慶應大学法学部(法律学科)と早稲田大学法学部との就職の比較について

1. 慶應大学法学部(法律学科)と早稲田大学法学部の就職状況

①就職状況に関するデータソース

慶應大学の場合、学部別に上位就職先企業(3名以上上位20社)についてHP上で開示をしてくれている。

http://www.gakuji.keio.ac.jp/life/shinro/3946mc0000003d8t-att/a1530669479061.pdf

早稲田大学の場合は、全学部合計で5名以上の就職先について、学部別に詳細な開示をHP上で行っている。

このため、全学部で5名以上就職している企業については、各学部からの就職者が0~4名でも開示されているため、便利である。

https://www.waseda.jp/inst/career/assets/uploads/2018/07/2017careerdata.pdf

②慶應大学法学部(法律学科)と早稲田大学法学部の就職状況

慶應大学の法学部は、法律学科と政治学科とにわかれており、早稲田大学の法学部は法律学科のみなので、慶応大学法学部の法律学科(政治学科は含まず)と早稲田大学法学部とを比較することとした。

なお、就職者の総数であるが、慶応大学法学部(法律学科)は455名であるのに対して、早稲田大学法学部は629名と、約4割程度、早稲田大学法学部の方が母集団が大きくなっている。

就職者数合計 455 629
慶應大学法学部法律学科 早稲田大学法学部
三菱UFJ銀行 10 9
みずほ銀行 9 7
東京海上日動火災保険 9 16
三井住友銀行 8 8
東京都 7 27
野村證券 7 1
デロイトトーマツ・コンサルティング 6 1
伊藤忠商事 5 6
三井住友海上火災 5 6
三井住友信託銀行 5 9
三井物産 5 4
三菱商事 5 2
住友商事 5 3
電通 5 0
日立製作所 5 2
弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所 5 NA
丸紅 4 6
国土交通省 4 NA
損保ジャパン日本興亜 4 4
日本銀行 4 0
野村総合研究所 4 2

2. 慶應大学法学部(法律学科)と早稲田大学法学部との就職の比較

慶應大学法学部(法律学科)の上位20社のリストを基に、早稲田大学法学部の就職者数を参照する形でリストを作成した。

基本的に、両校両学部ともに伝統あるトップ校で就職状況が全体的に良好なのは間違いないが、もう少し細かい点を業種別に以下で比較してみた。

①大手金融機関への就職について

まず、3メガバンクについては、慶応大学法学部(法律学科)からは合計27人(5.9%)に対して、早稲田大学法学部からは24人(3.8%)就職している。若干、慶応の方が就職者の割合が高い。

他方、東京海上、三井住友海上、損保ジャパンの大手損保については、慶應大学法学部(法律学科)からは合計18人(4.0%)、早稲田大学法学部からは26人(4.1%)とほぼ互角である。

また、野村證券については、慶応法学部(法律学科)から7人に対し、早稲田大学法学部からは1人と差があるようだが、早稲田大学法学部からは日本生命に6人、第一生命に6人と大手生保では早稲田の方が多い。

結局、大手金融機関については、ほぼ互角と言うことでいいのではないかろうか。

②総合商社について

大学(学部)の就職力を測る上でのバロメーターとなり得るのは、最難関とされる総合商社への就職力では無いだろうか?

そのうち、大手5社について比較すると以下のようになっている。

慶應大学法学部法律学科 早稲田大学法学部
三菱商事 5 2
三井物産 5 4
住友商事 5 3
伊藤忠商事 5 6
丸紅 4 6
合計 24 21
就職者総数に対する比率 5.27% 3.33%

就職者総数に対する比率で、慶応大学法学部(法律学科)が早稲田大学を上回っている。

また、総合商社の中でもトップとされる三菱商事について、慶應大学法学部(法律学科)が5名に対し、早稲田大学法学部は2名となっている。

従って、総合商社に対する就職力においては、若干慶應が早稲田を上回っているというところだろうか。

③コンサル、マスコミ等のその他の業界について

まず、人気の電通・博報堂については、慶応大学法学部(法律学科)からは、電通5人、博報堂はNA(3名以下)である。

他方、早稲田大学法学部は電通・博報堂ともにこの年は0名であった模様だ。

もっとも、NHKには4名就職しており(慶應大学法学部法律学科はNA)、マスコミについては、慶応大学法学部(法律学科)が明らかに強いということは言えないであろう。

また、人気のコンサルティング・ファームについては、慶應大学法学部(法律学科)からは、デロイトトーマツ・コンサルティングに6名だが、それ以外は不明である。

早稲田大学法学部は、デロイトトーマツ・コンサルティングこそ1名だが、アクセンチュア3人、アビームコンサルティング4人、ベイカレント・コンサルティングに2名であるので、この点については、両学部に特に差は無いのではないだろうか。

まとめ

慶應大学法学部(法律学科)も早稲田大学法学部も、大手金融機関、総合商社、コンサル等に就職者を送り込んでおり、量的な面では特に両校両学部の差は特に無く互角と言えるのではないだろうか。

ただ、総合商社において慶應大学法学部(法律学科)が若干上回っているので、この点が慶応が良く見えるところかも知れない。

もっとも、法学部(法律学科)の優劣というのは、従来は司法試験合格者数というのが大きく、かつては、この点で長らく、早稲田法>慶応法(法律学科)であった。

しかし、法科大学院における慶応法科大学院の活躍や、弁護士の人気低下に伴い、弁護士の数で法学部を比較する時代ではなくなっているのかも知れない。

そして、両校両学部ともに、法科大学院に進学する者の割合はせいぜい15%位なので、弁護士を目指す者の割合はそれほど高くは無い。

そうなると、経済学部や商学部ではなく、何故わざわざ法学部(法律学科)を選択するのかについて、将来のキャリアを踏まえた上でじっくり考えることが重要だと思われる。