MARCH、関関同立から総合商社の内定を取るための戦略を考えてみた

1. そもそも、MARCH、関関同立から総合商社は可能か?

 ①「特に特徴の無いMARCHの学生ですが、総合商社は無理でしょうか?」という極めてよくある質問

ヤフー知恵袋等で良くみられる質問だが、YesでもNoでもない優しい回答をしてくれている人がいる。

しかし、「無理に決まってるでしょう」と事実に近い回答をした方がある意味親切ではなかろうか?

最初から精神論的で恐縮だが、そもそも、自信とやる気が見えないこの質問をしている時点で負けである。

反対に、「難しいのはわかっていますが、どんな努力をしても総合商社に入りたいと思っています。だから、内定をもらえる確率を最大化できる戦略を教えて下さい。」というのであれば、可能性は出てくるのである。

②結論的に、難関であることには違いないが、可能性はある

MARCH、関関同立の学生も、やる気があって努力を惜しまないというのであれば、可能性はある。

事実、以下のデータを見ても、MARCH、関関同立からも総合商社に内定した実績がある。

なお、以下のデータには「豊田通商」が入っていないが、それは単にデータ元のAERA2019.8.5号のリストに載っていなかったのが理由であり、特に総合商社から「豊田通商」を除いた方がいいという意図はない。

厳しい数字であることには違いはないが、日東駒専、龍甲産近の場合は、「丸紅 日本大学 1名」という実績があるだけであり、他はゼロである。(日本大学から丸紅の1名も一般職ではないかと推測されるが、その点は確認できない。)

従って、日東駒専、龍甲産近から総合商社に総合職として入社するのは不可能に近いと思われる。その点、MARCH、関関同立であれば可能性はあると考えられる。

三菱商事 三井物産 住友商事 伊藤忠 丸紅 双日 合計
慶應 29 41 39 25 21 7 162
早稲田 17 30 31 20 18 7 123
明治 1 2 3 3 2 5 16
青学 2 1 7 2 3 5 20
立教 3 3 7 3 1 8 25
中央 0 1 3 2 0 1 7
法政 0 2 1 0 1 1 5
関学 1 3 3 3 0 1 11
関大 0 0 1 1 0 0 2
同志社 1 3 6 2 1 2 15
立命館 1 2 1 0 1 3 8

(出所:AERA2019.8.5号「主要50大学の人気企業への就職者数」を基に外資系金融キャリア研究所作成)

③MARCH、関関同立の学校群内部での差が見られるが…

上記リストを見ると、MARCH、関関同立と言っても、それぞれの学校群の中で、いわゆる上位校と言われるところとそうではないところとの間に差異があるように見える。

例えば、MARCHの中でも上位校と言われる、明治、青学、立教の場合は総合商社への就職者の合計が2桁であるのに対して、中央と法政は1桁である。

また、関関同立の場合も、その中の上位校と言われる同志社と関西学院は2桁であるのに対して、関大と立命館は1桁である。

しかし、この点は年によって変動するし、明確な枠がある訳では無いと考えられる。例えば、2018/3卒においては、同志社から三菱商事はゼロであったが、2019/3卒においては1名である。反対に、2018/3卒においては、中央大学から三菱商事は2名であったが、2019/3卒においてはゼロである。

このように、MARCH、関関同立の場合には、学校の壁を越えて争うという形であると考えられるので、特に気にする必要は無いのではないだろうか。

もっとも、法政と関西大学は継続的にこの学校群において総合商社への就職者数が少ないので、これにはOBの数が少ないということもあるだろう。この点については、他大出身者に対するOB訪問を行うなど、積極性が求められるだろう。

④総合商社7社の中で狙い目はあるか?

