1. メルカリ、英国から撤退との報道が
メルカリ、英国から撤退へ–過去に10億円超えの損失 – CNET Japan
先日、メルカリが英国から撤退とのニュースが報道された。
米国を始め、海外事業の不振が株主から攻められているメルカリであるが、遂に英国から撤退することとなった。
米国事業における朗報は、特に報道もされておらず、株価的にもピーク時の4割まで下落してしまい(平成30年12月18日現在)、上場後早くもメルカリ経営陣は辛い状況におかれているのではないだろうか?
2. 中途採用での入社は狭き門であったが…
日本の場合、安定志向が強いのか、先行きが見えにくいシード、アーリーステージの段階での採用は大変難しいが、IPOが見えてきたり、上場した途端、中途採用に人が押し寄せる傾向にある。
特に、ベンチャー企業と言っても、メルカリ位の知名度・規模感であると、中途で入社するのは容易ではない。
しかし、ありがちな話かも知れないが、IPOこそ大成功であったが、不振の米国事業の出口はまだまだ見えず、株価は低迷し続け、遂に英国からは撤退することが決まったようだ。
このような状況下、中途採用での人気も沈静化するであろう。
そうした中、あえて、メルカリに中途採用で挑戦するというのはどうなのだろうか?
3. 今こそ、中途採用での入社は狙い目ではないか?
①転職力の構成要素
そもそも、メルカリを始め、IT系ベンチャー企業への中途入社を目論む者は、長期的な安定性とか、終身雇用とかは望んでいないだろう。
むしろ、将来の起業のために役に立つ、メルカリで十分なビジネス経験を経て転職力を高めたいという狙いが強いのではないだろうか?
そもそも、転職力はどうやって決まるかということであるが、基本的に、以下のファクターで構成されるのではないだろうか?
(1)企業のネームバリュー
就活の際には、中身云々の前に、学歴が重要なファクターとなる。
転職の場合も同様で、企業のネームバリューというのは重要で、採用側も現職の企業のネームバリューが高いと安心できる。
この点、メルカリは十分なビッグネームであるし、スペックの高い社員が集まっていることで知られている。
米国事業で赤字を継続して垂れ流しても、国内事業の収益力は高く、ネームバリューがすぐに棄損されるということはないであろう。
(2)職種、スキル
メルカリにいれば、抽象的な意味で、ネットビジネス、C to Cビジネス、ECビジネスに関する基本的な最低限の知識・スキルはあると判断されやすい。
そして、エンジニア、ビジネス企画、コーポレート等、部門別採用なので、中途採用されれば、その部門での専門性は修得できるであろう。
(3)タイトル、ビジネス実績
ビジネス面でのリーダーシップに関するスキルである。
タイトル、すなわち、マネージャーとして部下を巻き込んで結果を達成したかということであるが、メルカリは若くて柔軟性の高い組織であるので、他のネットベンチャー企業と同様に、タイトルや部下を持てる可能性は高いだろう。
また、多くの社内プロジェクトが複数走っている組織であるし、積極的に参画することが歓迎される体質であろうから、いろいろなプロジェクトに首を突っ込むことにより、職務経歴書を充実させる経験を積むことが可能であろう。
さらに、グローバルを標榜している企業なだけに、英語を習得するための研修や機会は充実しているであろうから、若いうちに英語を身に着けるには恵まれた環境であろう。
(日本のネットベンチャーは国内向けビジネスなので、英語が苦手な人が多い。)
②狙い目のポジション
以上より、まだまだ、メルカリで働けば、転職力を高めることが十分可能だと思われる。
それでは、どういったポジションが狙い目であろうか?
もちろん、中途採用の場合は、経験者採用が中心であるので、自らのスキルに限定されがちである。
しかし、第二新卒等の場合にはポテンシャル採用をしてもらえる可能性は残されており、挑戦してみる価値はある。
例えば、新規事業とかではなく、「人事」に関するポジションに就くことがおすすめである。
もともと、ベンチャー企業においては「人」が全ての業界なので、中途採用能力・スキルを有する人事関連人材への需要は高いのであるが、メルカリの場合は独自の採用、評価、育成、配置制度があるので、他のベンチャー企業以上に、多くの者を吸収することが可能だからである。
この中途採用サイトを見ると、広い意味での人事関連のポジションは複数あるようだ。
ベンチャー企業の人事に興味がある若手社員は、中途で狙ってみるのは面白いのではなかろうか?