論的には、五大商社の間では、それほど大きな差は無いはずだ。

少なくとも、就活生の視点から見た違いよりは差は小さいと言えるだろう。

他方、五大商社とそれ以外の総合商社との間には年収面において大きな違いがあるし、ネームバリューにも違いがあると言えるだろう。

それでは、五大商社について、どういった違いがあるか少し見ていきたい。

①年収面の違い

三菱商事の場合、初年度400万円スタートで、2年目には600万円、3年目には800万円と昇給し、5年目には1000万円に到達する。

30歳では1300~1500万円はあるだろう。そして、10年目のマネージャー昇格時点では1600~1800万円となり、最速で40歳くらいで到達できるグループ・リーダーに昇格すると、2000万円程度になり、確定申告の対象となってくる。

その上の部長に昇格できるのは同期入社の2割?もいないのだろうが、早いと47歳くらいで昇格し、年俸は2500万円位となる。

国内系企業では最高水準であり、東京海上、日本生命、野村證券といったトップ金融機関や、電通・博報堂あたりと比較しても、若い時(20代)の昇給ペースが速いのが特徴である。

しかし、30歳を過ぎたころから伸びは緩やかになり、とにかく2000万円までの道のりは長い。

外銀だと30歳で3000万円~なので、アップサイドは限られているのが特色でもある。

就活生の評価では、ダントツNo.1の三菱商事であるが、年収面においては2番手グループの三井物産や住友商事と大して変わらない。

住友商事などは若い時からの昇給ペースが速く、残業代やボーナスで左右はされるのだろうが、27歳で1200万円くらいの社員はいる。

しかし、三井物産も住友商事も30代で伸びが鈍化するのは共通で2000万円が遠く、40歳を待たなければならない。

伊藤忠・丸紅も似たり寄ったりで、若干、丸紅は三菱商事と比べると少ないかも知れない。

もっとも、商社の場合、海外赴任すると年収は約1.5倍~の世界なので、全く違ってくる。

五大商社の年収水準は気にする程の有意な差は無く、むしろ、海外赴任の有無、期間の方が大きなファクターとなるだろう。

②ビジネスクラスに乗れるかどうか

海外出張が多いビジネスマンにとっては、ビジネスクラスに乗れるかどうかは気になるところである。

北米や欧州はどこも当然ビジネスクラスであろうが、アジア路線だと会社によって差があるようだ。

この点、財閥系はどこでもビジネスクラスが使えるという話もあるが、それは、景気動向、収益動向、部長の対応によって異なるところがあるはずなので、過度に気にする必要は無いのではなかろうか?

外銀もリーマン前は全てビジネスクラスが当たり前であったが、今では収益状況、上司の方針等によって異なってくるようだ。

③転職力

中途採用の場合、特にポジションがシニアになればなるほど、会社のネームバリューよりも、職種・経験・現職のタイトルが重要になってくる。

特に、業界が変われば、よその業界の序列はあまり気にならないので、なおさら、大手五社の間のバリューの違いは生じないはずだ。

もっとも、それより重要なのは、総合商社の場合は、どこも転職力はあまり強くないということだ。

東大⇒三菱商事、GL、年収2000万円、42歳であっても、外銀・外コンはおろか、国内系金融機関ですら採用してはもらえない。

だからといって、ベンチャー系で活躍できるスキルや評価が得られるわけではない。

したがって、転職力については総合商社と言えど、どこも課題である。

まとめ

総合商社の就活生における序列はわからなくもないが、一旦就職すると、五大商社における差はそれ程ないだろう。

複数内定をもらった場合には、会社名による序列に囚われ過ぎることなく、自分のやりたい分野(資源なら三井物産、中国、B to C系なら伊藤忠など)

あるいは海外赴任の可能性等の実質面に注目した方が賢明であろう。

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