早稲田大学教育学部【22卒向け】の進路と就職について。教員と公務員は多い?

1. 早稲田大学教育学部の進路について

早稲田大学教育学部の2018年度進路報告者は914名で、そのうち125名が進学するという特徴がある。率にすると13.7%と文系学部にしてはかなり高い部類である。早稲田大学の文系学部と比べると、法学部が法科大学院進学者が多いため、それと同水準である。

それ以外の、745人が教員を含めて就職することとなる。

<早稲田大学教育学部デジタルパンフレット>

http://www.waseda.jp/nyusi/ebro/ug/edu_jp_2019/html5.html#page=27

2. 早稲田大学教育学部の就職について

①教員と公務員への就職者はどれ位か?

教育学部というと、教員或いは公務員になる者の割合が高いというイメージがある。上記で引用した、デジタル・パンフレットによると、「教育」のカテゴリーに就職する者の比率は8.3%となっている。また、公務員になる者の割合は6.6%である。

もっとも、この「教育」のカテゴリーについては、ベネッセ、学研、予備校・塾の様な民間企業も含まれるのかどうかが不明であるが、いずれにしても、教員になる者の割合はそれほど高いわけではなく、大多数は民間企業に就職することとなる。

②早稲田大学教育学部の就職に関するデータ

早稲田大学の場合、全学部で5名以上就職している企業・官庁について、学部別に詳細に開示をしてくれている。
https://www.waseda.jp/inst/career/assets/uploads/2019/07/2018careerdata.pdf

このため、学部別に就職状況の分析を行いやすくて便利なのだが、データがPDFであるため、ある程度マニュアルの作業が必要となる。

このため、早稲田大学全学部のランキングに沿って、教育学部からの就職者をほぼこのリスト順に拾ってみた。マニュアルワークであり、リストに掲載されている企業全てを拾っていないので網羅性にも欠けるが、大体の傾向はつかめると思うのでそのあたりはご容赦いただきたい。

③早稲田大学教育学部の具体的な就職先について

上記で引用した大学のデータベースを基に、ランキング表を作ってみた。

ちなみに、2018年度の就職者数の数は745人である。

(教育学部 就職者数745人)
企業団体名 人数
東京都23区職員 14
東京都教員 14
NTTデータ 13
東京都職員Ⅰ類 8
三井住友銀行 7
NHK 7
楽天 7
住友生命 7
富士通 6
三菱UFJ銀行 6
三菱電機 5
ソフトバンク 5
KDDI 5
ベネッセ 5
神奈川県教員 5

(出所:早稲田大学HP 「2018年度 早稲田大学就職状況」より外資系金融キャリア研究所作成)

3. 早稲田大学教育学部の就職状況の評価

①教員と公務員はそれなりに多いが大半は民間企業に就職する

教育学部なので、上位に、東京都職員、東京都23区職員、東京都教員、神奈川県教員が入っているのが特徴である。もっとも、上述した通り、教員となる者の比率は全体の1割には満たず、公務員のシェアも6.6%なので、それ以外の多くの卒業生は、民間企業に就職することとなる。

②民間企業は、IT、金融、メーカーが多い

民間企業について、業種別に見ると、ITと金融とメーカーが多く、それぞれ10%以上のシェアとなっている。

例えば、ITについて見ると、NTTデータ、ソフトバンク、KDDIという通信系の大手3社がランキング上位に入っている。また、楽天に7名、ヤフーに2名、サイバーエージェントに1名など、ネット系大手の人気企業にも就職実績がある。

金融については、メガバンクの他、大手信託銀行、東京海上日動火災、三井住友海上火災、日本生命、第一生命、野村證券、大和証券、みずほ証券等、幅広く大手金融機関に就職実績がある。

メーカーについては、富士通、三菱電機、日立製作所、ニトリ、キーエンス、凸版印刷、トヨタ自動車、NEC、日本製鉄、旭化成と幅広い業種の大手製造業を中心に就職している。

③難関企業、その他人気企業への就職状況はどうか?

それでは、総合商社その他の人気業への就職状況はどうか?

五大商社に関する2018年度の実績は、三菱商事と三井物産はゼロであるが、住友商事に2名、伊藤忠に1名、丸紅に2名、合計5名という実績がある。政治経済、法、商、国際教養と比較すると見劣りするかも知れないが、MARCHの上位学部と比較すれば、悪くはない数字ではないだろうか。

電通、博報堂についてはゼロであるが、キーエンスに4名、野村総合研究所に1名、プロクター&ギャンブルに1名、日本マイクロソフトに1名など、難関企業における実績はある。

なお、人気の総合系コンサルティング・ファームについては、アクセンチュア2名、アビームコンサルティング4名で、Big 4系のコンサルティング・ファームについては2018年度においては実績は無い。

もっとも、教育学部という性質上、必ずしも、商社、マスコミ、コンサルを志望する学生が必ずしも多いとは限らないため、全般的に見ると大企業・有名企業への就職者が多く、良好な就職状況にあると言えるのではないだろうか。

4. 教育学部の就職における課題

全般的に、早稲田大学教育学部の就職状況は良好であると考えらえるが、何か特定の分野に強いというような特色、アピールポイントがあればなお良いだろう。

例えば、教育系のスキルを磨いて、リクルートとかベネッセとか、そのあたりを狙ってもいいかも知れない。

なお、総合商社については、政治経済学部や商学部と比べると、難しい状況にある。学歴フィルターは総合商社でもクリアできるのであるが、そこから先は早稲田同士で決められた椅子を巡っての争いとなるので、海外留学経験等、何らかの強みを磨いておく必要があるだろう。

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