東大法学部で、英語が得意でない場合の就職先とキャリアプランについて考えてみた

1. 東大法学部で英語が得意でない場合とは?

①法科大学院・国家一種試験という選択肢

東大法学部で英語が苦手ということはあり得ないのだろうが、就活までに英語を強化することが間に合わなかったということはあり得る。

それは、法学部の場合、今でも多くの者が弁護士(法科大学院)や国家一種(官僚)への途を目指すからである。

これは、経済学部や文学部とは異なる、法学部特有の事情である。

法科大学院や国家一種を目指して、法律関係の勉強に集中すると、英語とは無縁の世界だし、英語の強化にまで目を向ける心理的・時間的な余裕が無いので、英語は大学入学以降放置という事態も起こり得るわけである。

②英語が間に合わないと何で困るか?

途中まで法科大学院や官僚を目指していたために、就活までに英語が間に合わなかった場合、何か困ったことがあるのだろうか?

別に、就活段階では英語力は特に問わない優良企業も数多く存在する。

問題があるとすれば、外銀・外コン・総合商社という東大生の3大人気職種から内定をもらえなくなるリスクが高まることだろう。

もちろん、英語がダメだとこれらから内定を絶対もらえないというわけではないが、以下の外資就活のデータを見ると、外銀・外コン・総合商社のTOEICスコアの中央値は880-900点、最低点も595-780点となっており、英語が苦手だと苦戦を強いられそうである。

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法科大学院とか官僚を目指していて、民間企業に切り替える場合、周りへの見栄も当然あるだろうから、それなりのスペックの高い企業を目指したいものだ。

ところが、人気3業態である、外銀・外コン・総合商社は英語が苦手だと厳しくなることを考えると、それ以外の就職先も検討しておく必要があるということだ。

2. 業界・企業選びを行う場合の判断軸

外銀・外コン・総合商社以外の業界・企業の選択にあたっては、どういう基準、価値観を重視して選択すべきか、その判断軸が問題となる。

すなわち、政府系金融機関、電力ガス・鉄道・通信といたインフラ系、三井不動産・三菱地所等のデベロッパーなど、東大法学部生が昔から就職しているような業界・企業で、英語力をあまり問わない先もあるからだ。

しかし、ここでは、外銀・外コン・総合商社という、新しい東大生が選好する判断軸である、「年収」「転職力」「ステイタス」といった軸を中心として業界・企業探しを行うこととした。

3. 英語力が得意でない場合の、おすすめの就職先とキャリアプラン

①国内系証券会社のIBD(コース別採用)

具体的には、野村證券或いは大和証券のIBDだ。

年収については、野村證券のIBDだと30代で2000万円以上の高収入を得ることが可能だ。

また、国内系IBDの場合には国内企業との強い営業基盤があるため数多くの良質な案件を経験し、スキルアップを図ることが可能だ。

このため、将来、VP以上で外銀IBDやPEファンドへの転身を図ることも可能だ。

また、IBDの場合、会社法や金商法といった法律に関する知識・センスが問われるので、法科大学院や国家一種を目指して勉強していた場合には、法律力をアピールしたり志望動機に使うこともいいだろう。

ステイタスという観点からは、東大法学部からであれば、野村か大和あたりまでだろうか?

SMBC日興証券やみずほ証券の場合、

ネームバリューが気になる学生もいるかも知れないが、IBDの仕事を重視すると、このあたりも応募した方が良いかも知れない。

②国内系運用会社の運用コース

具体的には、野村アセットマネジメント、東京海上アセットマネジメントあたりであろうか?

アセットマネジメントoneとか、三井住友アセット・マネジメント等も含めるかどうかは学生の好みによる。

日本では、運用会社はまだまだマイナーな存在だし、大手金融機関の子会社であるので、格下扱いされがちである。

しかし、将来外資系運用会社やヘッジファンドへの転身を図るのであれば十分うま味もあるし、将来性もあるポジションである。

入社難易度は、先ほどの国内系証券会社のIBDよりは内定を得やすいだろうが、運用専門職の場合だと、相場・市場に関する勉強を予めしておいた方がいいだろう。

ファンドマネージャーを目指しているのに、「今年の日経平均株価の上下のレンジ予想とその理由」について相応の準備をしておかないと、何も答えられなくなってしまうからである。

入社した場合には、受けさせられるので、入社のための準備の一環として証券アナリスト試験を勉強するのが良いだろう。

③総合系コンサルティング・ファーム

東大生からの人気3業種の1つの外コンのうち、特に、マッキンゼー、BCG等の戦略系ファームはそれなりの準備期間が必要となるため、英語ができないとなると、法科大学院や官僚志望から途中で切り替えるのはかなり難しいだろう。

しかし、総合系ファームと言われる、アクセンチュア、デロイト、E&Y、PwCあたりは相対的には難易度が落ち、英語力が弱くても、東大法学部生であれば内定をもらえる可能性はある。

さらに、デジタル・フォーメーション絡みの需要増大の背景もあり、各社ともに、中途・新卒を問わず、間口を拡げた採用を行っている最中である。

これは長期的には、コンサル人材の供給過多に伴う、価値の低下を招きかねないのであまり望ましくないかも知れないが、転職を前提としたキャリアプランでは取り得る選択肢かも知れない。

上記①②のような金融専門職はあまり好きではないという東大法学部生はコンサルの途を選択するのもあり得ると思う。

④メディア・マスコミ

具体的には、日経新聞、朝日新聞、読売新聞という大手新聞社、または、電通、博報堂である。

キー局でもいいが、ここは採用枠が限られ、東大法学部でも内定をもらえる保証は無い。

こういったメディアは東大からも就職しているし、給与水準やステイタス的にもそこそこであるが、「転職力」はどうか?、と思う学生も少なくないだろう。

確かに、このようなマスコミ大手は終身雇用が基本路線であるが、その人次第では大いに転職できるような市場価値を高めることは可能だと考えられる。

インターネット、SNS、動画が発展していき、紙媒体やテレビは相対的に地位低下するのであろうが、結局それは媒体の違いであってコンテンツそのものを作れる能力は常に重視されるからである。

既存メディア(紙媒体)の仕事をしている人達は、ネット系の仕事ができないと言われるが、それはその人次第であって、ネットやテクノロジー関係をキッチリと勉強し、ネット界隈の人間と繋がっているとNewsPicks、AbemaTVのような新しいメディアで活躍することは十分可能であろう。

⑤リクルート

ここは、わざわざ東大法学部からでなくても行けるから、ステイタスの観点から、あまり興味が無いという東大法学部生もいるだろう。

しかし、今後ますます重要となる「人」関連のキャリアやスキルを構築する意味でも、あるいは、ベンチャー・ニュービジネスを追求する意味でも、リクルートをファーストキャリアとするには十分な魅力がある。

上記①②のような金融専門職や、③のようなコンサルは、あまり好きでないという法学部生はあたってみる価値はあるのではなかろうか?

リクルート本体は、海外企業に対するM&Aなどを積極的に手掛けていたりするので、コーポレートのM&A要因など、面白いポジションも増えてきている。

(こちらの過去記事をご参照ください。)

blacksonia.hatenablog.com

将来の転職力はいろいろな形で習得できる会社なので、悪くはない選択肢だと思われる。

最後に

英語対応が間に合わない場合には、人気業種の外銀・外コン・総合商社が難しくなるのは厳しい。

しかし、よく探してみると、それ以外にも面白い企業とキャリアプランが存在している。

法科大学院から民間企業転職に切り替える場合には、「年収」か「安定」か?、

「転職」か「終身雇用か」、その判断軸を明確にしておくことが必要だ。