MARCH、関関同立【22卒向け】からのメガバンク、金融機関への就職と難易度

1. MARCH、関関同立からメガバンクには多数就職

①メガバンクへの就職者数は多いが、総合職の人数は不明

メガバンクはMARCH、関関同立から多数採用している。
例えば、19/3卒の場合、各校からの採用実績は以下の通りである。

明治

青山学院 立教 中央 法政

三菱UFJ

26 29 30 28

21

三井住友

12 19 16 18

18

みずほFG 35 23 15 23

19

関西

関西学院 同志社 立命館

三菱UFJ

13 35 37 30
三井住友 17 36 25

13

みずほFG 14 13 35

18

(出所:AERA2019年8月5日号 「主要50大学の人気企業への就職者数」を基に外資系金融キャリア研究所作成)

もっとも、上記の統計は総合職と一般職を含む合計である。その内訳は不明であるが、MARCH、関関同立の場合は一般職(エリア総合職含む)の比率が高いと言われているので、総合職の採用者数は少なくなると思われる。

②今後、メガバンクが採用者数を減少させることに注意

メガバンクは大量採用をしているイメージであったが、近年、新卒採用者数を大幅に減少させていることに留意すべきである。

例えば、三菱UFJ銀行の場合、2015年の採用者数は1,596人であったが、2019年の場合は512名である。わずか4年で、採用者数は1/3以下になってしまった。

さらに、2020年初頭に生じたコロナウイルスの影響で、22卒以降の新卒採用者数は減少するのではないかという懸念がある。

2. MARCH、関関同立からメガバンクに就職することの難易度

①今後、メガバンクへの就職は難化するものと予測される

ここ数年、MARCH、関関同立からメガバンクへの就職者数は、格好の就職者数ランキングにおいて上位であった。このため、一般職も含めると、上位層ではあるのだろうが、就職難易度においては比較的入り易かったのではないだろうか。

しかし、店舗網やそれに関連する人員の余剰化の問題や、低金利による収益の悪化という要因によって、メガバンクはどこも採用者数を削減した。それに加えて、コロナウイルスの問題が生じたため、22卒以降は採用者数を絞られる可能性がある。

実際、夏に実施される大学3年生向けのインターンについては、かなりの倍率だったようだ。このため、今後はメガバンクへの就職は難化するものと思われる。

②MARCH、関関同立からメガバンクに入社するための対策

従来は、総合職の場合も、帰国子女、体育会その他ハイスぺじゃないと内定を取れないということはなかった。

しかし、今後は採用者数が絞られると、総合商社に準じた対応策が求められるようになるかも知れない。

<MARCH、関関同立から総合商社に内定するために対応策>
https://career21.jp/2018-11-28-140154/

英語や体育会が必須という訳では無いだろうが、十分な業界研究、OB訪問は最低限やっておく必要はあるだろう。

3. MARCH、関関同立からメガバンクへの就職に際して考えておきたいこと

①メガバンクの将来性はどうか?

メガバンクに限った話ではないが、国内市場を主戦場とする内需型のビジネス、特に、規制産業の場合は少子高齢化に伴う国内市場の縮小が深刻だ。そうなると、海外で稼ぐ必要があるのだが、メガバンクの場合は国際競争力があるとは到底思えない。言語や文化における不利益もあるが、競争力を有する欧米の強豪金融機関と戦って勝利するのは望み薄だろう。

そうなると、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジアといったアジアの途上国で勝負する必要があるが、当然、リスクも伴うビジネスである。

また、GAFAが本気で動き出さない限り、既存のフィンテック系企業にやられてしまうということはないが、AI、ITの進展に伴い、既存の実店舗、設備、人員がお荷物になるということは十分あり得るだろう。

それは、新聞がすぐには無くならないものの、長期的には確実に縮小していくのと同様に、ゆっくりと時間をかけて現実化していくのだろう。

このため、20代のうちにメガバンクを足掛かりに転職や起業を考えている者は問題無いが、20年後、30年後を考えると楽観視できないのではないだろうか?

メガバンクが無くなるということは無いかも知れないが、給与水準が今より2~3割下がるということは十分に考えられるだろう。

事実、80年代のバブル期と比較するとメガバンクの年収は下がっている。

例えば、当時部店長の年収は軽く2000万円を超えたが、今は執行役員クラスにならない限り、2000万円には到達しない。

②メガバンクの職歴によって転職力が磨かれるとは限らない

これはMARCHや関関同立の場合、マーケット関係や海外関係ではなく、リテール業務への配属となる可能性が高い。

20代の内なら、メガバンクの職歴は一般的に評価されるが、30歳を過ぎるとメガバンクのリテール業務だと転職するのは難しく、40代になると更に厳しい。

③メガバンクは出世に関して、MARCH、関関同立は有利ではない

転職を考えないとしたら、それはメガバンクで働き続けることを意味する。そうなると、昇格・出世が重要なファクターとなる。

しかし、メガバンクは歴史的にも業種的にも究極の学歴・学閥社会である。

MARCH、関関同立は出世において有利ではない。
https://matome.naver.jp/odai/2151798659706165501/2152213355094046803

採用者数ベースで見ると、MARCH、関関同立のシェアは高いはずなのだが、取締役のシェアは低く、代表取締役レベルになると皆無である。

ところが、同じ大手金融機関で、リテール畑でも、大手生損保、大手証券会社の場合は、MARCH、関関同立出身の役員はいくらでもいるし、社長ですら可能である。

もちろん、出世はそんなに気にしないという人もいるかも知れないが、同じ給与水準で同じリテール業務であれば、大手生損保や大手証券会社に行った方がいいのではないだろうか?

