外資系金融から外資系事業会社のファイナンス(経理・財務)に転身する選択

1. 外資系金融(特に外資系証券会社)は定年60ではない

外資系金融、特に外銀とも呼ばれる外資系証券会社は、実質的な定年が40半ば位だとも言われている。

事実、外資系証券会社で40代の社員は、フロント部門では2割にも満たないのではないだろうか?

要するに、事実上、60歳まで安定的に働ける職業では無いので、どこかのタイミングでキャリアチェンジを考える必要があるのだ。

2. 外資系事業会社のファイナンス(経理・財務)は選択肢の一つ

外資系金融の中では、外資系運用会社は比較的年を取っても働き続けることができる環境にあり、50代でも十分働ける。

とはいえ、60歳の定年まで働ける保証が無いのは、外資系証券会社と同様で、50代半ばまで働ければそれなりだろう。

しかし、外資系証券会社と外資系運用会社とでは、業務内容が異なるため、40歳を過ぎてからの転身はかなり厳しい。

また、国内系証券会社のプロ職という手もあるが、やはり、40歳を過ぎてからのシニア・ポジションでの転職は容易ではなく、国内系証券会社への転身の可能性も低い。

それなら、ベンチャー企業はどうかということであるが、ベンチャー企業は年齢層が20代中心で、外資系証券会社から転身を考える位の年齢になると、年齢的なミスマッチが目立ち、なかなか厳しい。

また、ベンチャー企業のCFOポジションというのは、それほど多くなく、わざわざ高給の外資系証券会社から引っ張らなくても、元銀行員とか監査法人勤務の公認会計士が選ばれたりすることもある。

そこで、意外な狙い目が、外資系⇒外資系、ということで、外資系事業会社のファイナンス職である。

なお、ここでいうファイナンス職は、外資系証券会社のM&Aとか資金調達のような職種ではない。

日本の会社でいうところの、経理部、財務部、主計部といったイメージである。

外資系と言っても、事業会社の場合は比較的年齢層が高く、外資系証券会社からそろそろ転身を考え始める年代(30代後半~40歳ちょい)が丁度、管理職として迎えられやすい。

3. 給与水準は勿論大幅に低下するが…

もちろん、外資系とはいえ、事業会社に移れば、年俸水準は大幅に低下する。

だいたい、経理部のDirectorクラスで、ボーナス込の年俸が1700~1800万円位あれば文句なしといったところだ。

ただ、会社によっては、アマゾンのように、RSUという株式をボーナスとして付与されるケースもある。

RSUは通常4年位かけて満額を受け取ることができる仕組みであるが、株価が上がれば、結構な報酬になることもある。(もちろん、株価が下がれば受け取ることができる手取りは減少する)

外資系証券会社で30代後半まで生き残っているのであれば、年収はほぼ半減となるが、そこから先の20年位を見据えれば、ワークライフバランス的にも、キャリア的にも悪くない選択肢かも知れない。

そもそも、外資系証券会社で30代後半以上まで働ければ、堅実な生活をしていたら、1億円程度の預金はあるだろうから、年収1700~1800万円位あれば、それなりではないだろうか?(丁度、40前後の総合商社の年俸位ではないだろうか)

 4. 問題点は、そんなに簡単に見つかるわけではない

悪くない選択肢にも見えるが、それほど簡単に見つかるポジションでないのが問題だ。

何故かというと、事業会社の経理の仕事であれば、必ずしも外銀出身者が有利というわけではなく、今の年俸水準が高いことが不利に働く場合もある。

また、金融と事業会社では、転職エージェントが異なってくるので、今まで懇意にしていた転職エージェントに頼れないという問題もある。

別途、アズール&カンパニーとか、ISSのように外資系事業会社に強い転職エージェントに登録してゼロから探し始める必要がある。

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また、外資系事業会社の場合、CFOポジションは本社から派遣された外国人のポストであったりするケースもあるので、そういった場合には事実上、CFOに昇格する見込みはないということになる。(本来、外資系企業では内部昇格は難しいが)

 5. 今後の見通し

今後、外資系証券会社が新たに日本市場に拠点を設ける可能性はあまり考えられない。

他方、事業会社、特にネットビジネスであれば十分に考えられる。

例えば、中国系のネット系大手が日本に進出するような場合には、そういったCFO的なポジションも増えていく可能性がある。

今後、まだまだ中国を含むアジアは成長していくだろうから、今の若い人は、中国系のMBA(香港、シンガポール)を狙うというのも面白いかも知れない。