一般的には、総合商社7社の中でも相対的な序列はある。

<東大、一橋、早稲田、慶應の就活生における総合商社の序列について>

https://career21.jp/2019-03-24-074220/

大手5社という言われ方もするが、三菱商事、三井物産、伊藤忠、住友商事、丸紅と、

双日、豊田通商との間には、企業ブランドや年収において差があることは事実である。

また、大手5社の中でも、規模、伝統、ネームバリュー等の面において、三菱商事と三井物産が格上だと見る向きもある。

そして、更に、三菱商事がナンバー1ということで、東大・慶応で外銀・外コン内定持ちの腕自慢の学生は、コレクションのようなノリで、企業内容とかはどうでもよく、三菱商事だけの内定を取りに来る場合もある。

しかし、MARCH、関関同立の学生は上の序列に気にせず、好きなところを受けるべきだ。

実際、上の表を見ても、明治、青学、中央、関学あたりは、三菱商事と豊田通商とで内定者数に有意な差は無い。

これは何故かというと、どの会社も学校毎の「枠」というものがあり、あまり一つの学校に偏り過ぎると良くないので、学校毎におおよその上限(「枠」)を設けているのだ。

だから、慶応は慶応の上限30~40人という枠の中で、慶大生同士が競っているし、東大は東大で上限15~25人位の枠の中で東大生同士が競っているのだ。

大手5社の場合、大体定員の7割位が東大、早慶、京大、一橋あたりで埋まるので、

残りの3割位の枠(「その他」枠)を巡って、MARCH、関関同立は、旧帝大、東京外大、上智、ICUといった有力校の学生達と、学校の枠を超えて戦うことになるのである。

従って、心配しなくても、東大の外銀・外コン内定持ちの猛者と三菱商事で戦う必要は無い。このため、MARCH、関関同立からも三菱商事から内定が出ているし、他方、東大と京大がほとんどいない双日・豊田通商は特段入りやすいとも限らない。

何故なら、MARCH、関関同立の自信のある学生は「ここなら何とかなるのでは?」という期待の下、多くが挑戦するので、厳しい競争が繰り広げられるからである。

だから、大手5社でも、学生自身が優秀であれば、MARCH、関関同立の各校から、4~5人(除く一般職)位内定する可能性はあるし、反対に、一人も内定をもらえないケースもある。

以上より、東大や早慶のトップ学生のことは気にする必要は無く、MARCH、関関同立含むその他の学生との戦いにさえ勝てれば、三菱商事でも三井物産でも勝機はあるのである。

④可能性はあるのはわかったけど、挑戦する価値はあるのか?

可能性があるのはわかった。双日、豊田通商だけでなく、他の大手5社にも同じようなチャンスはあることもわかった。それに、東大の外銀・戦コン内定持ちのスーパーな学生と戦う必要はなく、MARCH、関関同立、その他の学校との戦いに勝てばいいということもわかった。

しかし、難関であることは間違いない。それでも挑戦する価値はあるのだろうか?

その回答は、学生の考え方、志向にもよるが、基本的にはイエスであると考えて良いだろう。

何故なら、後述するが、商社で求められる「グローバル人材」というのは、他の多くの有力企業でも欲しくてたまらないところが多いからである。

英語ができて、リーダーシップがあって、情報分析力があるような学生は多くの企業が求めるところである。

したがって、総合系コンサル、リクルート、サイバーエージェント、ヤフー、パナソニック、といった有力企業を併願した場合に、総合商社対策は決して無駄にならないだろう。(もっとも、内需べったりの純ドメ企業、不動産、鉄道、地銀あたりは別であるが。)

2. 総合商社内定に向けて取るべき対応

総合商社が求める人材は、MARCH、関関同立も他の学校と基本的に同様であり、優れたグローバル人材を目指して準備していく必要がある。

昔は、有力国立大学の体育会や有力ゼミであれば、それだけで内定が出た古き良き時代もあったが、近年の強烈な商社人気に伴い、それだけでは通用しなくなってきている。

そういった有力校では、昔の基準に安心しているのか、今の採用基準に対応しきれていないのではないかと思われる点もある。

例えば、2019/3卒について見ると、三井物産の場合は、国立勢が早慶に対して苦戦しているようにも見える。

三菱商事は、東大19人、京大6人に対して、慶應29人、早稲田17人である。これに対して、三井物産の場合は、東大13人、京大8人に対して、慶應41人、早稲田30人と早慶が優勢となっている。