また、国内系運用会社であれば、ファンドマネージャーやリサーチ等のプロフェッショナル職に就くことも可能である。

MARCH、関関同立からメガバンクの内定を得ることができるのは、優秀層であろう。従って、他の金融機関や事業会社からも内定を得る可能性は十分にあるので、本当にメガバンクが自分にとってのベストアンサーなのか十分検討する必要があろう。

4. MARCH、関関同立からの金融機関への就職について

MARCH、関関同立からはメガバンクだけではなく、他の大手金融機関への就職者も多い。大手損保、大手生保、運用会社、カード会社、リース会社等が対象業種となろう。

①大手損保

大手損保の場合、業界トップの東京海上日動がお勧めである。2位以下とは、年収やステイタスでかなりの違いがあるにも関わらず、商社や国内系IBDと比べると特別入社難易度が高いわけでは無いのでお買い得だ。

<東京海上日動の就職、年収等>
https://career21.jp/2019-03-22-064501/

もっとも、メガバンク同様、将来的には少子高齢化に伴う国内市場縮小の問題点がある。東京海上日動はアジアに積極的にビジネスを展開しているので、海外で活躍する意欲があれば尚良いだろう。

②大手生保

大手生保、特に、日本生命と第一生命は待遇・安定性共に非常に高い。3位以下の明治安田や住友生命を考えるのであれば、できれば大手2社に行きたいところだ。

<日本生命の就職、年収等>
https://career21.jp/2019-03-23-072129/

③国内系運用会社

いわゆるアセマネである。地味ながら、転職スキルは付くし、将来的にも市場が拡大する余地はあって魅力はある業界だ。

もっとも、近年のトップ学生の金融専門職への憧れは非常に強く、外銀や国内証券専門職は非常に難化しているので、国内系アセマネも急速に難化しているという話も聞く。

MARCH、関関同立で活躍している人は多いので、相場に興味がある学生にはお勧めである。

<国内系運用会社について>
https://career21.jp/2019-01-09-072810/#:~:text=%E5%9B%BD%E5%86%85%E7%B3%BB%E9%81%8B%E7%94%A8%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%AE%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6&text=%E4%BE%8B%E3%81%88%E3%81%B0%E3%80%81%E5%9B%BD%E5%86%85%E7%B3%BB%E3%81%AE%E5%A4%A7%E6%89%8B,%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81%E8%8B%A5%E5%B9%B2%E8%A6%8B%E5%8A%A3%E3%82%8A%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82

④リース会社

B to Bビジネスである大手リース会社の場合、いわゆるハードなリテール業務が無く、給与水準もメガバンクに準じた高水準で穴場的な業界である。もっとも、役員クラスは親会社から降りて来るので、出世は望めないということがデメリットだ。

<三菱UFJリースの就活、年収>
https://career21.jp/mufg-leasing/

⑤カード会社他

ここも比較的穴場の業界である。業界トップのJCBは知名度、給与水準は高いし、マーケティングやフィンテック関係の新規事業にも積極的である。

また、今までは早慶や上位国立のシェアは低いため、MARCHからの就職者、OBが多いのもメリットであろう。

<JCB>
https://career21.jp/2019-05-17-122610/#:~:text=%E2%91%A1%20JCB%E3%81%AE%E5%85%A5%E7%A4%BE%E5%B9%B4%E6%AC%A1%E3%80%81%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AB%E3%81%A8%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%81%AE%E6%8E%A8%E7%A7%BB&text=30%E4%BB%A3%E5%8D%8A%E3%81%B0%E3%81%AE%E4%B8%BB%E4%BA%8B,%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E3%81%AE%E6%B0%B4%E6%BA%96%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%80%82

最後に

MARCH、関関同立からメガバンクを含む大手金融機関への就職者はかなり多い。
しかし、既にメガバンクの新卒採用者数は減少傾向にあるし、コロナウイルス問題の影響により、22卒以降は更に減少するリスクがある。

このため、4~5年前の大量採用時代の先輩達と同じ就活対策をやっても、内定をもらえない可能性が高い。難関の総合商社を目指すようなつもりで、万全な対策が望まれる。

また、大手金融機関の中でメガバンクがベストという訳では無いので、生保、損保、運用会社、リース、カード会社等、広い視点から自分の適性業種を見極めたい。

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