序. BMWを買うのに相応しい年収は?
最近ではBMWはありふれた車になったかも知れないが、まだまだ憧れのクルマであることには違いない。20世紀においては、アウディやボルボあたりよりも格上のクルマで、ベンツと並ぶステータス性があった。BMWは若い人から人気があるので、年収がいくらぐらいになれば購入を考えてもいいのか気になるところである。
一般的には、車の購入価格は年収の1/3まで、いくら高くても半分までと言われている。もっとも、BMWの場合、1シリーズから8シリーズ、或いは、Mシリーズまで豊富なラインナップがある。1シリーズは300万円台であるので、残価設定ローンをフル活用すれば年収500万円でも買えなくもない。しかし、ある程度ゆとりがある買い方となると、年収1000万円が1つの目安になるのではないだろうか?
以下では、BMWのラインナップを確認し、その中でも車両価格が1000万円を超えるようなモデルについて、目安となる年収水準や、オーナーの職業における特徴等について見ていきたい。
1. BMWのラインナップ(ベンツとは異なる)
①3シリーズが主流
ベンツと並ぶドイツの大手高級車ブランドであるBMWであるが、もともとは比較的小型のスポーツカーを主流としていたこともあり、ラインナップはベンツのそれとは異なっている。
最近は、変わってきているようであるが(Cクラスが主流になりつつある)、ベンツというと、Eクラス、Sクラスの大型モデルが半分以上を占めていた。
他方、BMWは今でも圧倒的に3シリーズが主力である、半分以上は3シリーズのようだ。
②ベンツのEクラスと、BMWの5シリーズは違う?
ベンツのEクラスは大型化と、SUV人気等に押され、近年では人気が落ちてきているようだ。実用性にも面白みにも欠けるということで、CLSという同プラットフォームのスポーツクーペを販売しているのがその証左のようだ。
他方、BMWの5シリーズはまだまだ人気のようだ。
というのは、BMWの7シリーズというのがベンツのSクラスと比べるとマイナーな存在であり、3シリーズよりも上を買いたいという人は7シリーズという選択肢が無いため、5シリーズに流れるようだ。もちろん、BMWもSUV人気のため、X1、X3、X5あたりも売れているようだが、ステータス性から高級セダンに拘るファンもまだまだいる。
<BMW5シリーズ:公式サイトより>
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/5-series/sedan/2020/bmw-5-series-sedan-highlights.html
2. BMWの1000万円超モデルについて
①5シリーズは1000万円以内で購入可能
3シリーズには飽きた。或いは、年収、年齢が上昇し、もう少し上のモデルを買いたいというBMWファンには、5シリーズという選択肢がある。
そして、上述のように、BMWのラインナップの中では、7シリーズがマイナーなので、5シリーズというのはイケているモデルということである。
実際、大型化に伴い、全長は5m近く高級感もあるので、見栄え的には何の問題も無い。
しかし、5シリーズの場合は、諸費用を入れて800万円位で十分購入可能であり、1000万円も用意する必要は無さそうである。
②8シリーズはどうか?
5シリーズよりも上となると、8シリーズという2ドアクーペの最上位モデルがある。
しかし、こちらは諸費用込みだと2000万円位になってしまい、少々予算オーバー気味である。
同じ2000万円を出すのであれば、ポルシェカレラとか、フェラーリカリフォルニア(中古)の方が、リセールヴァリューが圧倒的に高いので、そこは考えてしまう。
③Mシリーズ(M2、M3、M4、M5、M6)
5シリーズよりも予算はある。しかし、8シリーズじゃ少々予算オーバーという場合には、Mシリーズがある。
ベンツでいうとAMGに相当するモデルだ。
これの3シリーズベースのM3、M4であれば、諸費用込みでも十分1500万円以内に収まる。
また、もう少しコンパクトでもいいというのであれば、M2が丁度1000万円位なので、こちらもおススメということだ。
3. BMWの高額モデルの購入者の年収と職業について
①法人は比較的少ない?