また、関関同立生がコンプレックスを抱く神戸大学は、

伊藤忠5人、住友商事12人、丸紅9人と関西系商社において強みを発揮しているが、

三菱商事3人、三井物産2人と、例年、商事・物産ではプレゼンスが低くなっている。

以上のように、最近の採用基準に対応した準備も不可欠となろう。

具体的には、以下の対応が必要となる。

(1)英語力

本当は、語学だけでなく、カルチャーとか外国人の学生とのコミュニケーションも取れるので、留学というのが望ましいが、就活時においては外銀のように英語で面接をされることはないので、実践的な会話力は不要である。

したがって、TOEICスコアを取っておけばよく、できれば900、何とか860、最低でも800は取っておこう。

そもそも、難しいのは承知の上で、総合商社に挑戦しようというのであるから、TOEICくらい作らないと戦う前提を欠く。

それに、MARCH、関関同立生は英語が苦手であればそもそも大学に合格できないので、素養はあるはずである。

従って、早いうちから自習と語学学校を併用して、TOEICスコアを作っておこう。

(2)リーダーシップ

ここでいうリーダーシップは、ビジネス創造能力。ゼロから1を創り出す能力ということもできる。

目的達成に向けて、周りの人を巻き込んで、皆を動かしていく能力である。

このため、ありがちな、海外を単身でヒッチハイク旅行した、とか、ゼミ長で引っ張った、とか、100人規模のサークルの副代表としてみんなを引っ張った、とか、家庭教師で生徒の成績が伸びた、では話にならない。

何故か?

単身旅行では周りの人を巻き込んでいないし、ゼミやサークルは、出来上がった組織を引き継いだだけで何も創造していないし、飲食店や家庭教師も何も創造していない。

そして、何よりも、ありふれているので面接官の記憶に残らないからである。

一番いいのが、自ら起業をしてみることである。

他の学生と数人で家庭教師派遣会社を起業したとか、アフィリエイト・ブログを作って、月に数万円稼げるようになったとか、新規にビジネスを立ち上げる系が目新しい。

アフィリエイト・ブログは他人を巻き込まないかも知れないが、他の学生と一緒に運営することもできるし、そもそも、総合商社はネット系弱いので、新規性があり刺さりやすいとも考えられる。

だから、起業サークルに入ってみたり、パッション・ナビでベンチャー企業のバイトをしてみて、とりあえず起業を勉強するのはおススメである。

(なお、くどいかもしれないが、起業サークルに入った事実やベンチャーでアルバイトをしたというだけではインパクトに欠けるということは留意すべきである。)

(3)情報収集・分析能力

総合商社というのは、グローバルに展開する自社の拠点を使って、儲かる可能性があるあらゆるビジネスを展開するというモデルであるので、情報収集・分析能力と言うのは不可欠な素養である。

従って、総合商社それぞれの特性を踏まえた上で、対応を行わないと話にならない。

だから、何も調べないで、三井部産に行って、住生活関係やりたいと言ってみたり、伊藤忠に行って、資源・エネルギーをやりたいと言うと、即落選決定である。

少なくとも、Webに載っている情報には隈なく目を通し、

事業ポートフォリオ、

中期経営計画、

大型買収案件、

企業理念、

あたりは理解しておく必要がある。

個人投資家向けのIR情報がわかりやすいので、とりあえず、そこから入るのがいいかも知れない。

各社毎の特性を踏まえた上で、何故当社か、どの部門をやりたいか、何故やりたいか、何故自分が向いているのかという定番の質問をクリアできるようにしておく必要がある。

なお、対応すべき点については、こちらにも言及してあるのでご参照下さい。

blacksonia.hatenablog.com

3. MARCH、関関同立の学生が総合商社挑戦に際して留意しておくべきこと

①必ず他の企業から事前に内定を取っておくこと(人気企業だけを回らないこと)

これは非常に大事なことであり、東大生でも同じである。よくある典型的な失敗パターンは、自信家でプライドの高い東大生が、外銀・外コン・総合商社(しかも財閥系3社のみ)のみ回って、全滅するというパターンである。

