三菱地所がトップ?定着率、回転率は、新卒の場合も中途採用の場合も、重要なファクターである。

1. 人が辞めない会社はいい会社

定着率が高い、或いは、回転率が低い、要するに、人が辞めない会社は業種を問わずいい会社である。

同じ位の給与水準、いや、少々給料が高くても、人がすぐ辞める会社には行くべきではない。

これは、外資系金融でもベンチャー企業でも言えることである。

「年収が3割アップした!」と言っても、いざ入社してみると、毎日辞めたいと思うような会社では転職の意味が無い。

居心地がいい会社と言うのは、新卒、中途を問わず、重要なファクターなのだ。

その点に関して、給料が高くて人が辞めない会社という東洋経済の記事があったので、これは、就活の際に良い参考情報となるだろう。
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2. そもそも大企業で3年以内に新入社員の四人に一人が辞めるの?

新入社員の3割は入社後3年以内に辞めてしまうということは、聞いたことがあったが、それは中小企業を含んだ統計だから大企業にはあてはまらないものと考えていた。

しかし、従業員が1000人以上の会社でも、新卒で入社して3年以内に辞める割合が24.2%もあるという事実に衝撃だ。

企業規模が大きくても四人に一人は3年以内に辞めてしまうのだ。

①業種別の定着率:定着率が悪い業種

大企業だから辞めないということはないということが分かったので、業種別にチェックしなければならない。

まず、定着率が悪い業種について見ると、宿泊業・飲食サービス業の49.7%、教育・学習支援業の46.2%、が上位である。

要するに、外食と塾の定着率が悪いということであり、要するに、薄給激務の仕事は嫌だという極めて分かりやすい結果である。

就職偏差値と一致しており、あまりサプライズが無い統計である。

②定着率が高い会社

反対に、定着率が高い会社、要するに居心地が会社と言うのは、

・大手不動産(三菱地所、住友不動産、東京建物)

・海運、空運(日本郵船、商船三井、川崎汽船)

・食品、水産(日清オイリオグループ、不二製油、アサヒビール)

・電子部品・危機(ルネサスエレクトロニクス、アドバンテスト、横河電機)

が上位にランクインしている。

興味深いのは、これは、就職偏差とは必ずしも相関が高くないからである。

就職偏差値が最上位の外銀・外コンは非上場なので、このランキングの対象外であるが、統計を取ってみると、明らかに定着率は低いであろう。

また、外銀・外コンと並んで就職偏差値が最上位の総合商社については、双日が68位、住友商事が95位と100位以内にランクインしているが、就職偏差値の高さと比べると見劣りする順位である。

結局、定着率がいい会社と言うのは、「給料がそこそこ良くて」かつ「ワークライフバランスが良い会社」ということであろうか。

給料の良さと仕事の大変さというのは、トレードオフの関係にありがちだが、そのバランスが欲しいということなのだろう。

ランキングを見渡すと、大手メーカー、大手建設・不動産、大手海運・空運(陸海空のうち陸運だけないのが面白い)、

といった、面倒な個人相手のビジネスをする必要が無いB to B系企業で、科学技術や経済環境の影響を受けずに長期安定でいられそうな企業と言うことであろうか。

雑感

いくら給料が高くても、長期間働くことができないと、累進税率を考えると、あまり経済的に有利ではない。

そこそこの年収で長期間働ける方が、コツコツと計画的に蓄財することもし易く、賢明な選択と言える。

若いころはやる気とパワーに満ち溢れ、果敢に外銀や外コンに入社したものの、短期間で疲弊してしまうケースは少なくない。

長期的には、落ち着いて長期間働ける職場を追求しなければならず、外銀・外コンに挑戦する場合も、バックアッププランを練っておいた方がいいだろう。

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