日本生命保険相互会社の年収、キャリア等について、就活の視点から考察してみた。

1. 日本生命保険相互会社の新卒採用

①新卒採用には4種類の形態がある

日本生命の新卒の採用形態は4種類ある。

総合職、営業総合職、エリア総合職、法人職域FCである。

総合職というのは昔からある総合職で、例えば、東大、早慶の学生が受けるとすると、この総合職がメインであると思われる。

エリア総合職というのは、いわゆる主として女性を対象とした一般職である。

営業総合職とは、営業職員のマネジメント業務を行う職掌である。

法人職域FC(ファイナンシャルコーディネーター)とは、法人・職域マーケットに特化したエリア限定の営業専門職である。

ここでは、このうち総合職に絞って考察したい。

②総合職の募集状況

総合職の募集人数は約150名程度であり、ここ5年間、安定的に150名前後で推移してきている。

総合職は、一部「スペシャリスト」という枠で、アクチュアリー、資産運用、IT戦略の3分野について、最初から業務内容が約束された専門職枠を設けている。

2. 日本生命保険相互会社の年収について

①新入社員、副主任、課長補佐の年収

日本生命の初任給は、学部卒の場合、211000円である。これに残業代とボーナスを加えて、1年目は大体400万円程度である。ここでは他の金融機関と大差はない。

2年目になると「副主任」というタイトルに事実上全員自動昇格できる。すると給与水準が少し上がり、550万円程度になる。

そして、5年目まで少しずつ上がり続け、5年目、副主任の最終年には年俸は約650~700万円になる。

6年目になると「課長補佐」にほぼ全員昇格でき、給与水準がグッと上がり、950万円くらいになる。現役、ストレートで入社した者は、20代のうちに約1000万円に到達できる。

もっとも、ここから先は長く、ワンランク上の課長になれるのは最速でも8年後の14年目になる。

しかし、それまでじわじわと年収は上がり続け、課長補佐の13年目で、1200万円になる。

②課長の年収

最速で14年目、通常は30代後半くらいに課長に昇格できる。他の金融機関と同様、課長に昇格できる年次は人によって異なり、普通は30代後半くらいであろうか。

課長になると、年収レンジは1400~1700万円程度である。そのワンランク上の部長になるのは難しく、課長で定年を迎える総合職社員は少なくない。

イメージ的には、40代で1600~1700万円位であろうか。

③部長の年収

順調に出世できると、40代半ばで部長に昇格できる。部長になると年収2000万円を超えてくる。

もっとも、昔は、日本生命の部長というと大したもので、年収2500万円位はあったのだが、メガバンク同様、このクラスは少し減らされたようだ。

以上のように、日本生命の年収水準は国内系企業の中ではトップクラスであり、メガバンクや東京海上以外の大手損保を若干上回ると思われる。

クビとかリストラをやらない会社・業界なので、リスクという点を勘案するとかなり魅力的である。

3. 日本生命保険におけるキャリア上の留意点

①そもそも非上場会社である

同じ金融機関の大手であるメガバンク、大手損保、野村證券、大和証券との相違点は、日本生命は相互会社であり株式会社では無いことである。

したがって、上場していない。

このため、株主によるチェック機能が働かず、経営者による会社経営が緩くなりがちというリスクがある。

②国内市場の縮小が危惧される

これは国内系金融機関や規制業種にも該当する問題点なのであるが、少子高齢化によって市場が縮小していくことが予想される。

生命保険会社の場合、海外で稼ぐのはローカル毎の規制や商慣行があるため難しく、だからといって安易なM&Aに走ると大きな特損要因となるリスクがある。

20年後には生保業界が無くなるということはないだろうが、給与水準が今より下がるリスクがあることは想定した方がいいかも知れない。

③転職スキルが身に付かない

これは、メガバンクや東京海上日動火災にも言えることだが、生命保険会社に長年いても、転職スキルは身に付きにくい。

生保の場合は損保と違って、アフラック、プルデンシャル、アクサ、NNグループ、メットライフ、マスミューチュアルなど結構の数の外資系生保はあるが、転職しても年収を維持することは難しい。

他方、マーケット関連部門にいたとしても競争力は高くなく、外銀や外資系運用会社に中途で転職することは難しい。

もちろん、ベンチャー系や事業会社に転職することも難しい。

このように、転職する必要は無いかも知れないが、将来年俸水準が下がったり昇格できなかった場合に、年収を維持する形で転職するのは難しい。

4. 日本生命保険相互会社に総合職で新卒採用すること

少子高齢化による国内経済の縮小とそれに伴う収益の悪化は、日本生命に限った話ではない。

これを過剰に気にしても仕方が無いので、終身雇用をベースに安定的に高収入を得たいという学生には、まだまだ悪くない選択肢かも知れない。

基本的に定年まで働ける会社だし、給与の面でもメガバンクよりいいので、メガバンクよりもおススメなのではないだろうか?

もっとも、将来に備えて、何らかの対応策を各自で考えておくべきだろう。

直接業務で必要なくてもいざとなれば外資も狙えるように英語力を磨いておくとか、副業緩和の動きを見据えて個人でのネットビジネスを勉強するというのある。

なお、例外的に転職力があるとすれば、子会社のニッセイアセット・マネジメントで運用関連の職に就くことである。

日本生命本体よりも、運用会社であるニッセイアセット・マネジメントの方が外資系運用会社に対する転職力は高い。

実際、外資系運用業界において、ニッセイアセット・マネジメント出身者は少なからず存在する。

今は昔と違って、スぺシャリストコースで「資産運用」を別採用してくれるので、東大や早慶等のトップ校の学生は、こちらを狙って見るのも手であろう。

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