2020年、大学入試改革による英語外部試験の採用によって、将来を英語を話せる人が増えるか?

1. 2020年の大学入試改革と英語4技能の測定

2020年度(2021年1月)から、大学入学共通テストがセンター試験に代わって導入される。

その中で大きなインパクトがあると考えられているのが、英語4技能の重視に伴う、英語の民間資格・検討試験の併用である。

英語4技能とは、「読む」「聞く」だけではなく、「書く」「話す」も重視しましょうということで、TOEIC、TOEFL、英検などが、2023年までは大学入試センターが出題する問題と併用され、2024年以降は民間資格・検定試験に一本化されるというのだ。

2. 受験生は、TOEIC、TOEFL、英検などを強化せざるを得ない?

受験生には気の毒なのだが、移行措置の期間である2023年までは従来の試験とTOEIC、TOEFL等の民間試験とが併用されるので、結局両方の対策を立てなければならない。

従って、英語の民間試験にフォーカスするわけには行かない。

しかし、2024年以降は、英語は民間試験に一本化されるということなので、長期的には受験生はTOEICやTOEFLに重点を置いた学習をすることになることが予想される。

3. 今後、英語を話せるようになる日本人が増えるか?

確かに、従来の受験英語より、TOEIC、TOEFL、英検などの民間試験の方が実践的であり、これらで高い点数を取ることができれば、それだけ英会話力も高まるであろう。

しかし、受験生は英語を100%、これらの民間試験にフォーカスできるようになるとは限らない。

何故なら、国立大学の2次試験や、私立大学の試験で従来型の英語の出題が残れば、そちらの対策を立てざるを得ず、民間試験だけを強化するわけには行かないからである。

確かに、従来よりはTOEICやTOEFLのスコアが高い学生は増えるかも知れないが、英語を話せるというには、最低でもTOEIC800は無いと話にならない。

外資系企業で働くレベルであれば、TOEIC900超は必要である。

しかし、従来の非実用的な英語の難しい問題の対策をし続けなければならないのであれば、それと並行して、TOEIC800を取れる学生はほんのわずかであろう。

また、TOEICというのは一つの目安であって、英会話をできるように本気でなろうと思うと、実際に会話の練習をしなければ話にならない。

市販のDVDの教材だけを相手にしていても、英会話力は上達しない。

そもそも、既存の中学、高校の英語の先生の大半は、失礼ながら、英語はあまり話せそうにないから、学校で英会話力が身に付くようになるとは思えない。

また、塾や予備校でも、講師が学生のバイトである場合には、東大や早慶レベルの高学歴の講師であっても、その中で実際に英会話ができる学生はほんの一部であろう。

そうすると、結局英会話学校に通わないとならないわけだが、受験生は大学入試をまずは優先せざるを得ないので、民間試験の勉強と変更して英会話学校に通うというわけにはなかなか行かない。

また、英会話学校は結構高いので、塾や予備校に通わないことを考えると、経済的な負担も大きい。

さらに、大学入学時点でTOEIC800位をとれていたとしても、それぐらいのレベルであれば、学生時代に英語の学習を続けないと、就活時にはすっかり英語力は減退し、TOEIC400~500という今の大半の学生と変わらないレベルに下がってしまうだろう。

4. 歴史は繰り返す。「これからの時代は、英語位できないと話にならない」

今、40代、50代の方も、小学生くらいの時に、先生から、「これからの時代は、英語くらいできないと話にならない。」と言われなかっただろうか?(なお、そういう先生方は英語を話せないのであるが…)

英語に対する教育も、「英会話力」重視といいつつ、いろいろな指導要領の変更を行ってきたが、日本人の英語を話せる人の割合が、ここ数十年で高まったとは思われない。

5. 変化があるとすれば就活で英語力を求める企業が増えることか?

別に英語を話せる日本人の割合が低いままであっても、実際、大して困らない。英語を話せなくても全く困らないし、英語ができたところで、直ちに恩恵を受けるわけではないからだ。

もっとも、英語力をつけたいと思う学生が増える機会があるとすれば、就活で英語力を求める企業が増えることであろう。

実際、学生に人気の外銀・外コン・総合商社では英語力が求められるし、外資系企業が全般的に人気が高いので、意識の高い学生の英語が話せる割合に限っては、昔よりは高まったかも知れない。

今後少子高齢化による国内市場の縮小は避けられず、そうなると、グローバルで稼ぐしかなくなってくる。

このため、今後ビジネス界で勝ち残るには英語が出来た方が、従来よりは有利になると予想されるから、その分は英語を話せる人は増えるかも知れない。

6. 大学入試に加え、就活までも考えると一気にTOEIC900レベルまで狙うのもアリ

就活では英語ができると有利であることは言えるだろう。

そうであれば、中途半端にTOEICやTOEFL対策をやるのではなく、就活までを見据えて、思い切ったハイスコアを目指す戦略という手もある。

英語は小学校から科目化されるので、この段階からハードな学習を開始するというのも良いだろう。

ただ、小学生あるいは中学生を対象に、高度な英会話レッスンを提供する塾は少ないであろうから、ビジネスチャンスがあるかも知れない。

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