早稲田大学政治経済学部の就職と課題について。慶應大学経済学部と比較するとどうか?

1. 早稲田大学政治経済学部の就職状況

①早稲田大学政治経済学部の就職状況については詳細な開示がされている

早稲田大学は全学部の就職状況について、詳細な開示をしている。
https://www.waseda.jp/inst/career/assets/uploads/2018/07/2017careerdata.pdf

政治経済学部からの上位就職先トップ10は以下のようになっている。

1. 東京都職員Ⅰ類  25人
2. みずほFG    24人
3. アクセンチュア  19人
4. 三菱UFJ銀行   17人
4. 日本放送協会(NHK)  17人
6. 東京海上日動火災保険 15人
7. 三井住友信託銀行   10人
8. 有限責任あずさ監査法人 9人
9. 国家公務員総合職  9人

②大手金融、コンサル(監査法人)、マスコミ等良好に見えるが…

この政治経済学部からの上位就職先を見ると、東京都庁勤務がトップというのは意外感があるが、それ以外は、メガバンク、東京海上、アクセンチュア、NHKと、いわゆる就職人気・就職偏差値上位企業がズラリと並んでおり、さすがに私立文系トップの早稲田大学政治経済学部だけあって、就職先は良好のように見える。

2. 慶応大学経済学部と比較すると…

それでは、ライバルと考えられる慶応大学の看板学部である経済学部と比較すると、早稲田大学政治経済学部の就職状況がもう少し具体的に見えてくる。

①「率」で慶応経済と互角?!

私立大学の場合、学生数が多いので、「率」で国立大学と比較をしようとする人は多い。ここでは、国立大学ではなく、慶応の経済学部と「率」について比較したい。

慶應大学経済学部の就職者数は1003人、早稲田大学政治経済学部の就職者数は871人である。

例えば、3メガバンクについて見ると、早稲田政経が5.5%、慶応経済が6.4%とさほど変わらない。

生損保のトップの東京海上と日本生命の合計については、早稲田政経が2%、慶応経済が3%とこれも誤差の範囲かも知れない。

総合商社の大手5社については、早稲田政経が3.7%、慶応経済が3.1%とほぼ互角である。

このように、国内系金融機関や総合商社を見てみると、早稲田政経も慶応経済も大して変わらないように見える。

②「質」では、慶応経済に軍配か?

ところが、何故かメディアは就職力について、慶応>早稲田、早稲田は慶応に負けているという報道がなされがちである。その理由の1つとして、大雑把に、国内系人気企業を見てみるとそん色無いように見えるが、本当の就職偏差値最上位企業について見てみると、慶応経済が優位であるからでは無いだろうか?

例えば、就職難易度最上位の外銀・外コンである。ゴールドマン・サックス」、JPモルガン、マッキンゼー、BCGあたりであるが、ここは東大と慶応が大半で、早稲田については政治経済学部に限らず、ほとんど外銀・外コンでは存在感が無い。

もちろん、慶応経済学部からも外銀・外コンに行くのは若干名であるが、ここが有るのと無いのとではかなり印象が違う。

また、広告代理店の電通・博報堂であるが、少々意外感があるが、電通については慶応経済から8名に対し、早稲田政経から0名である。(なお、早稲田政経から博報堂には2名である。)

さらに、慶応経済学部からは日本銀行に5名就職しているが、早稲田政経からは見当たらない。

このように、最上位の企業に、慶応経済からは学生を送り込んでいるのに対して、早稲田政経からはほとんどゼロというのが見劣りするように見えるのかも知れない。

3. 早稲田大学政治経済学部の就職における課題

①外銀、外コンへの挑戦

大学からすると、ほぼ大手に就職することは可能だし、後は学生の自主性に任せるとしか言いようがないかも知れないが、就職力は大学の競争力に大きく結びつくので、やはり、慶応経済と遜色ないと思われる就職力をつける必要があると思われる。

外銀・外コンについては、学校がサポートしようも無いので、OB/OGが頑張って、後輩たちを支援する必要があるのだろう。

②得意のマスコミの強化

早稲田の政経というと、「マスコミ」という印象があるが、NHK以外では意外に存在感がない印象だ。

電通については、早稲田全体からは24名も送り込んでいるので、看板学部である政治経済学部からは少なくとも5名くらいは送り込んでもらいたいものだ。

それ以外の、新聞、雑誌、テレビ局等についても、学部としてもう少し強化してもいいのだろうか?また、就職者数だけではなく、学部のPRとしても「マスコミ」における政治経済学部の強み、有力OB/OG等をアピールすべきではないだろうか?

③ベンチャー起業の強化

実は、(政治経済学部に限ってということはないが)早稲田はベンチャー起業に
力を入れており、メルカリの山田進太郎さん(教育学部出身)を始め、ベンチャー界隈で成功している人達は結構多い。

大企業志向が強い、ライバルの慶応経済学部に差を付けることができるとしたら
ここでは無いだろうか?

政治経済学部からの就職先トップが、地方公務員ということで地味目な印象もあり、かつての「在野精神」はどうなったと批判されたりするだろうが、ベンチャー起業での成功者を輩出すれば、このイメージは復活されるだろう。

ここには大いにチャンスがあると思われる。

最後に

最近、就職において、慶応>早稲田が強調されがちであるが、早稲田政経の就職力がそこまで劣っていることは無いように思われる。

外銀・外コン分野に人材を輩出することができれば、総合商社への就職では負けていないだけに、見栄えはグッと良くなるのではないか?

また、ベンチャー起業分野で成功者を輩出すれば、イメージも変わっていくだろう。