東大法学部生が、外資系運用会社・ヘッジファンドの運用職で年収1億円以上を目指す場合に、チェックしておきたい適性

1. 何故、外資系運用会社・ヘッジファンドの運用職か

東大法学部生の間では、既に外銀は、外コン・総合商社と並んで最人気職種の一角を占めてる。

ここでいう外銀とは、外資系投資銀行、すなわち証券会社を意味し、トレーディング、セールス、IBDなどを想起しているのではないだろうか?

しかし、リーマンショック以降、外銀のこういったフロント職の年収水準は大幅に低下し(特にボーナス)、激務やリスクの割にはリターンが足りないと考える者も少なからずいる。

だからこそ、外銀の内定を蹴ってまで、総合商社に就職する者がいるのだろう。

これに対し、ヘッジファンドの運用職の場合には、年収上限は青天井であり、日本でもトップクラスのファンドマネージャーは年収5億円クラスを稼いでいる。

また、ワークライフバランス的に、IBDや渉外弁護士のように長時間労働を余儀なくされることはない。

リスクという点では、外銀のフロント職と変わらないが、年収水準や働き方という点においては固有の魅力があり、東大法学部のような潜在力の高い学生の中には、適性のある者もいるだろう。

(なお、ヘッジファンドの年収・転職事情については、こちら)

https://career21.jp/2018-11-12-132108

2. 東大法学部から運用職(ファンドマネージャー)を目指すということ

以上のように、外資系運用会社やヘッジファンドの運用職は魅力のある職業なのだが、誰がやっても成功できるわけではなく、適性というのが特に問われるのである。

何故なら、ヘッジファンドの運用職の場合、パフォーマンスという運用の成果、要するに「結果」が全てである。

学歴とか職歴とか努力といったものは関係なく、「結果」を出さなければお終いなのである。

IBDのような、学歴や過去の案件、顧客とのネットワークは運用成績に関係が無い。

このため、学歴がMARCHクラスでも運用職として成功している人はいくらでもいるし、別にゴールドマンサックスにいたら結果がでるというものでもない。

また、長くやっていたからと言って、運用が上手くなるわけではない。

知識や経験ではなく、センスが問われる職業なのである。

3. 運用職(ファンドマネージャー)の適性があるかのチェック項目

学歴、職歴という飾りでは無く、経験・努力というわけではなく、センスや適性が重要と言われても、自分にその適性があるのかどうかよくわからないかも知れない。

そこで、以下、運用職(ファンドマネージャー)の適性があるかどうかのチェック項目を並べてみた。

もちろん、これらを満たしていれば必ず成功が保証されるわけではなく、多少あてはまらない項目があっても、就職するとクリアしていけるかも知れないので絶対的なものではないが、参考にしてみてはどうだろうか?

①相場・市場(マーケット)に興味がある

さすがに、相場や市場に興味がないのにファンドマネージャーを目指す人はいないかも知れないが、外銀を受けるトップ学生の中にもこの点を十分に分かっていない者もいるようだ。

例えば、運用会社ではなく外銀のトレーディング職の面接で聞かれる質問に、

「今年の日経平均株価の上値と高値の予想とその理由」

「米中の貿易戦争の動向と、それがドル円為替に与える影響」

「Googleの将来の株価予想とその理由」

といった質問がなされた場合に、頭が真っ白になってしまうようでは厳しいのではないだろうか?

これらには質問された時点では決まった回答はなく、こういった質問に対して面倒だと思うか、興味を持つかの直感的なところが最初のチェックポイントとなる。

株の少額取引であれば、数十万円位の原資から始めることができるので将来運用関係の仕事で一儲けしたいと思っているのであれば、学生の早いうちから株式投資を始めてみることをおすすめする。

②企業分析に興味がある

ここでいう企業分析とは、多くの就活生がやっているような、企業パンフレットや新卒採用向けの会社のホムペを漫然と眺めることではない。

会社のホムペのIRのコーナーの、四半期ごとの決算説明会用資料と、中期経営計画あたりを隅々まで、興味を持って読めるかどうかだ。

運用職には、株式を投資対象とするもの、債券を投資対象とするもの、その他デリバティブを対象とするもの等、いろいろあるのだが、数字に強いということが必要だ。

IR用の資料を見て、数字がバンバン頭に入って来るタイプであれば、それは望ましいことである。

また、「過去」を分析するだけでなく、その企業の「将来」について想像力を働かせることができるかが重要だ。

自分がもしもその社長になったとしたら、どのような施策を取るか。

それは何故か。また、そうした場合、利益や株価はどのように変わると考えられるかについて興味を持って想像してみることだ。

③幅広い分野に関心を持ち、あらゆる事象を投資に結び付けることができる能力

特定の分野、例えば、金融、不動産、IT、製薬、小売り、素材、外食、インフラ、といった特定の業種に絞って深い分析やマニアックな調査を得意とすることができるタイプの人は多い。

しかし、自分の専門分野、得意な分野以外にはあまり興味がないという人は、アナリストは可能かも知れないが、運用職(ファンドマネージャー)には向いていない。

実は、これは結構ハードルが高い能力である。

特定の業種のみをカバーするアナリストの場合には、担当企業数は20社位である。

しかし、ファンドマネージャーの場合には、IT、製薬、金融、素材、不動産、メディアと、全産業に亘り、数百社位をカバーしている。

これはなかなか大変である。

実際、運用会社でファンドマネージャーを目指す人のキャリアパスとしては、最初はアナリストとして特定の業種のみをカバーし、その次には全く関連性の無い他の業種をカバーさせる。

そして、ジュニア・ファンドマネージャー(ファンドマネージャーの見習い)として修業をし、成績の良いものがファンドマネージャーに昇格していくという仕組みだ。

(もっとも、国内系運用会社の場合には、年功序列でファンドマネージャーに昇格できてしまうことが従来は多かったのだが…)

さらに、企業分析を行うということは、国内経済だけを見ていても不十分であり、米国、アジア、欧州、途上国の株価、金利、為替、政治とグローバルの経済環境をモニターしていくことが求められる。

このため、投資環境に関して幅広く興味を持てるようなタイプでないと務まらないかも知れない。

このように、ファンドマネージャーとして成功するためには、いろいろな資質が要求されるのだ。

最後に

上記のような資質があるかどうかは、実際に投資を始めてみるのが手っ取り早い。株でもFXでも仮想通貨でもいいので、とにかく早いうちから少額で構わないので始めてみるべきだ。

今はネットで多くの企業情報やマーケット情報が取れるので、便利である。

また、仮に、最終的に自分は運用職(ファンドマネージャー)をやりたいとは思わないと判断したとしても、IBDには向いている

かも知れないので、企業分析や市場環境分析についての知識や経験は無駄にはならない。

むしろ、多くの学生は苦手としているので、やってみて損は無いだろう。