外資系金融機関への転職の際に、給与関係で確認しておきたい3つのこと

1. 会社によって異なる給与や退職金制度

外資系金融機関というのは、日本の金融機関とは異なり、終身雇用を前提としていない。

このため、リタイアするまでに、少ない人で2~3社、多い人だと8~10社位に勤務することとなるであろう。

外資系金融機関の給与は、ベースと呼ばれる基本給と、年1回支払われるボーナスの、2項目をメインとしていることは、ほぼ共通している。(更に細かくいうと、ボーナスは現金部分と株式部分で構成されている場合があるが…)

しかし、それ以外の制度(フリンジ・ベネフィット)については、各社各様なので、転職時においては、セコイと思われるかもしれないが、確認した方がいい場合がある。

今いる会社では支払われていたので、あって当然と思っていたが、転職先の会社では制度が異なり、結局、わざわざ転職したけど、トータル年収はあまり変わらなかったということも起こり得る。

2. チェックしておきたい3項目について

①退職金の有無と内容

ベースサラリーとボーナス以外で、最も重要なチェック項目はこれだ。

何故かというと、退職金の税率は極めて低く、見かけ以上に、手取りで違ってくるからだ。

例えば、多いパターンは、1年働くと、ベースサラリーの約1割分が蓄積されていくという方法である。

例えば、外銀(証券会社)だと、VPだと基本給は2000万円程度が想定される。

この場合、よくあるパターンで1年あたり基本給の1割とすると、5年働くと、2000万×1割×5年=1000万円が退職金支給額となる。

この場合、税率は7%程度なのでその大半を手取りとして受け取ることができる。

このため、退職金があるかどうかは重要であり、入社時において確認しなければならない。

なお、退職金は重要なので、転職時に質問すれば、人事の人が丁寧に説明してくれるし、特にセコイと思われることは無いので、是非とも確認すべきだ。

②年金の有無とその内容

外資系金融機関で独自の企業年金(確定給付型)制度がある会社は思い浮かばない。

多くの場合は、401Kと呼ばれる、確定拠出型年金だ。

これは、毎月Max5万円を会社が支給してくれる仕組みで、年間約60万円が積立られることとなる。

これのポイントは転職した場合にも、転職先で確定拠出年金制度があれば、引き続き継続することができることだ。

そして、どうやって運用するかは各人が選択できることになっており、外国株式、外国国債を使った運用が可能である。

そうした場合、長期だと、実は複利運用を享受することができ、時間が経てば結構な金額になり得るのである。

例えば、限度額支給される場合において、年率3%で運用できたとすれば、10年間だと699万円、20年間で1638万円と結構な金額になるのだ。(なお、引き出すことができるのは60歳になった時である)

確定拠出型年金制度は、特に規模が小さい外資系金融機関の場合、制度がない場合もあるので要確認である。

この年金制度についても、転職時に人事の人に確認することは全然恥ずかしいことではない。

退職金とセットで確認すれば良い。

③ベアについて

退職金と年金制度は気づきやすいかも知れないが、更に細かい項目は、このベア(ベースアップ)である。

釣った魚には餌をやらないではないが、基本給(ベース)は、一旦入社すると、その後、昇格しない限りは、1円も上げてもらえないことが多い。

しかし、グローバル金融機関の中には、インドのようなインフレ国に拠点がある企業は珍しくないので、ベースアップ制度が設けられている場合がある。

日本のようなデフレ国の場合は、インフレを踏まえたベースアップは不要なのだろうが、インフレ国へのご相伴で、日本も数%(1~3%)、バジェットが付く会社もある。

仮に、基本給が2000万円で5年務めた場合、ベアが年平均2%だったとすると、

ベースが約2200万円となる。そうすると、退職金も、それに連動するのでそこそこのアップとなる。

このため、少々セコイかも知れないが、ベースアップがある会社に転職できればうれしいし、反対に、前の会社はベアがあったけど、新しい会社にはベアが無かった場合には少々がっかりすることもあろう。

まとめ

転職時においては、ベースの金額にこだわり、100万円をめぐって、Hard Negotiationが行われることもある。

その結果、例えば、1800万円のベースを2200万円にアップさせることができたと喜んでいても、退職金、確定拠出年金、ベースアップ制度が転職先になければ、退職金の税率の低さを考慮すると、トータルではほとんど変わらない結果となる。

従って、セコイは無しかも知れないが、この3つについては確認したい。