高級車というと、自営業の会社社長、或いは、医療法人化した開業医が法人名義で、ローンやリースを使って、節税目的も兼ねて経費で購入というパターンが想起される。
実際、ベンツのSクラス、マセラティ、ランボルギーニあたりは8割方が法人名義での購入という。
(マセラティについてはこちら)
https://career21.jp/2018-10-05-133410/
しかし、BMWのMシリーズあたりの購入者は、法人名義での購入割合はそこまで顕著では無いという。
もちろん、いることはいるが、半分弱位ではないかということだ。
この点は、同じスポーツカーという観点では、フェラーリ(但し、新車)と似ているなと思った。
(フェラーリについてはこちら)
https://career21.jp/2018-10-04-160210/
②ローン金利は1~2%が基準の様だが、中にはお得なキャンペーン金利があるのでこれが狙い目
購入方法として、ローンを併用する場合には、金利が気になるところである。
BMWの場合は、令和3年8月時点では、1.99%とか2.99%というような1-2%位の金利水準が基本線の様だが、販売促進も兼ねて0.99%とか0.40%というお得なキャンペーン金利が使えるチャンスがある。
このため、残価設定ローンで長期ローンを組めばかなり買いやすくなっている。。。
③職業について
職業については、上記の法人名義での購入割合にも関係するところが、日本の典型的な金持ち層である中小企業の社長、開業医に限定されないのがBMWオーナーの特徴の様だ。Mシリーズについては、結構サラリーマンの購入者も目立つという。(もちろん、外資系等、高収入のサラリーマンなのだろうが…)
実際、年収1500万円以上であれば、残価設定ローンと低金利を組み合わせると買うことは不可能ではない。
本来、1000万円以上のクルマを購入するのであれば、年収2000~3000万円は欲しいところだ。
しかし、クルマに掛ける年収の割合が高くてもいいというのであれば、年収2000万円未満でも物理的に購入は可能である。
BMWのMシリーズの購入者の特徴は、「とにかくクルマが好き」というタイプが多いそうなので、年収1000万円台でも頑張って購入している人が結構いるということのようだ。
④BMWの年齢層は比較的低い
ベンツのSクラス、マセラティ、ポルシェのカレラなどは、50代、60代が多く、年齢層は高めであるようだが、BMWのMシリーズの場合は、30代や40代も多く、年齢層は幅広いということだ。
やはり、クルマ好きが買うということで、頑張って若くで購入しようという人がいるのだろう。
⑤会社経営者の比率は、ベンツやポルシェよりも低い?
ベンツやポルシェのような高級車の場合、会社経営者や開業医のような自営業者が経費を利用して上手く購入する割合が多いという。ベンツとかマセラティになると約8割が法人名義である。ということは、サラリーマン層のオーナーの割合は非常に低いということだ。
ただ、BMWの場合、このあたりの事情は少し違っているようだ。もちろん、税金的にも、会社経費を利用して買うことが可能な会社経営者の方が有利な点はBMWも同じである。ただ、BMWの場合は、若手が頑張って購入するケースも多いようだ。
サラリーマンで年収2000万円はかなりハードルが高いが、1500万円であれば国内系企業でもチャンスはある。さらに、副業によって数百万円稼ぐことができれば、購入可能なサラリーマンは増える。したがって、若者は頑張って挑戦して欲しいものだ。
最後に
2019年末から2020年初頭にかけて、BMWジャパンがディーラーに過剰なノルマをかけていたことが発覚し、公正取引委員会も立ち入るような社会問題となった。5シリーズやMシリーズの様な高級車は、下取り価格がベンツやポルシェと比べて低く、値引きも大きいという噂もあった。
しかし、BMWはあのトヨタが協働するような信頼性の高い会社であり、ブランドや車の性能は高い。まだまだ魅力は十分にある高級車ブランドであるはずなので、今後の展開が期待される。