三井物産のモザンビーク事業は、就活時のOB/OG訪問、面接のネタの宝庫である

1. 三井物産の志望者がモザンビーク事業を知らないことはあり得ない

総合商社は表面的な倍率が100倍を超える。

従って、内定を巡って熾烈な競争が繰り広げられるので、企業研究はしっかりやらないと高学歴であっても落とされてしまう。

そういった環境下、三井部産のモザンビーク事業は、総合商社、三井物産を象徴するような事業であり、内定を本気で狙う就活生は当然知っておくべき事業である。

例えば、以下の単語にピンと来るだろうか?

これを知らないようでは、内定はまだまだ遠くないだろうか?

・モアティーズ炭鉱

・ヴァ―レ(Vale)

・液化天然ガス

・478百万米ドル、733百万米ドル

・ナガラ回廊鉄道

・マレイアーネ経済財務大臣

2. 三井物産のモザンビーク事業の概要

三井物産のモザンビーク事業は、4年以上前の2014年12月に、モザンビークのモアティーズ炭鉱の権益の14.25%をブラジルの資源の巨大企業であるヴァ―レから540憶円で取得したことに端を発する、資源からインフラ(鉄道・港湾)に跨る、巨大プロジェクトである。

総合商社の中でも三井物産は特に資源・エネルギーの比率が高く、同社の利益の約7割は資源・エネルギー部門が稼ぎ出す。

従って、三井物産の中核事業である資源・エネルギー関連であり、かつ、巨額のプロジェクトであることから、三井物産を本気で目指す就活生は知っていて当然のプロジェクトなのである。

(この経緯は、以下の東洋経済の記事がわかりやすい)

toyokeizai.net

このモザンビーク事業を深く学習するだけで、三井物産の志望動機とか質問事項と言うのはすぐに思いついてしまう。

例えば、日本に絶対欠かせない資源ビジネスに強く、2014年という資源市況が弱い時期にあえて逆バリで資源に巨額の投資をするという勝負師的な風土と、モザンビークと言うまだまだ未開のアフリカの小国に進出するという、フロンティア精神に溢れた会社は他にないと言えるだろう。

また、モザンビーク事業を徹底的に調べた上で、具体的な質問をすると、その就活生の本気度、情報収集力というのを伝えることによって、他の学生と差別化を図ることができるだろう。

(三井物産のホームページにこれらのプレスリリースあり)

トピックス | モザンビークのナカラ鉄道・港湾インフラ事業向けプロジェクトファイナンスの融資契約を締結 – 三井物産株式会社

なお、2018年にガス田の投資の話が日経で報道されているので、OB/OG訪問では、是非質問したい。

www.nikkei.com

3. プレゼンにおいて詳しく見えるコツ

モザンビークネタを事前に十分に調べた上で、質問等するなどして、OB・OG訪問や面接で披露することになるのだが、その際に、プレゼンにおいて詳しいと思わせるコツがある。

これは、証券アナリストがよく使うスキルなのだが、「数字」「固有名詞」をキッチリと覚えて、紙を見ずに、口頭ですらすらと話す方法である。

例えば、

「2年ほど前に約8億米ドルで、炭鉱に出資した件ですが、」と、

「2017年3月のプレスリリースの、733百万米ドルで、モアティーズ炭鉱の投融資とインフラ事業の投融資を支払った案件ですが、」と、

言うのとでは聞き手の印象が大きく異なってくる。

また、担当者についても、単に金属資源本部長というより、大間金属資源本部長と、固有名詞ごと覚えた方が、良く知っているなと思わせることができる。

4. 他の企業での応用可能性

三井物産のモザンビーク事業だけでなく、他の総合商社でも社運を賭けた一大プロジェクトは何かしらあるし、商社以外の業界でも勝負をかけた一大事業と言うのがあるはずだ。

そういったものは、中期経営計画で必ず紹介されている。

そういったプロジェクトについては、公開情報で徹底的に勉強し、志望理由や質問事項に落とし込めば、うまく自己アピールの一助とすることができるだろう。

最後に

学生は、ビジネスに関する調査、分析が苦手だと一般的に思われている。

これは、従来は求められなかったスキルであるし、昔はWebとかがなかったので、学生がビジネスについて掘り下げた学習をすることも難しかった。

しかし、今ではWebで情報が簡単に取れるし、四半期開示で企業の情報開示も昔よりも格段に良くなっている。

ビジネスと言うのは、情報戦でもあるので、本面となる企業のビジネス情報はIR情報等から引っ張り出して、深く学習して、面接時に活用したい。

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