早稲田大学社会科学部の就職と課題について。早稲田大学商学部との比較はどうか?

1. 早稲田大学社会科学部の就職状況について

①早稲田大学社会科学部の就職情報

早稲田大学は、全学部から5人以上就職している企業・官庁について、学部別に詳細な開示をしてくれている。
https://www.waseda.jp/inst/career/assets/uploads/2018/07/2017careerdata.pdf

このため、学部別のかなり具体的な就職状況を知ることができる。もっとも、このデータはPDFなので、学部別の就職状況を分析する場合には、業種等を絞って、手作業でデータを作成する必要がある。

②早稲田大学社会科学部の具体的な就職先について

早稲田大学社会科学部の就職者数は598人である。早稲田大学政治経済学部の就職者数が799人、早稲田大学商学部の就職者数は866人なので、母集団である就職者数は、政治経済学部や商学部と比べて3割程度少ない。

社会科学部という学部の性質上、金融、商社、コンサルに絞るのは不適切と考え、マニュアル作業で、広く社会科学部から3~4名以上就職している企業をピックアップして、商学部と比較することとした。

広く、メーカー、公務員、サービス業等を拾ったつもりであるが、マニュアル作業であるので、完全性・網羅性は担保できないことはご容赦いただきたい。

もっとも全体的な傾向をつかむには十分ではないかと思料される。

社会科学部 商学部
国家公務員一般職 10 4
富士通 8 4
みずほFG 7 24
日本生命 7 6
東京都 7 2
大和証券 6 11
三井住友海上火災 6 8
アフラック 6 6
損保ジャパン日本興亜 5 10
三菱UFJ銀行 5 9
野村證券 5 7
楽天 5 5
三井住友銀行 4 10
東京海上火災 4 9
監査法人トーマツ 4 6
NHK 4 5
三菱電機 4 4
KDDI 4 4
JTB 4 5
凸版印刷 4 1
第一生命 3 5
アビーム 3 5
アクセンチュア 3 4
明治安田生命 2 5
住友商事 2 4
ベイカレントコンサルティング 1 4
博報堂 1 3
デロイトトーマツコンサルティング 1 2
三菱商事 1 1
読売新聞 1 0
伊藤忠 0 8
あずさ監査法人 0 8
SMBC日興証券 0 4
丸紅 0 3
電通 0 3
野村総合研究所 0 3
三井物産 0 2
日経新聞 0 1
朝日新聞 0 0
PwCコンサルティング 0 0

2. 早稲田大学社会科学部の就職状況に対する評価

まず、意外な感じがしたが、早稲田大学社会科学部から大手金融機関への就職者は結構多い。

メガバンクに16人、大手損保3社で15人、大手生保4社で18人、3大証券で11人。
これだけで60人であり、全就職者数の10%を超える。
他にも、拾っていない大手生損保、証券、信託銀行等があるので、大手金融機関への就職割合は想像以上に多いのではないだろうか?

また、コンサル・監査法人にも12人と、それなりの就職者が存在している。

それから、意外に公務員が多い。東京都庁に7人、国家公務員10人である。他にも、23区(特別区)や地方公務員も見られた。

民間企業では、富士通に8人、三菱電機に4人、KDDIに4人、JTBに5人、凸版印刷に4人というのが上位就職先企業である。全体的には、結構コンサバで安定志向が強いと言った印象を受けた。

早稲田の社会科学部というと、昔は夜間だった時代もあり、歴史的な経緯や、MARCHと比べてどうのこうのという指摘をされがちなのだが、民間企業大手や公務員等、就職状況は良好と言えるのではないだろうか?

3. 早稲田大学商学部との比較について

結局、多くの人の関心事は、他大学或いは他学部との比較であろう。早稲田の場合は、大きい大学であるし、学部数も多い。経済系メディアで、早慶の人は学部名まで言いたがるという特集もあったので、他学部との比較が気になるところだろう。

一般的に経済・商学部系と、文学・社会科学部系との就職を比較するのは価値観、研究対象が異なるため、あまり適切でないかも知れないが、商学部と比較することとした。

①意外に商学部との差はそれ程大きくない?

当然、大手金融機関への就職割合は、商学部の方が高い。しかし、東京海上については、商学部9人に対して、社学は4人、日本生命については、商学部6人に対し、社学は7人、野村證券については、商学部7人に対し、社学は5人、と母集団の違いを考慮すると、ほぼ互角と言えるのではないだろうか?

コンサル系についても、アクセンチュアが、商学部4人、社学が3人、アビームコンサルティングが、商学部5人、社学が3人、ベイカレントコンサルティングが、商学部4人、社学が1人、監査法人トーマツが、商学部6人、社学が4人と、拮抗しているように思われる。

このように、数字的には若干商学部の方が社学よりも上だが、それほど大きな差は無いというところではないだろうか?

少なくとも、2ch等で言われているよりは、就職力について商学部と社会科学部の差は大きくないと言えるのではないだろうか?(というと、商学部の人は納得しないかも知れないが…)

②商学部が勝っている点を探してみると…

商学部と社会科学部の就職がそれ程変わらないという結論に対しては、異を唱える人が多そうなので、商学部が勝っている点を探してみた。

まずは、総合商社(五大商社)である。商学部からは合計18人であるのに対して、社学は3名である。この点は、商学部の圧勝である。

それから、電通・博報堂である。商学部からは、3名ずつであるのに対し、社学は電通0人、博報堂1人のみである。

また、野村総合研究所は、商学部が3名に対し、社学は0名である。

このように、就職難易度・就職偏差値が最上位にある企業については、社学からはほとんど就職できていないのに対して、商学部からは少人数でも輩出できている点が両社の差なのだろう。

まとめ

早稲田大学社会科学部の就職状況は、2chとかその他のメディアで叩かれているほど悪くはなく、全般的に良好だと言える。

しかし、同じ早稲田大学の他学部(商学部)と比較すると、相対的に劣っている点は認めざるを得ないかも知れない。

もっとも、その格差は世間で思われているほどは大きくないのであろう。だからこそ、近年社学の難易度・偏差値も上昇してきているのではないだろうか。