あと、慶大生が、総合商社7社受けて全滅するというパターンである。

その理由ととしては、第一に、他で内定を取っておくと、心理的に余裕が生まれ、本命の商社で実力を発揮しやすいからである。

反対に、内定ゼロで臨むとプレッシャーが半端なく、落ち着いて平常心で対応できないことの方が多いからである。

従って、最初はベンチャー企業とか、地味目のメーカーとか、専門商社といった内定を取りやすい所から、徐々にランクを上げて行けばいいのである。

この点、最近ではMEETS COMPANYとかキャリアチケットといった、就活生向けに転職エージェントの様な求人情報と就活アドバイスを提供するサービスがある。とりあえず、こういったところに登録して、面接の練習をしたり、内定を取る方法もいいだろう。

登録はこちら(Meets Companyの公式サイト)

また、もう一つ重要な理由としては、他の業界を知ることでより深い話が商社の面接でもできるからである。

例えば、商社でプラントをやりたいという場合に、商社はエンジニアリングの会社(日揮とか)、銀行(メガバンク)とか、保険会社と一緒に仕事をする。

商社の顧客やパートナーの業務を熟知しておけば、それだけ深い話をすることが可能となるし、具体的なビジネスの理解が可能となるのである。

(IR資料だけでは良く理解できないところがある)

②他の学生とは異なる、一味違った学生になることを心掛ける

総合商社の中でも大手5社は、MARCHや関関同立の学生は、受け控えするから、実は倍率が低く穴場であるという意見もある。

しかし、それでも何十倍と言う倍率なのだから、相当インパクトが無いと内定は難しい。

したがって、外資就活とかワンキャリアの過去の商社の内定者のESとかを見て、それで安心しては行けない。

ゼミ長、サークル副代表、飲食店・家庭教師、といったありふれた話を始めた段階でゲームオーバーである。

とはいえ、海外留学で活躍したエピソードは作りたくても、費用やタイミングの問題で難しいかも知れない。

そこで、おススメなのは、起業関係である。

もちろん、お金は無いし、VCからお金を引っ張れるくらいまでやると、そっちの途に行くということになるかも知れない。

ところが、Webをベースにしたビジネスであれば、お金はかからないし、一定の成果(アフィリエイト収入とかPVとか)を示すこともできる。

また、プログラミング関係が弱いと、そっちに詳しい学生と組むことになるので、そうすると、リーダーシップ(複数の人間を巻き込んで一つの目標に向ける)のネタにもなる。

総合商社はITビジネス苦手な人が多いし、日本の大企業は副業禁止なので、アフィリエイトとかnote等のコンテンツ課金といったネット系のスモールビジネスに弱い人が多いので、大した成果でなくとも、刺さりやすい。

是非挑戦してみて欲しい。

③準備は早ければ早いほどいい

以上のように、総合商社に本気で内定をもらおうとすると、いろいろ準備が大変である。

したがって、準備は早く始めれば始めるほどいいのは当然である。

入学と同時スタート、付属校であれば、高校の時から始めても構わない。

周りの学生に冷やかされたりするかも知れないし、外野の声(学生の本文は学業である系)も気になるかも知れないが、そういったものは関係が無い。

東大でも普通に落とされる総合商社である。

MARCH、関関同立から本気で行こうとすれば、特殊な生徒になって構わないのである。

まとめ(2020年10月11日追記)

MARCH、関関同立からでも、総合商社に内定は可能である。

但し、十分な準備は必要であり、早い段階から始めた方が良い。

2020年10月時点において、コロナウイルスの問題がグローバル経済に大きな悪影響を及ぼしており、特に2022卒以降の新卒採用者数が削減されるのではないかという懸念がある。

有力企業の採用数の減少についてはある程度想定すべきだろうし、その中で内定を勝ち取ろうと思えば、就活力を高めて置くことが必要だ。

総合商社は難関であるが、オーソドックスに優秀な学生を選別する採用方法であり、早い段階から十分な対応をしておくと、他の業界・企業での採用活動でも有効と考えられるため、最初から諦めることなく、挑戦することは重要だろう。

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