1. メルセデス・ベンツは車種が多い
メルセデス・ベンツは、昔は大(今のSクラス)、中(今のEクラス)、小(今のCクラス)の3種類くらいしか種類がなかったものだが、車種がどんどん増え続け、Aクラス、Bクラス、Mクラス、Gクラスなど増える一方である。
また、マニアの車であったAMGもベンツの傘下となり、会社としてはAMGも拡販したいようだ。
2. 車種における階層・ヒエラルキーが薄まってきた?
東京都内の正規ディーラーによると、従来は、ベンツというと大型のセダンというイメージがあり、SクラスかEクラスじゃないとベンツと言えないという雰囲気もあったが、全体的な大型化、SUV人気の影響もあり、今ではCクラスが最大の売れ筋になってきているという。
それに従い、顧客層も多様化し、若い人からお年寄りまで、老若男女を問わず幅広い層が購入するようになってきている。
Aクラスなどであれば、残価設定ローンも使えるので、年収500万円から購入可能なので、特に年収・職業云々ということはなくなってきている。
3. Sクラスを買う人の年収や職業はどうか?
上記の通り、ベンツの車種が拡がり、購入層も多様化しているのだが、フラッグシップモデルのSクラスについてはどうだろうか?
全長は5mを超え、新車の本体価格は1293万円からだ。ベーシックパッケージやレザーパッケージ等の一般的なオプションと諸経費も含めると、最終的な購入価格は1500万円位にもなるので、これを買うことが出来る人は、限られるのではないだろうか?
<メルセデスベンツ 新型Sクラス>
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/models/s-class/saloon/explore.html
①そもそも自分で運転できるの?
ベンツの現行のS400Sdは、全幅が1930ミリ、全長が5210ミリの巨漢である。自宅の駐車スペースは何とかできるにせよ、デパート、スーパー、コインパーキングを考えると都心での利用は結構厳しい。
そもそも、これを買う人は自分で運転ができるのだろうか?それとも大半が運転手を雇っているのだろうか?
この点、いろいろディーラーの人と話してみると、ほとんどの人が運転手を雇うのではなく、自らハンドルを握っているそうである。
この点は、バブル期から基本的に変わっておらず、自らハンドルを握って楽しみたいというオーナーが多いようだ。
②買うのは法人名義か個人名義か?
実はこの質問で職業が判明してしまう。法人名義が多いとなると、買う人の職業は会社経営者ということになるからだ。
この点、いろいろとディーラーの人と話してみたところ、予想通りの答えで面白くも何とも無いのだが、八割方のSクラスのお客さんは法人名義で購入されるという。
もちろん、会社経営者であっても個人名義で買う人もいるそうだが、基本的には会社経営者が大半だということだ。
実は、この点は新車のフェラーリとはかなり異なるのかも知れない。新車のフェラーリの個人名義比率は結構高いようだ。
③Sクラスを買う場合、キャッシュかローンか?
これも、会社経営者が法人名義で購入するのが大半だというと、自ずと答えは決まってくる。
法人の場合だとあえてキャッシュで一括で買う必要性も無いので、むしろ、ローンを使って、キャッシュアウトフローを平準化すれば良い。
なお、ローン金利は3.40%(2019年2月時点)であるが、時々1%台のキャンペーン金利が使えたりするタイミングがあるので、そういったときは狙い目だ。
また、法人で長期間乗り続けることを前提とすると、リースというのも十分な合理性があり、リースを選択するお客さんもそれなりはいるという。
④Sクラスを買う人の年収レベルはどれくらいか?
会社が法人名義でローンを使って買う、そして、運転手を雇うのではなく、自らがハンドルを握る。
となると、年収のレベル感もある程度見えてくる。会社経営者の場合、自分の役員報酬は自ら決めれるので、会社の利益と自分の役員報酬を考慮した、実質年収という概念になるのだが、だいたい3000~4000万円程度あれば十分だろう。中には、年収2000万円位の人もいるという。
イメージで言うと、まあまあの開業医の年収位だ。外銀で言うと、VP~Directorレベルであるので、確かに、それぐらいだとフェラーリは厳しくても、Sクラスは普通に買える。
フェラーリは新車価格が諸費用込みで3000万円位なのに対し、Sクラスは諸経費込みで1500万円なので、年収レベルはフェラーリを買う人の方が高いということなのだろう。
4. Sクラス以外だと、ベンツだと何を買えばよいか?
今だと、Sクラスと言っても、特別な驚きは無い。また、稀少性も無くなってきたので、面白みにも欠けるという指摘をされることもあるそうだ。
もちろん、大きくなりすぎて実用性に欠けるという人もいる。
そういった場合には、Eクラスでは面白くないので、少しデザインが個性的なCLSを選択したり、パワー重視の人だと、AMGを選択するようである。
もちろん、MクラスなどのSUVにする人もいるという。特に東京では、最近、富裕層の間でGクラス(ゲレンデバーゲン)の人気が非常に上昇してきている。価格的にもちょうどSクラスと同じくらいである。
このように、今では必ずしもSクラスがフラッグシップとは言えなくなってきているのかも知れないが。
<メルセデスベンツGクラス>
最後に ~Sクラスが欲しい人はそこそこ稼げる自営業者を目指そう~
同じ年収3000万円といっても、「経費」をつかえる自営業者と、そうでないサラリーマンの場合とでは、クルマの買い方も結構異なってくる。年収3000万円が全て給与収入というサラリーマンと、年収2000万(自分の会社からの役員報酬)でも会社経費から月々数十万円を車につぎ込める会社経営者とでは、年収の少ない会社経営者の方がSクラスを買いやすかったりするのである。
実際、ベンツのSクラスやAMGの場合は、多数が会社経営者が法人名義で購入するので、Sクラスが憧れの人はそこそこ稼げる自営業者を目指せば良いだろう。
<AMGを買う人の年収・職業>
https://career21.jp/2019-02-08-115448/
この点については、ベントレー、マセラティ、ランボルギーニ、ポルシェ、フェラーリといった高級外車も同様だ。会社経費を使って、残価設定ローンを組んで購入するのが多数派だ。
<ベントレーを買う人の年収・職業について>
https://career21.jp/2019-10-10-102941/
サラリーマンに会社経営者になれと言っても、そんなに簡単な話ではない。しかし、今後は副業・兼業が緩和の方向にあるのは明らかだ。また、一般人でもブログ・SNSの運営が上手く、多くのフォロワーを獲得すると、自分のビジネスに集客することが可能になる。いきなり独立・起業をするのではなく、自分のビジネスを副業で小さく始めて軌道に乗りそうであれば独立するという手もある。そうすると、リスクを抑えて、会社経営者になることも可能だ。
ベンツのSクラスは、年をとっても似合う車であるので、長期計画でSクラスオーナーを目指せばいいのではないだろうか。