最強フリーランス組織のStockSunの人材マネジメントについて、サイバーエージェントのHRMと比較して考えてみた

1. まだまだ成長が止まらないStockSun

最強フリーランス組織として、NewsPicks等のメディアでも取り上げられた株本氏率いるStockSunであるが、創業1年4か月にして、月商4000万円を突破した。

そして、StockSunの粗利は月間1200万円にも達するという。
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また、株本氏が本業であるWebコンサルティング業務の観点から、並行して運営されているYouTubeメディアである「年収チャンネル」の登録者数も開始後約半年で2万4000人を越えた模様である。

blacksonia.hatenablog.com

極めて、順調に進捗しているStockSunのビジネスであるが、その実態はフリーランス集団であり、経営資源は「人」しかない。

そこで、成功の秘訣はHRM(人的資源管理:Human Resource Management)にあると考え、HRMが主たる成功要因と考えられるサイバーエージェントと比較して検討することとした。

2. HRMにおける両社の比較

①HRMの構成要素に着眼した比較

HRMは、外部環境と競合状況を踏まえて策定された経営戦略に対して、人材をいかにして経営戦略に向けて動かすことができるかについての方策である。

そして、その方策は、主として以下の3要素で構成されると考えられる。

(1)リソース・マネジメント

⇒如何にして、戦略目標に適した人材を確保するか

(2)モチベーション・マネジメント

⇒如何にして、採用した人材の才能を最大限発揮させ戦略を遂行させるか

(3)組織デザイン

⇒上記(1)(2)を適切に実行するための仕組み作り

この3要素について、両者を比較し、表にまとめてみた。

その結果、ある意味、両者のHRMは対照的であることがわかる。

StockSun サイバーエージェント
リソース・マネジメント

 

・スキル、専門性の高いフリーランスのプロフェッショナルをネットワークで集める

⇒即戦力重視で集める

・素直で柔軟で、やる気にあふれる新卒を採用し育成

⇒潜在力重視で育てる

モチベーション・

マネジメント

・高い報酬

・次のプロジェクトへの参画

⇒金銭的モチベーション

・昇格、子会社役員、希望部署への異動

・社員総会始め、同僚からの賞賛、評価

⇒非金銭的モチベーション

組織デザイン ・会議や雑務は可及的に排除することに拘る。

・シンプルさ、透明性重視

⇒「無」の人事制度

・社員を成長させ、モチベートするための仕組みを次から次へと試行錯誤しながら、

数多く導入する

⇒「有」の人事制度

②両社のHRMのファクターが対照的である根拠

StockSunもサイバーエージェントも、若手中心の組織であり、成長中であるユニークなHRMを有した企業である点で共通しているが、HRMの個々のファクターは対照的であることがうかがえる。

思うに、この要因は、両者の企業としてのGoalが異なるからであろう。

すなわち、サイバーエージェントは上場企業であり、求められるものは株価時価総額の最大化だ。そうすると、利益の「絶対額」を増大し続けなければならないので、組織(社員数)は拡大傾向になりがちだ。

社員数が増大すると、既存の有能な人材を外から大量に引っ張ってくるのは難しく、安くて若い人材を大量に新卒採用し、会社自体が優秀な人材に育てていく必要がある。

他方、利益の絶対額は、社員数 × 社員1人あたりの利益の額、で計算されるところ、社員1人あたりの利益の額が横ばいでも、社員数が増えれば、利益の絶対額は増えるので、組織目標としてこれでOKなのである。

このため、サイバーエージェントの会社としての利益の絶対額は成長しても、個々の優秀な社員がリッチにならないのはこのためだ。

他方、StockSunは非上場の株本氏保有の企業であるので、利益の絶対額がゴールではない。

それよりも、StockSunの役職員(若干名だろうが)と関連フリーランスの人達の、「一人当たりの利益」が重要だ。

関係者個々人がリッチにならないと意味が無いからだ。

従って、多くの従業員を採用して、利益の絶対額を追求するよりも、各人の利益が最大化できるような案件を取ってきて、如何にうまく、フリーランスの人達に効率的に配分するかという、「育成」よりも仕事の「配分」がカギとなるのだ。

このように、会社のゴールが異なるので、HRMのやり方も異なってくるのだ。

3. StockSunの今後の課題と展望

上述の通り、StockSunの組織としてのゴールは、「1人あたり利益」の極大化であるので、単にプロジェクト数を増やしても、それに掛かるフリーランスの人数が増えると「1人あたりの利益」はあまり増えない。

従って、如何に比較的少人数で金額の大きいプロジェクトをソーシングし続けることができるかがカギとなる。

案件は次々とやってくる模様なので、その取捨選択が課題になるのかも知れない。

また、売上が増えていけば、関係当事者の人数が自ずと膨らみがちなので、「品質管理」を如何にして効率的に行うかも課題となろう。

もっとも、2020年に5Gが予定通りスタートし、動画の時代が到来すると、それに向けて既にノウハウや運営スキルを蓄積しているStockSunであるので、一層の飛躍が期待される。

2019年になっても、ユニークな最強フリーランス組織StockSunの活躍に引き続き要注目だ。