早稲田大学政治経済学部【22卒向け】の就職と課題。慶應義塾大学経済学部と比較するとどうか?

1. 早稲田大学政治経済学部の就職状況

①早稲田大学政治経済学部の就職状況については詳細な開示がされている

早稲田大学は全学部の就職状況について、詳細な開示をしている。
https://www.waseda.jp/inst/career/assets/uploads/2019/07/2018careerdata.pdf

早稲田大学政治経済学部からの上位就職先トップに関して、就職者5名上の企業・官公庁を抽出すると、以下のようになっている。

(早稲田大学政治経済学部 就職者数 801人) 人数
三井住友銀行 15
アクセンチュア 14
東京都職員Ⅰ種 12
みずほFG 12
日本放送協会 11
富士通 10
三菱UFJ銀行 10
東京海上日動 10
大和証券 10
住友商事 10
三井物産 10
楽天 9
三菱UFJ信託銀行 9
NTTデータ 8
伊藤忠 7
日立製作所 6
国歌公務員総合職 6
野村證券 6
NTTドコモ 6
三菱商事 6
アビームコンサルティング 5
東京都特別区職員 5
日本IBM 5
日本航空 5
三井住友海上火災 5
日本製鉄 5
デロイトトーマツコンサルティング 5
リクルート住まいカンパニー 5
野村不動産 5
オリックス 5
国歌公務員一般職 5

(出所:早稲田大学HP 「2018年度 早稲田大学進路状況」より外資系金融キャリア研究所作成)

②大手金融、コンサル、商社に公務員も…

この政治経済学部からの上位就職先を見ると、やはり、大手金融機関が目立つ。メガバンクはここ数年で新卒採用者数を急速に削減しているが、早稲田大学政治経済学部の場合、メガバンク3行にそれぞれ二桁就職している。また、それ以外にも、三菱UFJ信託銀行、三井住友海上火災、東京海上日動火災、野村證券、大和証券などの大手金融機関も目立つ。

また、人気の総合系コンサルティング・ファームである、アクセンチュアとアビームコンサルティングも上位に入っているし、後述するが、総合商社においても強みを発揮している。

それから、若干意外な気もするが、東京都庁、国家公務員総合職と一般職、東京都23区などの公務員も上位に入っている。伝統的な早稲田大学の看板学部ということもあり、全般的に就職は良好だと言えるだろう。

2. 慶応大学経済学部と比較すると…

それでは、ライバルと考えられる慶應義塾大学の看板学部である経済学部と比較すると、早稲田大学政治経済学部の就職状況がもう少し具体的に見えてくる。

①大手金融機関への割合はどうか?

イメージとしては、慶應経済は金融に強く、早稲田政経はマスコミに強いという印象があるかも知れないが、早稲田政経も金融は結構多い。

例えば、3メガバンクの就職者の割合は、早稲田政経が4.6%であるのに対して、慶應経済は4.3%である。大手損保(東京海上、三井住友海上、損保ジャパン)の割合は、早稲田政経が2.4%に対して、慶應経済が3.1%である。また、大手生保(日生、第一、住友、明治安田)については、早稲田政経が0.7%に対して、慶應経済が2.5%となっている。3大証券(野村、大和、SMBC日興)については、早稲田政経が2.5%、慶應経済が3.7%となっている。

比較をすると、やはり慶應経済の方が大手金融機関への就職者の割合は高いが、早稲田政経もかなり多くの者が大手金融機関に就職している。

②大学の就職力を反映する、商社への就職状況はどうか?

異なる業界の企業同士をスコアリング化するなどして比較することは難しい。しかし、国内系企業においては普遍的に総合商社の人気が高く、また、大手五社の場合は1社あたり100名以上採用しているので、これを比較するとある程度大学(学部)の就職力がうかがえるだろう。

そこで、早稲田政経と慶應経済の五大商社への就職者の状況を比較すると、以下の様な結果となった。

(就職者数 801人) (就職者数 1032人)
早稲田政経 慶應経済
三菱商事 6 9
三井物産 10 8
住友商事 10 14
伊藤忠 7 5
丸紅 3 6
合計 36 42

(出所:早稲田大学HP及び慶應義塾大学HPより、外資系金融キャリア研究所が編集)

以上の結果を、各学部の就職者数に対する割合で示すと、早稲田政経が4.5%、慶應経済が4.1%となった。商社への就職と言うと、大学全体では慶應の方が早稲田よりも強そうなのであるが、学部単位で見ると、早稲田政経と慶應経済とはほぼ互角と言えるのではないだろうか?

③それ以外の早稲田政経と慶應経済の就職状況について

金融、商社以外の就職についても、両学部はハイレベルな実績を誇る。採用者数が少ないし、ある意味、特殊な業界であるのでご参考ということだが、広告代理店大手の電通においても、両学部は高い実績を有している。

早稲田政経 慶應経済
電通 4 5
博報堂 3 5
合計 7 10

(出所:早稲田大学HP及び慶應義塾大学HPより、外資系金融キャリア研究所が編集)

また、就活最難関の外銀とMBBであるが、両方とも採用人数が少ないため十分なデータはない。2018年度においては、ゴールドマン・サックス証券の場合、早稲田政経から2人、慶應経済から5名の就職者であった。外銀については、慶應経済の方が、早稲田政経よりも存在感はあるかも知れない。

3. 早稲田大学政治経済学部の就職における課題

①外銀、外コンへの挑戦

大学からすると、ほぼ大手に就職することは可能だし、後は学生の自主性に任せるとしか言いようがないかも知れないが、就職力は大学の競争力に大きく結びつくので、やはり、慶應経済と遜色ないと思われる就職力をつける必要があると思われる。

外銀・外コンについては、学校がサポートしようも無いので、OB/OGが頑張って、後輩たちを支援する必要があるのだろう。

②得意のマスコミの更なる強化

早稲田の政経というと、「マスコミ」という印象がある。確かに、2018年度の場合も、日本放送協会に11名、日本経済新聞に3名、時事通信社に2名、日本テレビに1名、電通に3名、博報堂に2名といった実績がある。

しかし、それ以外の、新聞、雑誌、テレビ局等についても、学部としてもう少し強化してもいいかも知れない。また、就職者数だけではなく、学部のPRとしても「マスコミ」における政治経済学部の強み、有力OB/OG等をアピールすべきではないだろうか?

③ベンチャー起業の強化

実は、(政治経済学部に限ってということはないが)早稲田はベンチャー起業に力を入れており、メルカリの山田進太郎さん(教育学部出身)を始め、ベンチャー界隈で成功している人達は結構多い。

大企業志向が強い、ライバルの慶応経済学部に差を付けることができるとしたらここでは無いだろうか?

政治経済学部からの就職先トップが、地方公務員ということで地味目な印象もあり、かつての「在野精神」はどうなったと批判されたりするだろうが、ベンチャー起業での成功者を輩出すれば、このイメージは復活されるだろう。

ここには大いにチャンスがあると思われる。

最後に

最近、就職において、慶応>早稲田が強調されがちであるが、早稲田政経という学部単位で見ると慶應経済と比較して特に遜色は無い様に見える。

外銀・外コン分野に人材を輩出することができれば、総合商社への就職では負けていないだけに、見栄えはグッと良くなるのではないか?

また、ベンチャー起業分野で成功者を輩出すれば、イメージも変わっていくだろう。

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