早稲田大学社会科学部の就職と課題について。早稲田大学商学部との比較はどうか?

1. 早稲田大学社会科学部の就職状況について

①早稲田大学社会科学部の就職情報

早稲田大学は、全学部から5人以上就職している企業・官庁について、学部別に詳細な開示をしてくれている。https://www.waseda.jp/inst/career/assets/uploads/2019/07/2018careerdata.pdf

このため、学部別のかなり具体的な就職状況を知ることができる。もっとも、このデータはPDFなので、学部別の就職状況を分析する場合には、業種等を絞って、手作業でデータを作成する必要がある。

②早稲田大学社会科学部の具体的な就職先について

早稲田大学社会科学部の就職者数は579人である。早稲田大学政治経済学部の就職者数が801人、早稲田大学商学部の就職者数は893人なので、母集団である就職者数は、政治経済学部や商学部と比べて3割程度少ない。

社会科学部という学部の性質上、金融、商社、コンサルに絞るのは不適切と考え、マニュアル作業で、広く社会科学部から3名以上就職している企業をピックアップしてみた。一覧していただくと、何となくイメージが掴めるのではないだろうか。

社会科学部 就職者数579人 (就職者数)
富士通 9
ニトリ 8
KDDI 8
みずほFG 7
東京海上日動火災 7
ソフトバンク 7
リクルートキャリア 7
東京都 6
三井住友銀行 6
楽天 5
JAL 5
国家公務員一般職 5
みずほ証券 5
NHK 4
三菱電機 4
東京都23区 4
りそなグループ 4
キーエンス 4
凸版印刷 4
電通デジタル 4
NTTデータ 3
アクセンチュア 3
大和証券 3
パナソニック 3
ソニー 3
国家公務員総合職 3
三井住友海上火災 3
リクルート 3
ゆうちょ銀行 3
オービック 3
オリエンタルランド 3

(出所:早稲田大学HP 「2018年度 学部・研究科別就職先ランキング ※就職者5名以上」より、外資系金融キャリア研究所が抜粋)

2. 早稲田大学社会科学部の就職状況に対する評価

まず、意外な感じがしたが、早稲田大学社会科学部から大手金融機関への就職者は結構多い。

メガバンクに15人、大手損保3社で11人、大手生保4社で8人、野村、大和、SMBC日興、みずほの大手証券で11人。
これだけで45人であり、全就職者数の約8%を超える。
他にも、メガバンク以外の銀行や生損保、証券、信託銀行等があるので、大手金融機関への就職割合は想像以上に多いのではないだろうか?

また、コンサル・監査法人については、アクセンチュア3人、アビームコンサルティング1人、監査法人トーマツ1名、デロイトトーマツコンサルティング1人等就職実績がある。

それから、意外に公務員が多い。東京都庁に6人、国家公務員総合職と一般職を合わせて8人である。他にも、23区(特別区)に4人の他や地方公務員も見られた。

民間企業では、富士通に9人、三菱電機に4人、KDDIに8人、ソフトバンクに7人、凸版印刷に4人、リクルートキャリア7人、楽天5人、JAL5人、NHK4人、キーエンス4人というのが上位就職先企業である。全体的には、結構コンサバで安定志向が強いと言った印象を受けた。

早稲田の社会科学部というと、昔は夜間だった時代もあり、歴史的な経緯や、MARCHと比べてどうのこうのという指摘をされがちなのだが、民間企業大手や公務員等、就職状況は良好と言えるのではないだろうか?

3. 早稲田大学商学部との比較について

結局、多くの人の関心事は、他大学或いは他学部との比較であろう。早稲田の場合は、大きい大学であるし、学部数も多い。経済系メディアで、早慶の人は学部名まで言いたがるという特集もあったので、他学部との比較が気になるところだろう。

一般的に経済・商学部系と、文学・社会科学部系との就職を比較するのは価値観、研究対象が異なるため、あまり適切でないかも知れないが、商学部と比較することとした。

社会科学部(就職者数579人) 商学部(就職者数893人)
三菱UFJ銀行 2 13
三井住友銀行 6 9
みずほFG 7 8
三菱UFJ信託銀行 2 5
三井住友信託銀行 2 10
東京海上日動火災 7 12
日本生命 2 4
野村證券 1 4
三菱商事 0 0
三井物産 1 4
住友商事 2 3
伊藤忠 1 2
丸紅 2 0
電通 2 3
博報堂 0 2

(出所:早稲田大学HP 「2018年度 学部・研究科別就職先ランキング ※就職者5名以上」より、外資系金融キャリア研究所が抜粋)

①金融機関では商学部が優勢に見えるが、商社では社会科学部が健闘?

当然、学部の性質上、商学部の方が大手金融機関志向が強いと思われる。また、社会科学部の就職者数は商学部の約6割強しかない。従って、上記の大手金融機関への就職者数だけ見て、商学部の方が優位であるとは言い切れない。人数比を考慮すると、トップクラスの大手金融機関への就職者数については、商学部と比較しても社会科学部は検討しているのではないだろうか?

また、この年度、社会科学部が健闘したのが総合商社である。社会科学部が6人に対して、商学部は9人である。就職者数の差を考えるとほぼ互角である。もっとも、前年度は社会科学部が3人に対して、商学部は18人であったので、ブレが大きい指標なので、また来年はどうなるかはわからないが…。

ただ、総合商社については、MARCHのうち、中央大学とか法政大学はそれぞれ6人と4人であるので、社会科学部1学部だけで6人というのはそれなりの評価をされているということではないだろうか。

電通・博報堂については、商学部が5人、社会科学部が2人ということであった。また、前年度も、商学部6人に対して社会科学部は1人だけであったので、この点については商学部が優位かも知れない。

このように、数字的には若干商学部の方が社学よりも上だが、それほど大きな差は無いというところではないだろうか?

少なくとも、2ch等で言われているよりは、就職力について商学部と社会科学部の差は大きくないと言えるのではないだろうか?(というと、商学部の人は納得しないかも知れないが…)

②社会科学部の就職における課題とは?

早稲田大学の社会科学部と商学部の就職を比較すると、数字的には商学部が優位であると思われるが、社会科学部の就職者数が商学部の6割強であることを考慮すると、両学部の就職力の差はそれ程大きく無いのではないだろうか。

金融、大手マスコミという業界においては、商学部が優位なのだろうが、事業会社やベンチャー企業においては社会科学部の就職結果は十分に健闘していると言えるだろう。

課題があるとすれば、何か得意なジャンルを持つということではないだろうか。例えば、ベンチャー起業分野とか、IT系とか、外資系といったところに絞って就職力を強化すると、まだまだアップサイドはあると思われる。

まとめ

早稲田大学社会科学部の就職状況は、2chとかその他のメディアで叩かれているほど悪くはなく、全般的に良好だと言える。

しかし、同じ早稲田大学の他学部(商学部)と比較すると、相対的に劣っている点は認めざるを得ないかも知れない。

もっとも、その格差は世間で思われているほどは大きくないのであろう。だからこそ、近年社学の難易度・偏差値も上昇してきているのではないだろうか。

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